小林司のレビュー一覧
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シャーロック・ホームズ全集、第2弾。
翻訳本は読むのに時間がかかるのに、このシリーズはスラスラ読めて面白い。
ホームズを訪ねてきた小柄で気品のある若い婦人の相談は、十年近く失踪中の父・毎年贈られてくる真珠・謎の招待状という、なんともワクワクする始まり。
その後、殺人・宝探し・追跡劇と盛りだくさんな展開。ホームズの相変わらずな博識と推理に驚き、何かを追究していない時のダメ人間っぷりにも驚き、ワトスンの唐突なロマンスに驚いた。
この小説が120年以上前に書かれているとは思えませんでした。面白いものはいつまでたっても色褪せず面白い。読めてよかったです。 -
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ネタバレシャーロック・ホームズシリーズの「四つの長編小説の中で、最も密度の濃い(裏表紙の内容紹介より)」とされる作品で、河出文庫の全集の2冊目です。
最初の作品(『緋色の習作』)が面白かったので、続けて読んでみました。
当時のイギリスの風俗や社会状況を反映した舞台背景や、推理だけでなく冒険の要素もあることで、人気を博していたことは容易に想像できます。
『緋色の習作』のころにくらべて、ワトスンとホームズの関係性(友情?)が深まっており、シリーズを通しての本作品の魅力の一つとなっていると思います。
一つだけ、気になる(というか、個人的に受け入れがたいと感じた)点を挙げるとすれば、インド人や「アンダマン諸 -
Posted by ブクログ
シャーロック ・ホームズシリーズへのほとばしる愛。
それしかないのが本著のすごいところである。
愛100%である。
オタク気質の方は身に覚えがあると思うが、何か作品なり人物なりにどっぷりハマると、関連するものすべてを知りたい、集めたいと思わざるをえなくなる。
※かくいう私もマンガ「名探偵コナン」にハマったことでコナンくんのルーツであるシャーロック・ホームズシリーズを読もうと「緋色の研究」を手に取り、BBCドラマ「SHERLOCK」の沼に落ちてシーズン4まで観て、本著を手に取った人間である。
著者の東山さんはオタクの鑑である。
シャーロック・ホームズが好きなあまり、原典を読み、深い作品考察 -
Posted by ブクログ
珠玉の短編集、でも思い出せない作品だけ読んでみると
ホームズもの書籍、数あるなかで、評判のよい本作を手に取りました。
シャーロキアンの手による比較的新しく読みやすい翻訳、解説がそれだけで本になるボリュームです。
小学生の頃二回位読んだはずの本作。
著名な作品はさすがにプロットもトリックも覚えています。
(赤髪組合、まだらの紐、ぶな屋敷)
しかし、忘れてしまっているものも少なくありません。
それだけをピックアップして読んでみました。
微妙な読後感。ひねり過ぎた状況と人間関係を説明して終わっているという凡作パターン。
(オレンジの種五つ、花嫁失踪事件、技師の親指、ボスコム谷の惨劇)
必然的に映像 -