田中一江のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
上下巻まとめての感想。
タイの首都バンコクを舞台にした近未来ディストピア小説。
最初は少し世界に入り込むのに時間がかかったけど、この世界に慣れてくるとだんだん面白くなっていった。
ディストピア小説でありながら、政治劇であり、尚且つ複数の登場人物を描いた群像劇でもある。
国家規模の物語と、個人の物語が同時に描かれていて、はっきりした悪人や善人がいるわけでもなく、それぞれがそれぞれの目的のために行動しているのが面白い。
最終的にそれらの人物が一つに集結する感じもワクワクした。
そして、なんと言っても人工生命でタイトルにもなっているねじまき少女の存在が良いアクセントになっている。
ブレ -
Posted by ブクログ
ネタバレバチカルビという名前、舞台がタイ、ヒューゴー・ネビュラ受賞、バイオSFと聴いて、「ひょっとしてアド・バード的なSFか?」と思い手に取ってみた。半分正解といったところだった。
水位上昇で沿岸核都市が水没している近未来、石炭石油は枯渇してゼンマイが主力のエネルギーとなっている。遺伝子操作の動植物や人造人間が闊歩している、魑魅魍魎なタイの都市の政変劇を複数視点で描く。
主人公の一人、秘書型アンドロイドが表題の「ねじまき。少女」のエミコ。
環境省直属のパトロール隊「白シャツ隊」の副隊長で笑わない女カニヤ。
この二人の後半の活躍が、この物語の核心読ませ処。
正直、前半は世界観を把握するのに時間がか -
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Posted by ブクログ
やっぱミステリ最高〜ポアロ最高〜となった。
久しぶりにポアロシリーズ読んだけど、名探偵、そして紳士として信頼できるポアロがとても魅力的に映った。
事件の調査はポアロの推理を聞くと理路整然と進められていたみたいで、シンプルに考えていけばよかったのかあ〜と思ったけど、考えさせない書き方…犯人を含む乗客たちの一人称視点の文章が各所にあって、思考を乱される書き方が上手!そこも楽しいし!
これぞミステリ小説を読む面白さだよな!!!と感じた。
謎解きの部分はやっぱり読んでいてドキドキしたし、うわ〜!とうなってしまった。ドーパミンが溢れ出てきてたまんね〜という感覚…
以前よりもミステリを読む数が増えてき -
Posted by ブクログ
短編集だけど、そこに「ヘラクレスの難業」というテーマが加わる事でそれぞれ別の事件がひと繋がりであるように感じられるね
また、あくまでも難業であり難事件に限っていない点が面白さを生み出している。だから本来ならポアロが依頼を受けるような案件でなくても難業との関連を見出だせれば受け付けてしまう。それが本作に収録された短編をバラエティ豊かにさせているね
収録されている短編は先述したようにバラエティ豊かなものばかり。だからむしろ真っ当な殺人事件の方が少ないくらい
その意味では事件への対処法すら曖昧な形で始まる『レルネーのヒドラ』は導入も終着も面白いものだったかな
いつまでも止まない噂。その根本に居た -
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Posted by ブクログ
「アガサ・クリスティ」のミステリ連作短篇集『ヘラクレスの冒険(原題:The Labours of Hercules、米題:The Labors of Hercules)』を読みました。
ヘラクレスの冒険(原題:The Labours of Hercules、米題:The Labors of Hercules)
『ポワロの事件簿〈1〉』、『ポワロの事件簿〈2〉』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。
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引退を控えた「ポアロ」が、自らのクリスチャン・ネームである「エルキュール(=ヘラクレス)」にかけて「十二件の依頼を受けてやろう。しかも、その十二件