田中一江のレビュー一覧

  • ねじまき少女(下)

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    2009年のSF賞を総なめというので、期待して読んだ。新たな世界観とSF的ガジェットについては納得したが、エンターテイメント性に欠けていたと思う。もっと”ねじまき”の攻撃性をフューチャーしてほしかったかな。クーデターという展開があったので残念。次も読みたいと思う作家ではある。

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    2015年01月07日
  • ねじまき少女(下)

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    ネタバレ

    前巻のラストもキツい展開だったけれど、物語はさらに鬱々してきて最終的にかなり疲労感を覚える読書となった。

    ジェイディーと対話するカニヤの姿の痛ましさ。
    虐げられ続けてきたエミコの暴発。
    大きな不運と少しの幸運に振り回されるホク・セン。
    図らずも急転直下の事件の引き金を引いた形になってしまったアンダースンの失敗。
    …それぞれの行動が一気に絡み合いながら迎えた大流血の惨事。
    決してバッドエンドではないのだろうけど、結局最後の勝者となるのは新人類であることが示唆されていて、何とも言えない気分になる。

    この過酷な世界を生きる上では当たり前なのだろうけど、登場人物たちはかなり即物的な生き方を強いられ

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    2014年05月03日
  • ねじまき少女(下)

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    先進国が牽引する産業や技術による世界”拡張”の時代から一転、エネルギーが枯渇し、遺伝子操作された生態系によってわずかな地域だけが生き残る”収縮”の時代という設定。
    バンコクを舞台にした暗さの漂う退廃的な世界観。
    国民の生存や政治の利権をめぐる”環境省”と”通産省”の対立。

    上巻は設定やキーワードを理解するのに手間取ったが、下巻からはテンポの早い展開で面白くなる。

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    2013年10月13日
  • ねじまき少女(下)

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    ダラダラした展開だった上巻に比べて、スピーディーに物語が進み、一気にハラハラドキドキの展開になります。
    ただ、結局何が言いたかったのかよく分からない感じで消化不良で終わってしまった感が強いです。
    この作品は大きな賞をいくつも受賞したそうですが、何がそれほど評価されたのかも今ひとつ判りませんでした。

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    2013年04月28日
  • ねじまき少女(上)

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    未来のタイを舞台に、ねじまきと呼ばれるアンドロイド少女や野心満々な外国人たち、何もかも失い再起を期す元中国人実業家、激しい権力闘争を繰り広げるタイの官僚たち、と多彩な登場人物それぞれの視点から物語が進んでいきます。
    物語の設定は興味深いものなんですが、今ひとつピンきませんでした。翻訳が下手くそなのか元々の文章がそうなのか知りませんが、文章がとても読みにくいし、物語の背景が複雑すぎてゴチャゴチャになりすぎている感じがしました。下巻でスッキリすることを期待したいと思います。

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    2013年04月25日
  • ねじまき少女(下)

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    ネタバレ

    上巻の混沌とした都市での実業家奮闘記とはうって変わって2大勢力のぶつかり合いが大きくクローズアップされている。
    正直、上巻に比べワクワクする要素も少なく、淡々と登場人物たちの行く末を見守るような気持ちで最後まで読み終えた。

    エミコ・カニヤの2大ヒロインには明るい未来が訪れることを切に願います。

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    2013年02月28日
  • ねじまき少女(上)

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    読むのに時間をかけすぎたせいで、ちょっと全体像を掴み損ねてしまった。
    細かいモチーフとかは、非常に好みだったので、また読み直したい。

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    2012年11月04日
  • ジェイクをさがして

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    短編集は身がしまっていて好き。長編は丁寧に作られてるから好き。中編はしまりも丁寧さも曖昧であんまり得意じゃない。
    というわけで力作っぽい鏡は楽しめなかった。使い魔とかある医学百科事典の~とか表題作とかは好きだな。表題作は余韻のための作品で面白かった。合う合わないがすごいはっきりしてしまう作品集。

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    2012年10月03日
  • ねじまき少女(上)

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    エネルギー資源がゼンマイと遺伝子組換動物に変わった後の世界、様々な遺伝子操作の結果、食の安全も崩壊した世界。タイ・バンコクを舞台にした群像劇。
    汚染されていない植物の謎を追う欧米人、失った富を取り戻そうと機会を狙う老中国人、不正を許さないが故に身内からも狙われるタイの役人、そして日本製の新人類である「ねじまき少女」。
    湿度が高く、不快指数の高いアジア特有の空気感がどんよりした世界の雰囲気と良く合う。そしてどん底の状態でも精一杯、したたかに生きようともがくそれぞれの姿も興味深い。

    ただ、状況が見えにくい上に独特の語彙が多く、入り込み辛くもあった。下巻に期待。

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    2012年10月03日
  • ねじまき少女(上)

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    登場人物表がないせいでややごっちゃになってしまいますが、SFなのに設定や世界観がリアルすぎるのですいすい読めます。エミコ、幸せになってほしいな…。

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    2012年07月03日
  • ねじまき少女(上)

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    前半の終わりにきて少し面白くなりかけた。なかなか新しい世界の言葉に理解が及ばず、登場人物も整理しにくく、訳が悪いのか原作自体の分かりづらさかその辺は分からないが、もう少し工夫が欲しいところ。
    後半に期待する。

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    2012年06月24日
  • ジェイクをさがして

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    ネタバレ

    なんで買ったのかよく覚えていない

    短編集としては可もなく不可もなくといった感じ
    意外にホラーっぽいのが多かった

    設定やコンセプトが面白いものはいくつかあるけど、わかりにくい。
    わかりやすいものはホラーっぽいもの

    読み終わってからも、なんで買ったのかな?と思った

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    2012年06月03日
  • ジェイクをさがして

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    都市と都市を読んで興味を持ったので購入。
    私が読んだことある中ではラブクラフト的、マシスン的な印象
    「仲介者」「飢餓の終わり」あたりの日常と狂気の境は面白いが、
    全体的に分かりにくいところもあり他人にはお薦めしない。
    他作品との関係は掴みきれないが「ジャック」は
    『お祈り』と出てきた時点でPraying Mantisが浮かび
    その通りだったので思い描きやすかった。
    叔父は「拝み太郎」に拝まれたら死ぬと教えられていて
    今でもPraying Mantisが嫌いなことを思い出した。
    拝まれて死ぬか、死者を祈るか、そんな解釈。

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    2012年03月25日
  • ジェイクをさがして

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     短編集。面白かった。
     特に「都市」というものだけを題材にしているわけではないのだが、しかし物語の基盤にはいつも、街や都市というものの存在の曖昧さや、街や都市がその内部に宿している何かに対する恐れのようなものが潜んでいるように思う。

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    2012年01月31日
  • エンダーズ・シャドウ(下)

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    エンダーのゲームをビーン視点で描いた本
    エンダーのゲームを読んだあとだとすごくおもしろい
    英雄であり殺戮者の素質と天才は必ずしも一致しない
    エンダーのときよりもビーンのこれからが気になる

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    2010年12月17日
  • ヘラクレスの冒険

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    クリスティのポアロ短編集。ヘラクレスの12の偉業になぞらえた、ポアロの事件。

    ポアロが充分に活躍するには大きな舞台が必要だ、といったのはクリスティ本人だったか。実際その通りだと思います。ポアロに短編はあまり似合わない。
    とはいえ、物語的に言ってヘラクレス(=エルキュール)の物語になぞらえたこのお話は、まとまりがよく、面白いと思う。

    クリスティの物語は、イギリスの当たり前を前提にしており、ギリシャ神話への理解というのもその一つ。日本人にはなじみにくいヘラクレスの12の難行について、あらかじめ知っておけばなお楽しめるはず。


    なお、クリスティの話にはこの手の話が多い。マザー・グースになぞらえ

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    2009年10月04日
  • ヘラクレスの冒険

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    引退を控えたポアロが、自らのクリスチャン・ネームであるエルキュール(=ヘラクレス)にかけて「十二件の依頼を受けてやろう。しかも、その十二件は、ギリシャ神話のヘラクレスの十二の難業を参考にしてえらばなければならない」と、難事件の数々に挑戦。オムニバス形式の短篇十二篇を収めた作品集

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    2009年10月07日
  • ゼノサイド(上)

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    1994/09購入。「死者の代弁者」から30年、エンダーはルジタニアでノヴィーニャと結婚し、生活していた。だがルジタニアに生息し、人類に死をもたらすデスコラーダ・ウィルスを殲滅するため、議会はルジタニアを破壊すべく、艦隊を派遣する。「死者の代弁者」以上に難解な作品です。エンダーあまり活躍しないし。

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    2009年10月04日
  • シャドウ・オブ・ヘゲモン(下)

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    アシルにさらわれた旧エンダーの部下たちを救出すべく活躍するビーンたち。そしてピーターがヘゲモン(覇王)に着任するまでのストーリー。同時にビーン出生の謎が絡んでくる。ああ、またちょっと複雑なストーリーに…

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    2009年10月04日
  • エンダーの子どもたち(下)

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    エンダーの物語の完結編。エンダーは亡くなり、それと同時に永遠に生き続ける存在となった。そしてエンダーに対する「死者の代弁」が行われる。う〜ん、やっぱり何だかカタルシスが感じられない。まだ物語を続けるつもりなんだろうか?

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    2009年10月04日