田中一江のレビュー一覧

  • エンダーのゲーム〔新訳版〕(上)

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    SF版ハリーポッターとは言い得て妙な。順番的にはこっちのが大先輩なんだけれども。
    SF、というと自分はどうしても「星を継ぐもの」と「ニューロマンサー」の2作が真っ先に出てくるので、なんでもそれが基準になってしまう。それよりはずっと読みやすく、展開も理解しやすい。
    ただ最近気付いたんだけど、海外の小説が日本語訳された時の文章表現って……生の全てを感じ取るのは難しいよね。当たり前なんだけど、海外の特産物を日本でも楽しもうとしたら、そのためには冷凍したり輸送したり何なりという工程が挟まってしまうわけで。もし現地の人達が食べてるものと同じものを本気で味わおうとしたら、そりゃもう英語をめっちゃ勉強して原

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    2019年05月04日
  • ねじまき少女(下)

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    エネルギーが枯渇して社会構造が激変した近未来のバンコクが舞台のSF小説。

    遺伝子操作技術と、その根幹になる無傷のオリジナルの遺伝子が物語を回す主軸になっている。

    遺伝子操作によって人工的に作られた歪な生物たち。

    その技術とオリジナルの遺伝子を巡っての利権抗争と、遺伝子操作された生物を取り締まる人たちの努力がドラスチックに描かれている。

    利権抗争も遺伝子組み換えも、すでに存在している技術の延長に過ぎないところが物語にリアリティを与えているようでだ。

    遺伝子操作しなくても、交配によって自然に手を加え続けてきた人類に守るべき自然とは何なのか、進化とは何なのかを問いかけてる作品です。

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    2018年12月30日
  • ねじまき少女(上)

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    石油が枯渇し、エネルギー構造が激変した近未来のバンコク。
    遺伝子組換動物を使役させエネルギーを取り出す工場を経営するアンダースン・レイクは、ある日、市場で奇妙な外見と芳醇な味を持つ果物【ンガウ】を手にする。
    ンガウの調査を始めたアンダースンは、ある夜、クラブで踊る少女型アンドロイドのエミコに出会う。
    彼とねじまき少女エミコの出会いは、世界の運命を大きく変えて行った。
    (あらすじより)

    このタイプのSF小説にありがちな事として、物語の前半を使って世界観や独自の文化を説明する手法がある。

    最初は物語に入り込めず忍耐が必要だが、ここをしっかり読まないとその後の話にもついていけなくなるので、重要な

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    2018年12月08日
  • シャドウ・パペッツ

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    シャドウシリーズの第三弾。多少、だれるところもあるけれど、最後のどんでん返しは、なかなかのものと思う。世界とはどうなっているのが、幸せなのか、考えるきっかけの一つとなるような、壮大な話でもある。

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    2018年11月12日
  • エンダーの子どもたち(下)

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    日本の価値観をベースにしょうとした意欲作。もちろん翻訳で読んでいるのだが、海外の作家が書いた本とは思えないような出来であった。エンダーシリーズの続編としても秀逸。エンダーの世界に馴染んでいる人は是非楽しんでほしいと思う。

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    2018年11月12日
  • ねじまき少女(上)

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    ネタバレ

    初長編で大きな賞を獲ったということで「『ニューロマンサー』以来の衝撃」がオビの売り文句になっているが、さらに言うと、雰囲気・手法もギブスンを意識しているみたいだ。

    ・遺伝子ハックやねじまきといった道具仕立ての細かい中身には立ち入らず、それらがいかにもリアルな世界で使われているという描写で世界観を描き出していく。ねじまきの性格がドMにデザインされているとか、人が錘になって動くエレベーターとか。この辺は読んでいて面白かった。

    ・タイを舞台にしてエキゾチックな感じをうまく出している。出てくる日本人のおかしさは相変わらず(ある意味正統的なステレオタイプ)。

    ・章ごとに入れ替わる多視点。語り手のバ

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    2018年11月09日
  • ジェイクをさがして

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    SFというよりホラーの風合い。ピリリとしたアイデアの短編が並ぶ。どれも読者を「?」の立場に立たせることで引きつけ、結末も基本的にオチやカタルシスをつけることなく宙ぶらりんの余韻を残す。センス・オブ・ワンダーを感じさせる。

    ただ並んだ短編がどれも似たような傾向、手法であるがために、やや、おなか一杯感がでてしまうのが残念。余裕やユーモアもあるのだが、技術的にうますぎるが故にフックが足りなくなっている感じもある。クトゥルーものが何篇か。

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    2018年11月05日
  • エンダーのゲーム〔新訳版〕(下)

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    SF小説の中でも有名な作品を一通り読んでみようキャンペーンの4作品目

    なかなかいい話だった。

    侵略的宇宙人のバガーからの2度に渡る侵攻をかろうじて退けた人類。
    3度目の侵攻に備えて優秀な子供をスカウトして教育するバトル・スクールへ入学したエンダー(若干6歳)。
    すぐに頭角を現すも周りから妬まれ孤立する。
    エンダーの才能に注目している教官達は彼を成長させるために助けない。
    そんな状況で苦しみ、悩みながらも成長していくエンダーの物語。

    ようやく運が向いてきたかな。

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    2018年06月02日
  • エンダーのゲーム〔新訳版〕(上)

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    SF小説の中でも有名な作品を一通り読んでみようキャンペーンの4作品目。

    なんか表紙の黒っぽい本ばかりだなぁ。
    以前映画化もされた作品の原作です。

    とりあえず感想は下巻を読んでからかな。

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    2018年06月02日
  • エンダーのゲーム〔新訳版〕(下)

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    エンダーのゲーム。最後にこの題名に納得。
    一貫してエンダー無敵伝説のストーリーでしかないけれど、仲間たちとゲーム上で再会した瞬間が一番好き。
    兄妹たちにともっと焦点あてて、ウィッギン家の活躍ぶりをみたかった。何がなんだかわからないうちに話が進んで終わってしまった感じがする。

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    2017年12月03日
  • エンダーのゲーム〔新訳版〕(上)

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    バガーの侵略に備えて司令官を育成するために選ばれた少年、「ザ・サード」のエンダー。6歳で訓練所に行き素晴らしい才覚でみるみる頭角を現す。
    無敵少年エンダーが成長していく話で、バガーは何なのか、ヴァルとピーター達が遠回しに何を言っているのか分からない部分もあるけど、最終的にどうなるのか楽しみです。

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    2017年11月05日
  • エンダーのゲーム〔新訳版〕(上)

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    もっと戦争とか、戦略とか、戦局とかそういった方面に話が進むかと思いきや、なんだか主人公から3歩ぐらい距離を置いた版俺TUEEEEEEでしかなかった。
    主人公をやたら褒めそやすのが悪いとは思わない。そもそも天才である子供が成長していく物語として描かれているので、そこは問題ない。
    ただ、これ、SFじゃなくてエンタメだよね? 有名作品だからといって名作だとは限らんのだな。まあ下巻で評価が変わるかもしれないが、今のところは期待はずれ。

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    2017年09月29日
  • エンダーのゲーム〔新訳版〕(下)

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    含みのある終わり方だった。
    どんでん返しはビックリした。
    解説を見たら、本当に軍隊の教科書に指定されていた。
    確かに納得できそうな内容だった。

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    2018年11月25日
  • ねじまき少女(上)

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    SF。エコSF。バイオSF。
    説明不足で分かりにくいところもあるように思うが、先に『第六ポンプ』を読んでいたおかげで、すんなりと物語に入っていけた。
    アンダースン、エミコ、ジェイディー、ホク・センと、複数の視点から物語が進む。
    ジェイディーとホク・センのパートが好きではないが、エミコのパートが良い。ねじまき少女は何を考えて生きているのか?

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    2017年06月16日
  • 反逆の星

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    後半宗教色が強くてカードの割にいまいち
    表紙   5点木嶋 俊
    展開   4点1979年著作
    文章   5点
    内容 500点
    合計 514点

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    2016年08月26日
  • ヘラクレスの冒険

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    新訳が嫌いなので星下げ。
    最初であんたとか言ってるのが汚くていやだな。
    昔旧訳を読んだ時、ギリシャ神話にもはまっていて
    いちいち照らし合わせては喜んでた頃を思い出す。
    ポアロかわいい。
    20年前にはわからなかった味わい方をして、
    次の20年がまた楽しみ。

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    2015年12月23日
  • エンダーのゲーム〔新訳版〕(上)

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    ネタバレ

     異星人との戦争のために、優秀な指揮官を必要としている世界が舞台。
     優れた兄と姉(しかし結局指揮官としては失敗作)の上位互換として期待されることになる主人公「エンダー」が、その期待がゆえに幼少時からあらゆる苦難を課される、なかなかに胸糞悪さを感じる展開だった。

     タイトルとあらすじを見て俺TUEE系の話だと思って読み始めたのでちょっと打ちのめされてしまった。
     確かに主人公は無双するんだけど、大人たちに無理やり引き出された自分の暴力性に脅えるところとか、かなり痛々しい。良き指揮官って何なんだ。

    しかもこれで6歳なんだぜ?という超絶設定にどうしても引っかかりを覚えてしまう。

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    2015年08月17日
  • ヘラクレスの冒険

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    引退を決意したポアロが最後に、自分の名前がヘラクレスなことにあやかり、ヘラクレスの苦行になぞらえて12の事件に挑む短編連作。

    好みの問題だと思います。
    いろいろな事件がありました。
    個人的には、視点がほとんどポアロでなく、最後にすっとでてくるスチュムパロスの鳥と、ちょっとはっとさせられたアルカディアの鹿ご面白かったです。

    全体通して麻薬が強い印象に残りました。
    この頃からなのかな?麻薬の犯罪がでてきたのは。麻薬だけは全否定するポアロが印象的でした。

    短編なんで読みやすいです。

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    2015年07月13日
  • エンダーのゲーム〔新訳版〕(上)

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    3.5~4の間の評価になるかな、と思っている。
    訳が悪いわけじゃないと思うのだけれど、やや文が硬くて肩がこりそうになってしまう。
    しかし会話はすごくいい。流れるような日本語でとても感情移入しやすいかな、と思う。

    最後のほうの、エンダーとディンクのやり取りには涙しそうになった。

    これは新版で2013年に刊行されているが、もとは1985年に出版されている。

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    2015年05月24日
  • ねじまき少女(下)

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    多分、設定は面白いんだろう。
    だがこれは手法の違いかもしれないが、きちんと時代や世界の背景、いろんな設定が明示されない展開にイライラする。
    言葉一つにしても、それを普通に知ってるでしょう前提で言われても、もちろん読み進める内に多分と判るのだけど、多分で終わるのが居心地悪い。
    別にこの作品だけでなく、そう感じる作品が多いと感じてて、もう、価値観とか世界観とか、少なくともSFがずーっと好きデスみたいな人だけが読んでくれればいいみたいな本が、好きではないのだな。
    で、文体は嫌い。
    人物はあんまり浮かび上がって来ないな。
    ぼくにとっては、そう、いい小説ではなかった。

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    2015年04月18日