青山和夫のレビュー一覧

  • 考古学者だけど、発掘が出来ません。  多忙すぎる日常

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    <poka>
    考古学者はたいへんですね、ほんとに。
    <だいこんまる>
    だから楽するために「神の手」が降臨するのです。

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    2026年06月07日
  • 古代アメリカ文明 マヤ・アステカ・ナスカ・インカの実像

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    近年、都市伝説としてよく語られるマヤ文明やナスカの地上絵について、実際の歴史をほとんど知らないのではないかと思い、この本を読んでみました。
    その結果、自分がいかに多くのことを誤解していたかを痛感させられました。

    マヤ文明は高度な天文学の知識を持ち、星座にも精通していたこと。ナスカの地上絵も、宇宙人ではなく目印や儀礼と関係していた可能性があることなど、どれも興味深い内容でした。
    また、子供を生贄として捧げる文化や山の神を信仰する考え方には、日本の民間信仰と通じるものも感じました。

    マヤ文明やナスカの地上絵を、宇宙人や予言といった都市伝説だけで片付けてしまうのは非常にもったいないと感じます。人類の歴史や信仰を深く知る上で、とても価値のある題材だと思いました。

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    2025年12月28日
  • ドラえもん社会ワールド 古代文明のひみつ

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    ドラえもんの世界ではね、旅行に行かない家族はいないんだって。のび太の家だけ行かないんだってよ(8歳11ヶ月本人談)

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    2023年11月17日
  • マヤ文明 ――密林に栄えた石器文化

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    マヤ考古学者によるマヤ文明の解説書。主に古典期(前250年~1000年)のマヤ文明を中心に、都市王朝の歴史や文化、社会構成などを概説している。
    本書は初学者にも理解できるように非常に分かり易く説明が行われている。各都市の歴史やその社会構造、農民や貴族階級の暮らしを考古資料に基づいて説明しており、マヤ文明の最新の学術的研究成果を知る事が出来る。著者自身の体験談も交えて語られるマヤ文明の姿は、所謂「マヤの終末預言ブーム」において世間一般に広く流布された「謎と神秘」に毒されていないもので、彼が語るように「世界六大文明」の一つにして「究極の石器文明」たる高度な文明の姿である。私自身、マヤ文明についての知識は皆無に等しかったので、本書は非常に参考になった。
    「マヤ終末預言のXデー」も過ぎた今、真面目なマヤ文明理解をしたい方にお勧めの一冊。

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    2013年01月02日
  • 考古学者だけど、発掘が出来ません。  多忙すぎる日常

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    まず前提として子供の頃の憧れの職業は考古学者でした。そんな憧れの仕事に多少なりとも触れることが出来たことが良かった、と思える本でした。

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    2026年09月17日
  • 考古学者だけど、発掘が出来ません。  多忙すぎる日常

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    ネタバレ

    リタイアしたら以前から興味のある歴史に関する仕事。例えば発掘のお手伝いとか
    できないかな?などと漠然と考えていた者には、「世の中、そんなに甘くないよ」と
    耳元で囁かれたような気がしました。学生時代は歴史学専攻だったので、このまま
    大学に残って研究者になるのも悪くないかななどと思っていた時期もありましたが
    この本を読んでその道を選ばなくてよかったとも思いました。どんな仕事にも
    言えるのかもしれませんが、夢や憧れだけで入って、苦労もなしに一流になれる
    ような業界は存在しませんよね。

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    2026年04月17日
  • 考古学者だけど、発掘が出来ません。  多忙すぎる日常

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    古代エジプト、古代中国、そしてマヤと、時代も地域も異なる3人の考古学者が、自分たちの来し方を赤裸々に語った痛快な一冊。

    もう四半世紀も前のこと、私は大学院まで考古学を専攻していた。専門は本書の中ではエジプトが一番近い。本書の先生方より下の世代だし、ほんのちょっと齧った程度でしかないが、それでも当時を懐かしく思い出しつつ読み進めた。

    そう、確かに考古学はイメージ先行で、実はどういう学問なのかあまり知られていない。本書にもあるように、年中発掘ばかりをしているわけではない。というか、できない。考古学を専攻していた者なら一度は「あーインディ・ジョーンズね」と言われたことがあると思うが、彼はどちらかというと文化人類学者に近い気もする。基本、考古学は地味である。冷たい地面に座り込むので痔主が多い、直射日光で薄毛になりやすい、とよく脅された。そして、野帳とG-SHOCKはマストだった。

    本書は外国考古学のお話だが、日本でも発掘はもちろんできる。そして、その土地土地には長年発掘のパートをしてきたベテランがずらりといる。彼らの発掘技術や知識には、学生どころか,そこらの大学の先生でも敵わない。そして、学部の男子学生には、もれなく土嚢運び等の力仕事が待っているのである。

    でも、考古学は面白い。それは間違いない。本書を読んでこの学問に興味を持った読者の中から、きっと未来の考古学者が誕生することだろうと思う。

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    2026年03月13日
  • 古代アメリカ文明 マヤ・アステカ・ナスカ・インカの実像

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    面白かった。
    この本を足掛かりにもっと詳しい本を読もうと思う。
    マヤ文明は他にも著者の本を読んでたので予備知識はあったんだけど、他の3文明は場所も良く知らなかったので興味深かった。

    アステカ文明は意外と植民地時代の話が多かった。
    絵文書が元々の姿から変わって行くのは仕方ないのかなぁ。
    ちゃんと文字として残ってる方が、絵文書の内容を知ってる人がいなくなった場合、後世に研究する人は助かるだろうし…。
    スペイン人のあれやこれやにどうしても読む度眉間に皺が寄っちゃうのが、古代アメリカ文明関係を読む時の難点だな。しんどい。


    ナスカの地上絵が思ってた以上に多くて吃驚した(そんなにあったんだ!)のと、地上絵を描く方法が思っていたより単純だった。
    何で表面上の石の色と少し下の石の色がそんなに違うんだ?
    地面の表面は乾いて白っぽいけど、少し下は湿って色が濃いのと理由は同じなのか違うのか。
    地上絵に「鳥」とか「シャチ」とか名前が付いているけど、どこまで合ってるんだ?
    「フクロウ人間」は本当にそうなの?
    「歩きながら地上を見る行為をくりかえし実践することによって(略)分類について社会的に共有していたのであろう」って本当にそうなのか?
    今後の研究結果が楽しみになる疑問が色々浮かんだ。

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    2026年03月02日
  • マヤ文明 ――密林に栄えた石器文化

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    面白かった。
    もうちょっと細かい地図とか、カラー写真があると嬉しいな。特に彩色土器をカラーで見たかった。
    最近まで、マヤもインカもアステカも、どこにあるんだかよく分かってなかったから、名前が出てきた遺跡を地図で確認しながら読んで、いくつかの遺跡が大体どこにあるか覚えた(と思う)。
    文字も絵も独特のタッチで好きなので、そこら辺もっと詳しく知りたいな。

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    2026年01月26日
  • 考古学者だけど、発掘が出来ません。  多忙すぎる日常

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    3人の考古学者が語る、忙し過ぎる日々のエッセイ。
    大学での教員としての多忙さ。
    その合間を縫って現地へ訪れてからの多忙さ。
    でも研究は過酷でも、楽しさと喜びに満ちていた。
    ・はじめに
    ・エジプト考古学者の多忙すぎる日常 大城道則
    ・中国考古学者の多忙すぎる日常 角道亮介
    ・メキシコ・中米マヤ文明考古学者の多忙すぎる日常 青山和夫
    ・おわりに――三大陸周掘り記

    「考古学者が発掘調査をしていたら、怖い目にあった」の続刊?
    前作では、調査と冒険、面白いと怖いは表裏の関係だったが、
    こちらでは“多忙”がテーマで語られている。
    大城氏は、大学教員という生業での多忙さを嘆く。
    会議に次ぐ会議の多さやイベント。その合間を縫っての
    エジプト弾丸ツアー。それでもエジプト行きの多忙さは、
    喜々として楽しんでる感がある。
    角道氏は、書き出しで自分の専攻の学生を連れての
    調査の多忙さを語る。これってツアコンじゃん。
    次いで、留学した北京大学での5ヵ月発掘実習のシビアさ。
    青山氏は、自分の歩みが中心。
    青年海外協力隊の考古学隊員を皮切りに、
    ホンジュラス、グアテマラ、アメリカの大学院へ留学、
    メキシコ、そして日本と、マヤ文明の石器分析に長い年月を
    費やす。分析が多忙で発掘できないと嘆くが、
    分析自体には喜々として励む。しかも現地で結婚しちゃうし。
    最後の方には日本での大学業務の多忙さと、研究費獲得の
    苦労が語られている。
    各人共、国情、言語、風習、治安と犯罪等々、
    現地ならではの様々な事も多忙の一端となっています。
    如何に多忙であれども、青山氏の座右の銘の情熱・愛・希望・
    根性は、研究に身を置くものに当てはまるのだと、しみじみ。
    加えて、コミュニケーション能力と人脈も大事。
    そして、どんなに多忙でしんどく、ラクダや毒蛇、マダニや
    蚊に悩まされようとも頑張り、地元の食を満喫する
    身体能力とメンタルの高さも、驚かされました。

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    2025年09月03日
  • 考古学者だけど、発掘が出来ません。  多忙すぎる日常

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    3人の考古学者の熱量に圧倒されながら一気に読み終わった。
    大城先生は私とほぼ同世代。
    あの頃、いったいどうすれば考古学者になれるのか、わからなかったものなぁ。そんな中、自分で道を切り開いて行ったお三方にはただただ尊敬する。

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    2025年06月13日
  • 古代アメリカ文明 マヤ・アステカ・ナスカ・インカの実像

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    かつて密林に消えたマヤ、空中都市のようなインカ、巨大地上絵を描いたナスカ、そして祭祀と戦争に明け暮れたアステカ。いずれも「滅んだ文明」として語られてきた。だが近年の研究は彼らの実像を塗り替えつつある。都市の構造、交易の広がり、信仰の複雑さ──人類学や考古学の進展は静かに常識を覆していく。文明の興亡は一過性のものではなく人と自然との関係を映す鏡なのかもしれない。自然科学だけでなく人文科学もまた世界の見え方を変えてゆく。青山和夫編『古代アメリカ文明』はその最前線を私たちに教えてくれる。

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    2025年06月09日
  • 考古学者だけど、発掘が出来ません。  多忙すぎる日常

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    浮世離れしたイメージのある大学研究者のリアル。
    万難を排してでも、
    異国の五代のロマンに
    迫ろうという覚悟のある人だけが
    結果を残せるのだろうと思った。

    レーダーやエックス線など
    テクノロジーが使われていることも分かって良かった。

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    2025年05月24日
  • 考古学者だけど、発掘が出来ません。  多忙すぎる日常

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    インディージョーンズで憧れた考古学者の日常がこんなに忙しいとは。
    情熱と周りサポート、根性がなければとても続けられない仕事だと感じました。
    内容は、読みやすく、とても面白いです。

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    2025年04月20日
  • 考古学者だけど、発掘が出来ません。  多忙すぎる日常

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    冒頭のエジプト考古学者のパートでは、ある程度の地理的イメージ像が結びついている中で、様々な活動方面における開陳具合もあって単著でも楽しめそうであった。
    中国パートは短いながらもL先生の話が印象的。マヤ文明に関しては、オカルトとの結びつきを忌避する筆者の信条もあって、堅い印象もあるが研究者のヒストリーとして参考になるのはここなのかとも思う。

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    2025年03月29日
  • 古代アメリカ文明 マヤ・アステカ・ナスカ・インカの実像

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    日本の歴史教科書のみでいまだに使われ続ける「世界四大文明」では過小評価されるメソアメリカ文明とアンデス文明について最新の研究で何がどこまでわかってきているのか概観する新書。メソポタミア、中国と並び世界に四つしかない一次文明(他の影響ではなく独自に発展した文明)として人類史を考える上では欠かせない文明であるにもかかわらず日本ではほとんど知られていないか偏見に塗れた情報しかない。これから徐々に一般向けの書籍も増えていくことを期待したいですね。

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    2024年11月30日
  • マヤ文明 ――密林に栄えた石器文化

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    マヤ文明の概略、特に最も興味のある文明の盛衰がコンパクトに整理されている。

    マヤ地域では古期の紀元前1800年まで狩猟採集が主で、雨季と乾季に移住する生活を続けていた。先古典期中期の前1000年頃に大きな穂軸と穀粒のトウモロコシが生産され始め、トウモロコシ農耕を基盤とした定住生活が各地で定着した。

    マヤ文明は石器を使い続け、鉄器は用いなかった。車輪の原理は知られていたが、大型の家畜がいなかったために荷車や犂は発達しなかった。「ピラミッド」はウィツと呼ばれる山信仰と関連する宗教施設だった。後世の王は、神殿ピラミッドをより大きく更新することによって王権を強化した。支配層に仕えた書記兼工芸家は、天体観測、工芸品の製作、戦争、行政などの複数の社会的役割を果たした。法律文は見つかっていない。

    ティカルでは乾季に水が不足するため、建築物や地面を漆喰で舗装して貯水池がつくられた。コパンでは、5世紀に大規模な建設が行われたために森林が破壊され、7世紀頃から建造物の外壁は漆喰彫刻に代わってモザイク石彫で装飾されるようになった。マヤ低地南部の都市が衰退した直接的な要因として最も重要視されているのは、人口過剰、環境破壊、戦争。8世紀に人口がピークに達し、宅地や農地の拡張、薪採集によって森林が減少し、農耕によって疲弊した土地が広がった。しかし、王たちは自らの権威を正当化するために神殿ピラミッドを更新続けた。戦争が激化して王朝の権威が弱体化・失墜した証拠がある。

    一方、マヤ低地北部では、マヤ低地南部の多くの都市が衰退した古典期末期(800〜1000年)に全盛期に達した。後古典期(1000年〜16世紀)には海上遠距離交換が発達し、商業活動が盛んになった。芸術や建築に代わって大量生産が行われるようになり、マヤ文明は16世紀にスペイン人が侵略するまで発展し続けた。

    内陸の芸術や建築を中心とした文明から北部海岸部の海運交易による経済へと移行したと説明している点が興味深い。人口増加による環境破壊は外部との交易によって解決されてきた歴史を物語っているように思える。

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    2018年10月31日
  • マヤ文明 ――密林に栄えた石器文化

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    マヤ文明に対する見方が良い意味で変わる本。マヤは間違いなく大文明の一つであることが分かります。マヤ時代の建物や文字についても書かれていて、相当高度な文明であったことが想像できます。
    この本を読んでも思うのですが、都市を維持拡大していくのがいかに難しいか。その点も考えさせられました。

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    2015年01月31日
  • マヤ文明 ――密林に栄えた石器文化

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    ネタバレ

    第一線の考古学者がマヤ文明の概観を自分の研究をベースに記述。著者の専門の石器の話や考古学的な詳細が新書の割に多く、わかりにくいもののそれが逆に本気度を伝えている。正しいマヤ文明の理解を伝えることが、著者のライフワークの一部とのこと。
    マヤ文明は、ユーラシア諸文明のように大河のほとりで大灌漑事業をベースに絶対王権が栄え牧畜、鉄器などの文明を発展させたものではない。分散された都市国家が、牧畜はせず、ユーラシアの米や小麦よりも高効率なトウモロコシなどを栽培し、天文学文字を含む石器文明、交易を発展させていった。そう聞くとギリシアやキリスト教以前のヨーロッパ北部に近いものかと思うが、海上交易は少ないようだし、その比較は本書にはない。
    著者が携わるようにマヤ文明に関する知識は更新され続け、昔マヤのピラミッドは祭祀用とされてきたが、王墓も中にあるものが多いことは知らなかった。

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    2012年07月15日
  • マヤ文明 ――密林に栄えた石器文化

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     マヤ文明と言えば2012年に流行った終末予言とか、インディジョーンズで有名なクリスタルスカルなど、謎めいたことばかり語られることが多く、かつて栄え、今は滅んだ謎の文明のように思われている。
     終末予言に関して言えば、マヤの暦は西洋的な直線的時間観ではなく、循環暦なので、様々な周期が複雑に組み合わさっているため、ある周期ではひとつの区切りになっていても、別の周期では区切りでもなんでもないということがある。そもそも2012年に世界が終るなんてマヤの暦のどこにもないらしい。ただのガセネタというの去年証明済だ。



     クリスタルスカルについても、スミソニアン博物館での電子顕微鏡での検査で、ダイヤモンドで研磨されたことがわかっているし、つくられたのはおそらく19世紀のドイツということまでわかっている。別に古代人が未知の技術で作ったわけではない。


     そして最大の勘違いは、マヤ文明は滅んだ、ということだ。
     
     確かにピラミッドなどの巨大神殿をつくった王朝文化は廃れて無くなった。でも別にマヤ人が消滅したわけではない。マヤの文化は現代でも、変容を続けながら子孫たちに受け継がれている。メキシコなどでは混血が進んでしまったが、マヤ遺跡が数多く存在するグアテマラなどは人口の過半数はいまだにマヤ人だ。 
     
     ピラミッドや神殿などの宗教施設は、権力者にとっては必要なものだった。王の神秘性を信じ、加護が期待できた時は臣民も頑張って神殿でもピラミッドでも造った。だが、天変地異や他国との戦争に負けたりして神秘性が疑われることが続くと、誰もそんなもの造ろうとしなくなる。そして、こんな王のもとでは暮らしていけない、といってその都市を棄てて別天地へと去ってしまう。
     
     マヤの遺跡でも特に有名なパレンケやウシュマル、チチェンイッツアなどの巨大建築はスペイン人に侵略される前からすでに廃墟となっていたことがわかっている。
     しかし、マヤ文明がスペイン人の侵略によって滅んだと考えている人は多い。それは同じく巨大石造建築で有名なインカ帝国やアステカ帝国と混同しているからだ。チチェンイッツアに関しては、マヤの様式と、アステカ文明の影響を受けた様式が近接した土地で並び建っているから、なおのこと混同しやすい。


     アステカやインカと違ってマヤは巨大な統一国家というものがなかった。諸王国の乱立だった。だからスペイン人側からすると征服は困難を極めた。アステカやインカでは皇帝の首を獲ればよかったが、マヤの場合は一筋縄ではいかなかった。密林の奥地に生活基盤を構えるマヤ人たちの最後の都市タヤサルがスペイン人に征服されたのは、コロンブスの新大陸「発見」から数えて実に200年以上経った1697年だった。それまでにスペイン人の持ち込んだ天然痘になどの疫病によって、マヤ人は激減していたため、これ以降、組織立っての抵抗はなくなった。しかしマヤ人たちは植民地社会の最底辺に置かれ、服従と搾取を強いられながらも、マヤ人としてのアイデンティティは失わなかった。 


     マヤ文明に関する研究は、最近とくに進んでいるような気がする。 
     20年前にはスタンダードだった本も、今では事実と違うし、謎が謎でなくなってきている。180度変わっていることもある。


     最新の教科書的な本として、お薦めしたい。

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    2017年08月15日