山田吉彦のレビュー一覧
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日本は海洋に囲まれた国で昔から海洋資源に恵まれていると本等で読んだことがあるのですが、この30年間一向に実用化に向けて進んでいないように思っていました。海洋資源のことを忘れかけていた昨今、ネットでこの本を見つけて読んでみることにしました、三人による共作本で、そのうちの一人はよくお世話になっている高橋氏です。
海洋資源開発にはお金がかかりますが、実用化できた暁には日本のエネルギー自給度合いも変わってくるはずなので、国が先頭に立って、投資をして欲しいです。現在総裁選が行われてますが、どの候補もこの点には触れていないようで寂しい限りですが。。。
以下は気になったポイントです。
・士農工商という -
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一見、図解だらけで読むところがない、いわゆる”バカ本”のような雰囲気なのだが、良い意味で期待を裏切られる一冊である。船、海運、領海、運河、海洋資源、水産…と、政治と経済の絡むさまざまな角度から、鋭く、かつ分かりやすく「海」を解説している。
税金の軽減などの目的でかたち上船籍を置く、便宜置籍国はよく知られるところだが、海がないモンゴルやボリビアがそうだというのは初めて知った。
こうした”海なし国”の船が問題を起こしたら、「政府が船舶の管理など、旗国としての責任を果たすことができるかは疑問」という著者の指摘はもっともだ(コロナ禍で話題になった横浜のクルーズ船の船籍国・イギリスが責任を果た -
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海洋国家であるがゆえに普段意識することがない国境について、東西南北の最端地の例を挙げながら、その定義と意義を国益に絡めて分かりやすく解説されており、入門として最適な書である。北方領土をはじめ、尖閣諸島、竹島といった領有権争いについて歴史的背景と現状について書かれているが、このあたりが本書の一番の読みどころであろう。
著者が指摘しているように実行支配以上に訴える手段はなく、竹島は韓国のそれによってもはや帰らぬ島となってしまっている。武力行使が許されない日本が、それ以上に踏み込むことも出来ない現状では、外交政策がこうも弱気ではいつまでも近隣諸国になめられるだけである。すくなくとも、現在誰も実行支 -
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日本の国境について知りたくて読書。
日本は海に囲まれているため国境の対する意識が希薄だと思う。敗戦により戦後は国境について教育することがタブー視されてきたようにも感じている。
竹島、北方領土、尖閣諸島、そして、沖ノ鳥島、石垣島、対馬。特に対馬の現状は心配だ。本書は、日本の立場から偏らず分かりやすく書かれていると思う。
日本人は、国境や領土についてもう少し学ぶ必要があるし、日本の生命や財産を脅かす行為を続ける国家に対して、日本という国家として友好を唱えて、必要以上に接近する必要はないと思う。国家と国家は、互いの国益を守るために必死に異なる意見をぶつけるような厳しい関係であることは、ある意味 -
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ネタバレ各国は粛々としてますね、本当。
そしてそれが間違いではない、ってのが政治的な理屈やな。
国として国民の安全を保障できないってのはアウトやけど、それにしても下手くそすぎる、というか。
中国の第二進出ラインみたいなんはほんまなんやろうか、あれはさすがにヤバ過ぎるやろ。
あんなとこまで出てこれるようになったら。
けど「戦争」ってなるんやろうか、もう今度ガチで戦争したら世界終わりそう。
尖閣の問題がごちゃごちゃしてるんは、防衛上の問題とナショナリズムが重なってるからやろうな。
これを守ろうとすること自体はいいけど、そっから自衛隊の権限拡大につながるからダメとかいう層も多そう
そして何よりアメリカ -
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恥ずかしながら日本の領土問題についてはテレビで聞きかじっただけで、ほとんど知識がないため産休中に読書開始。
日本の「領土」の定義が、戦後のサンフランシスコ平和条約で「領有権を放棄」していない部分であるとのこと。
日本最南端の島である沖ノ鳥島が二つの岩からなる、しかも、満潮時に片方は6センチしか頭を見せない小さなものであるとは知らなかった・・・。
韓国、中国、台湾、ロシアと争う領土問題。日本人の視点では、各国に対して"なんて無謀な"と感じるけど、他国から見れば全く同じ事を日本に対して思っている所がこの問題の難しさなのか。
竹島については、戦後のGHQにおける訓令では日本の領土 -
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領土問題が紛争に発展しやすいことを踏まえたうえで
日本はどのように対応すべきか、という論考である。
敗戦国であるということが、どれだけ厳しいことか、
しかし終戦と引き換えにしたのであれば、
どこかで受け入れるべきラインもあるようである。
日本以外の事例も引きながら
様々な方法が提示されているが、
二国間しか見ない対話の在り方では
打開できないであろうことが示唆されている。
仮に二国間対話であったとしても、それはさらに広い国際情勢との
兼ね合いから解決を展望するものでなければ進展は望めないだろう。
特に、アメリカの日本に対する思惑についての解説は
非常に興味深いものがある。
これも第三国の -
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[ 内容 ]
東は南鳥島から西は与那国島、北は択捉島から南は沖ノ鳥島まで。
主権的権利を持つ排他的経済水域(EEZ)は約四四七万平方キロ、世界で六番目の広さである。
しかし残念ながら日本が広い国であることを知っている日本人は少ない―。
中国潜水艦の侵犯、北朝鮮不審船、北方領土など連日のように報道される領土問題、そこでは何が起きているのか。
歴史を紐解き、現地からの迫真レポートも交えながら「日本の国境」を考える。
[ 目次 ]
第1章 海洋国家日本の肖像(この国のかたち;領土とは何か ほか)
第2章 日本の国境を行く(沖ノ鳥島;石垣島;大東諸島;根室・羅臼)
第3章 領土紛争最前線から(尖閣諸 -
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[ 内容 ]
ギリシア神話の昔から、大航海時代のキッド、ドレーク、あるいはカリブの海賊たち、日本でも藤原純友、倭寇、水軍、そして今日のマラッカ海峡に出没する略奪者に至るまで―古今東西、海のあるところ常に存在した海賊。
国家や法律などの枠組みから抜け落ちた成らず者集団であったが、一方で必ず独自の掟を設け、驚くほど民主的な共同体を作り上げていた。
映画やアニメの世界などでは窺えぬ、本当の“奴ら”の実態。
[ 目次 ]
第1章 現代に生きる海賊(海賊は実在する;マラッカ海峡とは)
第2章 七つの海を股にかけた男たち(海賊の世界史;最強海賊列伝)
第3章 日本の海賊(海を領地化した海上武装集団;室町