あらすじ
ギリシア神話の昔から、大航海時代のキッド、ドレーク、あるいはカリブの海賊たち、日本でも藤原純友、倭寇、水軍、そして今日のマラッカ海峡に出没する略奪者に至るまで――古今東西、海のあるところ常に存在した海賊。国家や法律などの枠組みから抜け落ちた成らず者集団であったが、一方で必ず独自の掟を設け、驚くほど民主的な共同体を作り上げていた。映画やアニメの世界などでは窺えぬ、本当の“奴ら”の実態。
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
ギリシア神話の昔から、大航海時代のキッド、ドレーク、あるいはカリブの海賊たち、日本でも藤原純友、倭寇、水軍、そして今日のマラッカ海峡に出没する略奪者に至るまで―古今東西、海のあるところ常に存在した海賊。
国家や法律などの枠組みから抜け落ちた成らず者集団であったが、一方で必ず独自の掟を設け、驚くほど民主的な共同体を作り上げていた。
映画やアニメの世界などでは窺えぬ、本当の“奴ら”の実態。
[ 目次 ]
第1章 現代に生きる海賊(海賊は実在する;マラッカ海峡とは)
第2章 七つの海を股にかけた男たち(海賊の世界史;最強海賊列伝)
第3章 日本の海賊(海を領地化した海上武装集団;室町後期から戦国時代、覇権を握った海賊たち;海賊の末裔;今日に続く後日談)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
二〇〇五年三月一四日、マラッカ海峡。タグボート「韋駄天」(日本船籍・四九八総トン)は、シンガポール沖で、大型台船「くろしお1」に石油掘削プラントを載せ、ミャンマーへ向け曳航中だった。(プロローグより)
現在存在する海賊、過去に海外や日本の海に生きた海賊についての話。
女海賊の逸話も載っている。
Posted by ブクログ
海賊というとパイレーツ・オブ・カリビアンとかワンピースだとか、ファンタジーを想像することも多いが、ここでは現実の海賊の現状や史実上の海賊について述べている。
貧しい中でもなんとか暮らしていくために、ある地域の人々は海賊業を行う。実際に略奪を働いた人を逮捕したところで、次の海賊候補が外部からもやってくる。海賊を無くすには武力に対抗する武力だけでなく、根本的に人々の生活を豊かにしなければならないという難しさがそこにはある。
史実の海賊にも触れているが、バイキング等は記述が少ない。逆に、日本の海賊については専門なのか割と丁寧に書かれていると思う。村上水軍の強さなんかは海賊とはいえロマンも感じるところ。ただ、生活の様子というよりは日本史の記述を少しかみくだいたような記述なのでこのあたりは読む人によってはちょっと辛い(眠い)かもしれない。
個人的に発見だったのは、インドネシアにイスラム教徒が多い理由。世界史も再度学びたくなった。
Posted by ブクログ
キッド、黒ひげ、ドレーク、藤原純友などなど、古今東西の海賊の逸話を紹介。これだけで充分面白いのだが、本書が面白いのは、海賊が生まれる敬意に触れている点。
国家が形成される過程で一定の秩序が生まれた結果、その枠組みから押し出された、もしくは自らの意志で飛び出した人々が海へいく。
その理由は生活困窮であったり、主権の獲得であったり様々なケースがある。
とくに印象深いのは、その秩序(特に封建制)からの脱却が背景にある為、思いのほか海賊コミュニティ内はある種民主的であること。
海賊の掟というと、裏切ると殺される!とか漫画的には想像するが、実際は職務別の収入(=取り分)の既定や、戦闘などの有事に逃げた場合の罰則、さらには、その過程で障害を負った場合の保証(!)などを規定したものが海賊の掟になっているケースがあるという点。
現在もマラッカを中心に海賊被害があるが、これも現在の秩序から押し出されて行っているという点では一緒。
海賊の見方がかわる一冊。