吉橋通夫のレビュー一覧
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真田幸村、サスケ(信濃の戸隠流忍者)、ほのか(伊賀忍者)の三人の若かりし頃を描いたお話。どんな困難も、受け入れがたいさだめも、「天意」と受け止めて覚悟を決める幸村。戦国の世で、「人を殺めない」という決してたやすくない信念を貫くために厳しい修行を積むサスケ。…何を読んでも刺さる今日このごろ。
以下、引用。
――いつも幸村は、困難にぶつかったとき、つぎなる手を考えだすことに全力をそそぐ。置かれた苦境を天意として受け入れ、覚悟をさだめて新しい突破口をさがすのだ。(六九頁)
――これが、あたしのさだめだと分かっているんだ。でも、まだ素直に受けいれられないんだよ。幸村みたいに、すべてを天意だと受け止め、覚悟を決めるしかないんだけどね。(二〇〇頁)
――ここで八百年も前から受けつがれてきた戸隠流忍法は、「守りの武術」と言われています。自分からは先に攻撃しないで、相手の戦う力をうばって、戦意をなくしてしまうのです。「武器を持たずとも敵をたおす」が戸隠流の極意なのですが、かなり高度なわざを身につけていないと、できないことでしょうね。戸隠流の忍者たちは、自分を守り、家族を守り、民百姓を守るため、日ごろからきびしい訓練を積んできたにちがいありません。飛雲一族の、「決して人を殺めない」という信念は、そこから生まれたものと思われます。(二一五頁) -
Posted by ブクログ
ネタバレおもしろかった。
でてくるすしがめっちゃ美味しそうでどれも食べたくなる。
父ちゃんのおいしいもんは生きる力になるという主張に大きく頷く。
なんてすばらしいとーちゃんだっ!
少々綺麗どころに鼻の下のばしたとしても
豆吉にとっていいとーちゃんなんだろーなーっと。
寿司談義と直訴の話を上手にまぜて話が展開。
にしても、すしの御前試合とは、おもしろい。
話のわからん奴がいて腹立ったが、奉行はいい人でよかったよかった。
が、どーせ声かけるなら、あの団子屋で訴状を受け取ってくれてもよかったのになあっと思ったりもする。
まあ、そうなると話が展開しないんだが・・・。
江戸は外食が非常に盛んだったときく。
屋台のにぎりずし、食べてみたい。
どうやったらおいしく食べられるのか?そーゆー料理人の工夫の積み重ねが、今の和食文化をつくってるんだろうなあ。 -
Posted by ブクログ
京を舞台に、捕縛する者の側ではなく、捕らわれる者の側から描いた犯科帳。8編の短編を収録している。貧しく逆境にありながらも、懸命に働く名もない人たちの姿に、胸がジーンとくる。
「けん玉売り」
けん玉売りの親方とその弟子の音吉は、京の町にやってきた。二人には人には言えない、もう一つの仕事があった。危ない橋を渡ろうとした…。
「綱道」
父を事故で亡くした、高瀬川の舟曳き人足の直吉は借金のかたに、大坂に売られていくことが決まっていた。病気の母と引き裂かれることに耐えられない二人は、町から逃げることに…。
「ぬすびと面」
能面を彫る面打師の文吉の家に、盗人が入り、赤子を押しつけて「大切に育てろ」と包丁を抜いて脅す。文吉と女房のおふじは一緒になって七年になるが子どもはなかった…。
「火つけ」
大工の息子千吉は、盗人の疑いから仕事がなくなり、毎晩、酒を飲んで遅く帰ってくる父が、火付けをしているのではないかと、懸念を持ち、その後を追うが…。
「車師」
荷車の車輪ばかり作る単調な仕事に飽きた車大工の万吉は、家を飛び出して、京に上り、車師の家を訪ねるが…。
「送り火」
菓子作りの修業中の左吉は、父が献上の上菓子「大文字」を作っている途中に倒れて死んだことを知らされ、わが家へ戻った。しかし、父からはまだ、その「大文字」の作り方を受け継いでいなかった…。
「二番糸」
丹波から西陣に奉公に上がった平吉は、風邪の同僚の伊助の代わりに、藤五郎という腕がいいと評判の織り手の高機(下で織る者と上で糸を引く者の二人で動かす織り機)に初めて乗ることになった…。
「おけらまいり」
丹後の浜辺の村から京都の酒屋に出稼ぎできて、駆け落ちをして故郷に帰らぬ父を探しにやってきた、十二歳の新吉は、同じ酒屋で下働きとして働いていた…。 -
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京に暮らす庶民の姿を描いた人情譚8編を収録しています。
第1話「けん玉売り」は、けん玉売りでありながら、巾着切りを働いている親方が、弟子の音吉を正しい道に導く話。第2話「綱道」は、借金に苦しみ夜逃げを決意した直吉とその母のことを思う町の人びとの人情がえがかれます。第3話「ぬすびと面」は、狂言に使う「ぬすびと面」の作成に苦しんでいる面打師の文吉のもとに、赤ん坊をかかえた盗人が押し入ってくる話。第4話「火つけ」は、仕事がなくて困っている大工の棟梁と、棟梁に世話になったことを感謝している千吉の父親の話。第5話「車師」は、からくり車を作って人びとを驚かしている宗五郎に憧れる、車大工見習いの万吉の話。第6話「送り火」は、死んだ父の後をついで上菓子「大文字」を作ろうと苦心する佐吉の話。第7話「二番糸」は、西陣織の奉公をしている平吉が偶然、腕がいいと評判の織り手・藤五郎が糸を盗み出しているところを目撃してしまう話。第8話「おけらまいり」は、駆け落ちをして村から出て行った父親と、残された息子を育てている祖父が、おけらまいりで出会う話。
端正な文章が、江戸の下町の人情譚とはちがった雰囲気をかもし出しているように思います。