吉橋通夫のレビュー一覧
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真田幸村、サスケ(信濃の戸隠流忍者)、ほのか(伊賀忍者)の三人の若かりし頃を描いたお話。どんな困難も、受け入れがたいさだめも、「天意」と受け止めて覚悟を決める幸村。戦国の世で、「人を殺めない」という決してたやすくない信念を貫くために厳しい修行を積むサスケ。…何を読んでも刺さる今日このごろ。
以下、引用。
――いつも幸村は、困難にぶつかったとき、つぎなる手を考えだすことに全力をそそぐ。置かれた苦境を天意として受け入れ、覚悟をさだめて新しい突破口をさがすのだ。(六九頁)
――これが、あたしのさだめだと分かっているんだ。でも、まだ素直に受けいれられないんだよ。幸村みたいに、すべてを天意だと -
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ネタバレおもしろかった。
でてくるすしがめっちゃ美味しそうでどれも食べたくなる。
父ちゃんのおいしいもんは生きる力になるという主張に大きく頷く。
なんてすばらしいとーちゃんだっ!
少々綺麗どころに鼻の下のばしたとしても
豆吉にとっていいとーちゃんなんだろーなーっと。
寿司談義と直訴の話を上手にまぜて話が展開。
にしても、すしの御前試合とは、おもしろい。
話のわからん奴がいて腹立ったが、奉行はいい人でよかったよかった。
が、どーせ声かけるなら、あの団子屋で訴状を受け取ってくれてもよかったのになあっと思ったりもする。
まあ、そうなると話が展開しないんだが・・・。
江戸は外食が非常に盛んだったときく。 -
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京を舞台に、捕縛する者の側ではなく、捕らわれる者の側から描いた犯科帳。8編の短編を収録している。貧しく逆境にありながらも、懸命に働く名もない人たちの姿に、胸がジーンとくる。
「けん玉売り」
けん玉売りの親方とその弟子の音吉は、京の町にやってきた。二人には人には言えない、もう一つの仕事があった。危ない橋を渡ろうとした…。
「綱道」
父を事故で亡くした、高瀬川の舟曳き人足の直吉は借金のかたに、大坂に売られていくことが決まっていた。病気の母と引き裂かれることに耐えられない二人は、町から逃げることに…。
「ぬすびと面」
能面を彫る面打師の文吉の家に、盗人が入り、赤子を押しつけて「大切に育てろ」と -
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京に暮らす庶民の姿を描いた人情譚8編を収録しています。
第1話「けん玉売り」は、けん玉売りでありながら、巾着切りを働いている親方が、弟子の音吉を正しい道に導く話。第2話「綱道」は、借金に苦しみ夜逃げを決意した直吉とその母のことを思う町の人びとの人情がえがかれます。第3話「ぬすびと面」は、狂言に使う「ぬすびと面」の作成に苦しんでいる面打師の文吉のもとに、赤ん坊をかかえた盗人が押し入ってくる話。第4話「火つけ」は、仕事がなくて困っている大工の棟梁と、棟梁に世話になったことを感謝している千吉の父親の話。第5話「車師」は、からくり車を作って人びとを驚かしている宗五郎に憧れる、車大工見習いの万吉の話。