あらすじ
幕末、そして明治。京で生きる 嵐の世を生きる若者たちを描く、時代小説短編集――故郷を離れ、砥石運びの仕事をしていた矢吉は、幼なじみのトメと再会するが……。という表題作の他、幕末から明治の京の周辺、若いというには、あまりに年少の者たちの、汗して働き、行く道に迷う懸命の日々を描いた、珠玉の時代小説短編集。あさのあつこ氏絶賛の名作。第43回野間児童文芸賞受賞作品。
◎「どうしてこんなに、心を奮い立たされ、励まされ、うーん、明日もしっかり生きてみようかななんて思わされてしまうのだろう?」「何度鳥肌がたっただろう。幾度胸を躍らせ、固唾を飲み込んだだろう。何度も泣きそうになり、幾度も笑うことができた。」<あさのあつこ「解説」より>
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
何とも骨太な物語。がつんとくる。
児童文学ということで、少年少女が主人公の時代小説短編集。
どんなに辛い環境にあっても、子ども達は逞しく生きる。そこにそっと手を差し伸べる、そっと見守る大人がいる。
大人も必死で生きているからこそ、いい人なんかではなく、厳しく突き放す。でも、それこそが子どもに大きな成長をもたらすところがいい。
そして成長した子どもを前に、大人は太刀打ちできない。
生きることに意味なんて求めなくても、強く生きる意志を持てるというのは素晴らしい事だと思う。