福田隆浩のレビュー一覧
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ネタバレ岡崎明里、もうすぐ11歳になる小5。小規模校ですごしてきたけど、お父さんの転職にともなって、大きな学校に転校する事になった。新しい学校で出会った東川さんは、本が好きでマイペースな女の子。
実際に転校してみたら、クラスメイトはみんな優しくて、学校は一見おだやかに見えた。けれど、東川さんはいない。事故で入院しているという。けれど明里は、東川さんは、事故ではなく自殺だったのではと思いはじめ、いじめがあったことに気がつく。
先生に相談しても、信じてもらえない。クラスで孤立してしまう。明里は、いじめにどう立ち向かうのか。
前の学校でのこと、そして、これから持つべき勇気。
いじめの問題に たちむかえる -
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主人公アキトの母は夜の仕事に出かけ、朝方お酒とタバコの匂いに包まれて帰ってくる。時々、アキトの食事を忘れることもある。夜起こされることもあり遅刻も多いし、勉強もわからないうえ、いじめやからかいにもあう。そんなある日、物置になっている空き教室でミイラ男を見つける。ミイラ男に気持ちをぶつけるアキト。ミイラ男はアキトの空想の産物なのか。ところが、かつて、アキトと同じようにミイラ男を見ていた生徒がいたことを知る。アキトはミイラ男に背中を押され、卒業制作の下絵を描くことになった矢先、学校で倒れてしまう。
このような物語を読むと、人は人で育つもので、多くの人と関わることで変えられることは多いと、思わずには -
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ネタバレ福田先生の本を読むのは初めて。
本作では「ネグレクト」「精神面で未熟なシングルマザー家庭」「貧困」「学習障害」などがテーマになっている。
それらを全部小さな体で抱える男の子が主人公だ。
素直がゆえ、全てを受け止めてしまう姿が痛々しい。
明日を生きるため理不尽な全てに未熟な防衛本能フル回転で立ち向かい、「お母さん大好き」という気持ちと「しょうがないんだ、これが僕の人生なんだ」という納得と諦念の繰り返しで日々を暮らしている。
学校で見える緑色をした化け物(「ミイラ男」と名付ける)を縁(よすが)としている。
どん底まで落ちた命すら危険だったラストは希望が見え、少年は自分には実は色んな選択肢があり、 -
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聴覚障害を持つ主人公と、原因不明の脱毛症の少年がテニスでダブルスを組むというお話。
主人公のお家はコンビニで両親は朝から晩まで働き詰め、かつ、主人公が耳が聞こえないこともあり、会話もなかなかできず、ぎこちない親子関係。
主人公は
・自分が両親の役に立てていない
・迷惑をかけている(将来自分に店を残すために無理してコンビニを続けている)
・両親は健常者の子供を羨んでいる
と思い込んでいたけれど、
ちゃんと両親は主人公のことを愛していて、そしてコンビニで働くのも好きだからであって、でも不器用で伝えられていないだけ、という感じ。
一方、脱毛症の少年も
・両親が離婚(少年は、自分の脱毛症が原因だと -
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ネタバレめちゃくちゃ泣いてしまった。
支援学校の話。あるあるすぎてもう。
これに近い育児をしているので、ここのお母さんやお兄ちゃんに同調が強くて、ヘトヘトになった。読むのが大変だった。
連絡帳もリアル(私はこんなにきちんと書けていませんすみません)、同級生の様子もリアル、先生たちも、お母さんたちの距離感も、学級通信も。
何よりこの界隈の離婚率の高さたるや…。ブルブル。
バスで出会った老女、交流の普通小学校の子どもたち、こんな和解が現実にもあったらいいなと思う。
しかし、まあこれはフィクション。そこは期待しない。
こんな世界がありますように、といつもいつも願うし、すずちゃんの新生活が素晴らしいもの