福田隆浩のレビュー一覧
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ネタバレいじめを描く小説。登場人物は小5で、読み手もその辺を想定していると思う。子どもの読者にとっては、読みやすい上、とてもリアルで、ちゃんと解決して後味も良いので、おすすめ。
LINEがあったり、女の子か自分のことを「うち」と言ったりするあたりがイマドキ(と思うが2020年の小学生がそう言っているか確信はない。ちょっと前はあった。)。だから、そんなに長持ちする小説ではないかも。
しかし、これをリアルに感じるということは、本当に息苦しい世界に今の子ども達は生きてるんだなと嘆息。ここではいじめはあるものの、子ども達レベルで解決できたが、実際にはいじめっ子の親がクレイジーで怒鳴り込んで、教員が収めたいあまりいじめをなかったことにしてしまうとか、もっと泥沼の展開も容易に想像できるのだが(だからラスト近く、主人公がいじめっ子の家に行って反省を促すシーンはドキドキした。逆ギレしちゃったら、親が出てきたらどうしよう、と。)、そこはキレイにまとまっていた。
前半の主人公ブルーは自分の力でいじめを克服したが、シングルマザー家庭で貧困であり、これからどうするのか心配だし、後半の主人公オレンジは、いじめられている友達の兄が特別支援学校に行っているとアウティングしていて、大丈夫か?と思う。
しかし、教師の力のないことよ。これじゃ子どもが自分達で解決するしかないと思うのも当然。
小中学校教師にも読んで欲しいものだ。 -
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ネタバレ秋田県秋田市の桜坂小学校6年清水穂乃香は、長崎県長崎市の小6の吉野耕治に宛てて手紙を送った。心に残る思い出作文コンクールで賞を取った耕治の作文をネットで読み、面識はなかったし住所もわからないけど、学校宛てに手紙を送ったのだ。
耕治の作文にから読み取った人柄を信じて、ある頼み事をしたのだ。
穂乃香のお母さんは昔、長崎で「奇跡みたいな楽しい思い出」をしたという。でも、それがどんあ奇跡なのかはわからない。
二人は手紙のやりとりをして、それぞれの思いを書いていく。
穂乃香のお母さんは、もう死んでしまっていて、それがどんな奇跡なのかさえわからない。
でも奇跡的な出来事は、たしかにあった。
思いもかけない奇跡の出来事。
お母さんは、幸せな時もあったんだ知れてよかった。 -
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ネタバレ佐々野香菜はしゃべるのが苦手な5年生。仲良しグループの友達とも、あまりしゃべらない。でもみんなは、香菜はしゃべらないけど、優しいいい子だと知ってくれている。
香菜はしゃべらないぶん、たくさん本を読み、いろんな事を考え、ゆっくり推理するのが好きだ。
そして、みんなが困ったことにならないよう、こっそりみんなを助けていたりする。
そんな香菜のクラスに転入生・広瀬くんが来た。広瀬くんは転校初日から「友達は作る気がありません」というかんじで、誰とも仲良くなろうとはしない男の子だった。でもサッカーが得意で、本もたくさん読んでいる子だった。
広瀬くんも香菜はほとんどしゃべらないけど、いろんな事をよく見ていると気がつく。
そして、学校でおこっている「ちょっと困った人」をこっそり助けるようになっていく。
広瀬くんがサッカーを通して、クラスの男子たちとも仲良くなってきたころ、ある噂が広がる。
広瀬くんは前の学校で、同じサッカーチームだった後輩の子に、試合で負けたことを責めて、城山で事故に合わせたというのだ。
香菜は、広瀬くんがそんな人で無い事をみんなに訴え、それを証明しようとする。
児童文学だけど、「不思議」抜きのリアルな、推理もの。
で、友情と成長もの。
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Posted by ブクログ
表紙にくぎづけ。ブルーとオレンジってタイトルで、全身ブルーの少年とオレンジの少女が並んで立っている。ちょっと、顔が怖い・・・
物語はブルー編とオレンジ編に分かれている。
ブルーはおとなしくて気が弱い。クラスでは目立たないようしてきたけど、5年になって4月の始業式の日、新しい教室にはいった瞬間にもうピンときた。これは本当にまずいぞって。油断したらダメだぞって。用心しないと最悪な一年になるかもしれない。
そしてその予想通り、ブルーはクラスで浮いてきた。どうやったら、みんなにバカにされずにすむ?自分の武器はなんだ?
考えた末に出した答えは、クラスで一番人気の伊藤くんと近所に住んでいる、という事を強みにすること。
そして、伊藤くんに話しかけ、ドッチボールの仲間に入れてもらい・・・
オレンジはクラス女子の雰囲気がちょっと嫌なかんじになってきたと感じていた。別に大した理由でもないのに、峰岸さんを中心にクラス女子の何人かが、友達の陽菜ちゃんを仲間はずれにしはじめたのだ。傍観者でいれば自分に被害はないかもしれない。
けど、クラスで浮いていたはずの森田くん(ブルー)が、いつの間にかみんなの仲間に入っていて、代わりにいじられていた糸川くんをかばった姿を見て、オレンジも決めた。お姉ちゃんに言われた自分の武器は根回しだ。オレンジは陽菜ちゃんをいじめている何人かに声をかけていった。・・・
著者が教師、という事で、いつも学校内の人間関係とか教師の姿のリアルさにどきりとしてしまう。
こんな風に、子どもたちの中から気づいて行動してくれるといいのだけど。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ郊外から父親の転勤で都会に転校した岡崎明里。出迎えたクラスメートは明るく親切で、クラスも和気あいあいとしていました。明里は転校することに緊張して損した、とさえ思うほどでした。
ある日、学級会で、入院している東川さんにお見舞いとして千羽鶴を折っておくる話し合いをします。東川さんは、事故でけがをして意識不明で入院していました。
実は、明里は、夏休みに転校する前、学校を訪れた時、図書室で東川さんに会っていました。彼女は、初めて会った明里に「本当の友だちになって」といきなり言ったのです。
何か、不自然さを感じた明里は、東川さんが落ちたという場所に行き、ある考えにたどり着きます。
そして次の日、学年集会で、その思いをみんなや先生の前で明里は言ってしまします。
それまで、とても好意的だった女子や、クラスメートは手のひらを返したように、明里に冷たくあたるようになり、東川さんへおこなっていたように、いじめが始まるのでした。
お話しに出てくる、クラスの女子たち、とりわけ仲良くしてこようとする子の名前が一切出てこなくて、形だけしかのクラスの繋がっていないようで不気味でした。
無邪気な悪意、それがあっという間にクラスの中に連鎖していくようすは、読んでいて辛かったです。湊かなえの『告白』に似た感覚でした。
先生の鈍感ぶりには少々飽きれます。
明里が、過去の自分と向き合って、このままでは何も変わらないと勇気を出して行動していく後半は、救いがありました。