あらすじ
小学6年生の知希は、父さんの転勤で、父さんと二人、都会から離島に引っ越してきた。4月に転校して、初めての夏休みを迎える。港で話しかけてきた柄の悪い二人の少年と最初は距離を置いていた知希だが、どこか通じ合うものを感じ、仲間として過ごすようになる。そのうちの一人は、巨大な「幽霊魚」の伝説を信じ、それを見つけて釣り上げることに情熱を傾けていた。「釣り上げれば、大事なものをぜんぶ取り返せる」と言って--。
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Posted by ブクログ
キャラクターの葛藤がじわじわと伝わってくる本作。「幽霊魚」に自分の願いを込め、釣竿をふる男子たち。それぞれの過去にもの悲しさを感じつつ、一緒に釣竿を握りたくなります。まっすぐなアツさっていいなぁ。
Posted by ブクログ
娘を愛せない母親、という話は読んできたけれど、息子を愛せない母親、という設定は初めてだったと思う。
そして、父親と引っ越した島で出会った同級生の母親は、突然家を出て行ってしまっていた。
タイトルを見て、中をパラパラ見たときは「幽霊魚」というちょっと不気味な言葉から釣りの話がメインかと思ったけれど、読み終わったあとは、まだ小学生の子どもがこんなに家族問題で本心を表せないで生きている、という内容が心に突き刺さりました。
Posted by ブクログ
父親の転勤のため、島へ渡った小6の知希。母親との間に距離を感じていた知希は、隣のクラスの英治・正人と親しくなる。幻の「幽霊魚」を釣り上げようとする英治の執念に引かれた知希は英治と自分の共通点に気づく。家族との葛藤、無力な自分へのいら立ちを通して成長していく少年たちの姿が描かれているが、決して明るい未来を見せてはくれない。厳しい現実を生きることを考えさせる。