あらすじ
ねえねえ。なに話してるの?
そんなふうにいえればいいんだけど、わたしはおしゃべりができないから。
おしゃべりしようって思っても、頭のずっとおくのほうでなにかがちかちかってするだけ。お口もじょうずにうごかせないし、もうしかたないなぁって思ってる。本文より。
重度の知的障がいのある小五の女の子、すずと、お兄ちゃん、同級生、先生、保護者たちなど周りの人をめぐる優しい物語。
『ふたり』が青少年読書感想文全国コンクール課題図書に、『香菜とななつの秘密』が厚生労働省社会保障審議会推薦児童福祉文化財に選ばれるなど、特別支援学校で長く現役教師をつとめながら児童文学作家としても活躍する、福田隆浩氏最新作。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
久しぶりに読み返すとまた違った印象を得ることができた。
高機能自閉症など、優れたところを描いていく作品もあるなかで、重度の知的障がいの子どもを主人公にして描いているたいへんさにあらためて思い至った。
Posted by ブクログ
重度の知的障害のある5年生すずちゃんの内面の独白と、支える家族や先生の、連絡帳やブログなど文章で状況を浮かび上がらせ話は進んでいく
このようなテーマは初めてだったので新鮮
そして軽く衝撃。
例えば若い頃初めてダイビング体験をした時、目に見えるところだけが海ではなく、見えなかったその下こそこんなにも世界が広がっていたんだ!と体感した時(知識としてはあったんだけどね)その類の感じ。
わかってる、相手の気持ちになってということもなるべく良心的に行いたい、でもやっぱり表面しか見ていなかった、と思ったり。
新しい視点のきっかけを得られたかもしれません。
読み終わってタイトルに唸る。
講座課題図書
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ泣いてしまった。
支援学校の話。あるあるすぎてもう。
これに近い育児をしているので、ここのお母さんやお兄ちゃんに同調が強くて、ヘトヘトになった。読むのが大変だった。
連絡帳もリアル(私はこんなにきちんと書けていませんすみません)、同級生の様子もリアル、先生たちも、お母さんたちの距離感も、学級通信も。
何よりこの界隈の離婚率の高さたるや…。ブルブル。
バスで出会った老女、交流の普通小学校の子どもたち、こんな和解が現実にもあったらいいなと思う。
しかし、まあこれはフィクション。そこは期待しない。
こんな世界がありますように、といつもいつも願うし、すずちゃんの新生活が素晴らしいものになるようにと思った。
ティッシュ箱抱えて読みました。ふうー。