目次
・しあわせは子猫のかたち
・失踪HOLIDAY
「しあわせは子猫のかたち」は、まさに初期の白乙一。
どうしてもうまく人とコミュニケーションをとることができない。
期待して裏切られるくらいなら、最初から何も求めない。
そんな僕が、殺された前住人の幽霊と暮らすことになる。
直接話ができるわけで
...続きを読むも、視線が合うこともない。
ただ気配が、彼女がいたという気配がそばにある生活。
彼女の撮った写真を見て、彼女がどれだけ世界を愛していたかを知り、自分の命をあげることができたなら…とまで思う僕。
しかしそんな生活も終わりを迎えることになり…。
やっぱり白乙一の作品が好きだ。
切なさをこんなに巧みに描ける人がいるだろうか。んまあ、いるかも、だけど。
劇的に改善はしないだろうけれど、この先の僕は「死んでもいい」と軽々しく思うことはないだろう。
そしていつか、子猫のかたちをした幸せを見つけることもできるかもしれない。
『失踪HOLIDAY」は、してやられました。
主人公のナオは、中学生にしては子どもっぽいなあと思いながら読んでいたので、作品すらも子どもっぽいまま終わるのかと思ってしまった。
だってナオの立てる計画って穴だらけで、こんなんじゃすぐに警察に狂言を見破られるんじゃないの?って思って読んでいたので、なかなか警察が真面目に捜査をしていることに、逆に違和感を覚えたりもして。
本当は、ちゃんと怒られてほしかったんだけど。
ナオがパパにお尻ぺんぺんされればいいと思っていたんだけど。
こうなってしまうと、そうもいかないね。
えと…完全犯罪ってことでいいの?