羽住都のレビュー一覧

  • 失踪HOLIDAY

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    「しあわせは子猫のかたち」と、表題作「失踪HOLIDAY」の二編を収録。

    ちょっと変わった設定を用いて魅力的な物語を創造する、作者の才能の片鱗が窺える作品集だと思います。

    それぞれ違った良さがありますが、個人的には「しあわせは子猫のかたち」が好みです。切なさの中にほのぼのとした温かみを感じる、とても優しい物語でした。

    一方、小生意気な女子中学生が企てる狂言誘拐の顛末を描いた表題作は、杜撰で穴だらけの計画が実行されることに終始ハラハラ。
    使用人のクニコさんのキャラクターも印象深く、主人公とのやり取りも面白かったです。

    期待を裏切らないあとがきも含めて、最後まで楽しめる一冊でした。

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    2024年09月22日
  • きみにしか聞こえない -CALLING YOU-

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    自分が小中学生時代に読んでた乙一を、30代になってまた読み返したくなって再読
    内容はほぼ覚えてなかったけど、3話とも不思議で奇抜な発想だけど切なくもなるお話しで「あ、乙一だな」となる。

    久しぶりに読んだ乙一は白乙一だったので、黒乙一も再読したい。

    あとがきも面白いので最後まで読んでほしい。

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    2024年02月22日
  • 失踪HOLIDAY

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    「しあわせは猫のかたち」「失踪HOLIDAY」の2編を収録。

    「しあわせは猫のかたち」は大学生になり一人暮らしを始める、人の嫌いな男の子の話。
    人と関わりたがらずに、部屋のカーテンを閉めっぱなしにするような「ぼく」だったが、引っ越し先で奇妙な現象に遭遇する。今まで読んだ乙一作品でこれが一番好き。

    「失踪HOLIDAY」は家出して誘拐されたふりをする大金持ちのひとり娘、菅原ナオの話。漫画を買ったあとに読んでも面白かった。自分の娘を心配する父親の姿が健気でかわいらしい。

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    2023年08月05日
  • さみしさの周波数

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     全体的に切ない話が多かったです。個人的には、フィルムの中の少女と失はれた物語が好きです。

     「フィルムの中の少女」は文体の影響もあり、ホラー展開かと予想して読み始めましたが…どうにも切ないです。やり切れないけど、誰かに気付いて欲しくて、主人公が引き寄せられた…主人公は少女と似ていて共鳴しやすいのかもしれません。

     「失はれた物語」は辛いですね…閉じ込め症候群の方は同じように感じ、生きているのだろうかと思いました。中には主人公のような選択をする人もいるかもしれません。 
     この完全な孤独に人は耐えられるのだろうか…人は繋がりがないと絶望してしまうのではないかと感じたお話でした。生きていると

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    2022年04月14日
  • 失踪HOLIDAY

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     高校生の頃ハマっていた乙一さん。角川スニーカー文庫はすべて未読だったため、まずは表題作を知らない本書から。『しあわせは子猫のかたち』は『失はれる物語』で読んだため割愛。
     これは子どもの間に読んでおきたかった。展開に無理がある部分にツッコミを入れてしまうため、純粋に入り込めなかった。黒乙一の場合を考えて身構えていたので、いつクニコが不幸に見舞われるかとハラハラしながら読んだ。全体的に呆気なく終わり、少し物足りないが、読書し始めの頃に読むと良いかも。コタツに入りながら読めたので雰囲気はバツグンだった。

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    2022年03月23日
  • きみにしか聞こえない -CALLING YOU-

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    久しぶりの帰省で見つけた本を備忘録として登録。
    自分でも内容をよく覚えてないのでレビューが書けません。

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    2021年12月28日
  • さみしさの周波数

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    羽住都さんのイラストがとても印象的だった。
    哀切さが沁みる。
    手を〜と失われた物語は、失はれる物語で掲載されていたので2回目。

    未来予報の切なさが好き。

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    2021年09月24日
  • 失踪HOLIDAY

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    「しあわせは子猫のかたち」は、『失はれる物語』で読んだことがあるので飛ばした。
    こちらは「しあわせは子猫のかたち~HAPPINESS IS A WARM KITTY~」という副題がついているが、内容は変わらないみたいだ。

    「失踪HOLIDAY~しっそう×ホリデイ」は、乙一にしてはあまり心をつかまれない、ダレた展開が続くなーと思っていたら、ラストはさすがだった。
    全く疑いもせずに読んでいたから、ほとんどなににも気づかなかった。

    狂言誘拐を演じた主人公の女子中学生が、事件を機に家族関係を見直す話かと思っていたら、確かにそのような展開にはなるのだが、実はいろんなことが起こっている。

    切なさの乙

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    2020年10月07日
  • きみにしか聞こえない -CALLING YOU-

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    乙一さんが羽住先生の花の絵を見たいと言った理由がわかった。
    透明感のある繊細で優しい表情が、ストーリーにぴったりあっていた。

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    2020年04月11日
  • 失踪HOLIDAY

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    デビューしたての頃ってことか、もしくはラノベ系だからってことか、正直、彼の作品を殆ど読んだ後に本作を手に取ると、ぬるい。短編と中編の2作が収められているんだけど、どちらもなんか、とりあえず及第点を狙いました、程度の出来映え。設定にたいした斬新さはないし、オチも想定の範囲内でした。

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    2018年02月22日
  • さみしさの周波数

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    別名義の中田永一の短編集が面白かったので、古本屋で見つけて手に取ってみた。
    いわゆる「奇妙な味の小説」短編集。4編の中では、コメディタッチの「手を握る泥棒の物語」が好み。
    「失はれた物語」は小川一水の短編小説を思いだした。オチのつけ方はだいぶ違うけどね。全体を通してホラー作家っぽさがでている作品集。

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    2017年06月02日
  • 失踪HOLIDAY

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    しあわせは子猫のかたち
    他の単行本に載ってた…

    失踪HOLIDAY
    大金持ちのひとり娘ナオが誘拐された。その誘拐犯は…何とナオ自身?家出したつもりのだけだったのだが、ひょんな事で大騒動に。後戻り出来なくなったナオは誘拐を捏造するしかなかった。

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    2015年11月27日
  • さみしさの周波数

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    切ない系の短編集。
    ミステリやホラーじゃない初期の作品も面白いなこの人。内向的な人物の描写が素晴らしい。
    「失われた物語」の主人公を自分に置き換えたら涙が出てきた。いや嘘。実際に涙は出てないけど心で泣いた。

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    2015年07月08日
  • さみしさの周波数

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    初期乙一のせつない系短編集。白乙一。私は黒より白が好きだけれど白なら中田永一名義のほうが好きだ。初期と言うこともあっていろいろと若さを感じる作品。

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    2015年04月30日
  • 失踪HOLIDAY

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    再読。10年前は「失踪HOLIDAY」の方が好きだった。今読んだら「しあわせは子猫のかたち」が素晴らしいと思う。人間って変わるのね。

    まぁ、「子猫のあれ」は他の本でも読んだけど。この乙一、文章が若いね!

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    2015年02月25日
  • 失踪HOLIDAY

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    『しあわせは子猫のかたち』
    見えないものとの同居。乙一さん、好きだな。

    『失踪HOLIDAY』
    何を書いてもネタバレになっちゃうかな?
    ヒロインは自分の居場所を見つけたのだ。
    まだ中学生。
    これからどう生きるか、先は無限大。

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    2014年12月18日
  • さみしさの周波数

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    『未来予報』
    可もなく不可もなく
    『手を握る泥棒の物語』
    え~、泥棒???
    と思ったのだけれど、面白かった!
    『フィルムの中の少女』
    リング、らせんっぽい!
    でも、そんなに怖いものではなかったです。
    『失はれた物語』
    こういう、肉塊になった人の映画が、昔あった。
    “ジョニーは戦場に行った”…だったっけ?

    全体的に、どぎつくない乙一、せつない乙一でした。
    ★は、3.5くらい。

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    2014年12月16日
  • さみしさの周波数

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    「手を握る泥棒の物語」
    ラストは別にどうでもいいが、上手く途中騙されました。
    「フィルムの中の少女」
    怖いと思いっていたが切ないなー。
    「失はれた物語」
    参った…この短編は!
    苦しい。。どうすることもできない気持ち。
    終盤、泣かないが…ヤバい状態が続いていた。
    伴侶か...大切…だな。

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    2014年10月18日
  • 恋時雨

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    ネタバレ

    タイムトラベルに伴うタイムパラドックスをネタにした話。女性Aと彼女の許嫁B(親が勝手に決めた)と恋人Cの三角関係を現在と50年前(主人公たちの祖父母の世代)とでかぶるような設定にしてある。許嫁Bの企みによって50年前に飛ばされた恋人Cは女性Aの祖母と思しき女性と結ばれそうになるのだが、それで正解なのか。
    バックトゥザフューチャーとターミネーターが混ざったような話だけども、絵に描いたような悪人の許嫁Bとか、やけに押しの強い女性Aとか、どこかすっとぼけた恋人Cとか、登場人物のやりとりがまるで新喜劇を見ているようなコミカルさ。イラストがシリアス系なので、ちよっと騙された感じ。

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    2014年06月02日
  • きみにしか聞こえない -CALLING YOU-

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    基本的に軽いタッチの短編集です。
    どの話も読みやすくすらすら進んでしまいました。

    最後の話のタイトルが「華歌」というのですが、始めどう読むのか分かりませんでした。
    しかし、読み進めるとこれほど綺麗なタイトルはないことが分かります。

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    2014年05月27日