羽住都のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「しあわせは子猫のかたち」
人と関わるのを拒絶した大学生「僕」が越した伯父の家に前に住んでいたのは写真が趣味の女子大生。強盗に襲われて死亡した彼女が暮らしたままの家にやってきた「僕」は姿の見えない同居人の存在を感じる。彼女との日々の中、「僕」は美しい世界に生きていいのだと知る。
姿無き同居人と子猫との、2人と1匹の生活が、素朴で切ない幸せに溢れた日常。
こういう乙一さんの切ないシーンが私はとても好きです。
「失踪HOLIDAY」
大金持ちに引き取られた「わたし」は思いつきで家出をする。自宅の離れに住む使用人の娘の部屋に身を潜めているも、父親に心配して欲しくて狂言誘拐を企てる。その中で彼女 -
Posted by ブクログ
古い作品ですが。買ったのもかなり前ですが。
なんだかんだで読み損ねてたのを読み終わりました。
面白かったです。
頭の中に妄想で作り出したケイタイが時間を越えた相手と繋がる。
色々矛盾がありそうな設定なのに綺麗に辻褄があってることがさすがだなと思いました。
3作とも”切ない”乙一でした。
吐きそうになるグロさはなくて、後味も悪くなく、気軽に読める一冊だと思います。
乙一氏は誰もが時には感じる生き辛さ、生きることの意味、苦しみを表現するのが上手。でも生きるのも悪くない。こんな世界も悪くない。今回はそう思わせてくれる結末でした。(どの作品もそうであるとは言えません。あくまでこの作品は、ね)
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Posted by ブクログ
ネタバレ短い短編の『しあわせは子猫のかたち』は最初読み始めて、あれ?この話知ってる・・と。「失はれる物語」にも入ってて読んでたわけでこれは飛ばしました(笑)
そして表題作の『失踪HOLIDAY』は
面白かった〜!!
【14歳の冬休み、わたしはいなくなった―。
大金持ちのひとり娘ナオはママハハとの大喧嘩の末
衝動的に家出!その失踪先は…となりの建物!!
こっそりと家族の大騒ぎを監視していたナオだったが
事態は思わぬ方向に転がって…!?】
どっちの作品も≪白乙一≫ですかね。
最後まで読んでよかった〜と思える作品でした。
「しあわせは子猫〜」も優しい幽霊の話で
じ〜んとできるお話ですよ。
薄い文庫本な