荒山徹のレビュー一覧
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『更級忍法帖』です
荒山徹さん初読
そして『忍法帖』と言えば山田風太郎御大であるのは言わずもがな
たぶん何作か読んだことあると思うのだが、もしかしたら漫画化されたやーつだったかもしれない
なにしろ山田風太郎御大と言えばエロである
漫画化して頂いたほうがありがたい
青少年にには恐悦至極である
荒山徹さんに話を戻す
お話は仇討ち、妖術、ちょいエロと山田風太郎風をきちんと踏襲しており『忍法帖』の名に恥じないつくり
そしてかなりお馬鹿である
超真剣にお馬鹿をやる
これぞ『忍法帖』である
ちゃんとと言ったら当たり前に失礼だが、荒山徹テイストももちろんのことふんだんにある
朝鮮妖術とかな
そして『 -
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歴史全般、そんなに詳しいわけではないのですが、特に古代史はあまり自信がない。だけどとても気になるから、ということで不安な気持ちを抱えつつ読みはじめたのが本作だったのですが、気付けばのめり込むように読んでいました。
異能の力を持った天才少年が、大切な仲間を殺され、国を追われ、失意の中、未知の世界を大冒険する大長編ファンタジーなので、ストーリー自体はとても馴染みやすい作品で、脇を固めるキャラも魅力的。特に虎杖と柚蔓の関係が大変素晴らしい。この作品は自分をどこまで連れて行ってくれるのだろう、とどう転がっていくのかまったく予想のできない物語が好きなひとには特におすすめです。特に二巻の後半あたりか -
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ネタバレ唐、高句麗、新羅、百済、倭の七世紀における角逐の焦点を白村江の戦いにおいて、それに至る経緯を21年前から書き切る。
白村江の戦いが天智天皇(葛城皇子)と新羅の金春秋(と息子の金法敏)の秘密同盟による合作という新しい見方に仰天。余豊璋、金春秋、泉蓋蘇文、葛城皇子、中臣鎌足、蘇我入鹿、田来津などの各国の登場人物もビビッドに描かれており飽きなかった。
歴史的な通説としては、仏教伝来など伝統的な友好国であった百済の滅亡に際して、同国遺臣の要請に応じて軍勢も出すも軍事大国の唐水軍に会えなくて倭水軍は敗れ、百済再興も潰えたが、九州に水城を築きつつ唐との関係は何とか維持して遣唐使の派遣まで漕ぎつけ、一方 -
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歴史の教科書では「倭国・百済連合軍と唐・新羅連合軍が白村江で戦い、倭国軍が大敗。これをきっかけに百済が滅びる。」
という無機質な文章で片付けられていた出来事をこれでもかと深掘りした歴史長編。
百済の皇子が倭国に亡命するところから物語は始まり、朝鮮半島の動向、倭国内での政治分断から外交、決戦までの流れを人情も交えつつ描いている。
教科書では悪者にされている蘇我入鹿が善良、中臣鎌足と中大兄皇子(天智天皇)が悪者として登場するところが個人的には好みである。
戦いの後明かされる天智天皇の作戦には思わず唸った。
小説なので細部に多少の脚色はあるだろうが、白村江の戦いについても学べる一冊。 -
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南北朝時代
歴史の授業でさらりと通り抜けた時代
こんなにも時代に翻弄され
裏切りや屈辱、不遇であった天皇がいたとは
恥ずかしながら知りませんでした。
物語なので、想像で描かれてるところも
あると思うけど、
事実が丁寧にかかれ、
最初のあたりは、知識が追いつかず
登場人物の多さと複雑さに
心折れそうでしたが
光厳天皇の語り手ですすむので
よみやすく、感情移入していき
最後に行くにつれ、読むのをやめられなくなりました。
この複雑な時代をまとめ上げ
語るのは大変なことだったと思います。
読んでよかった
面白かったです。
結末を知らずに読んだので
最後は、はぁとため息と、充足感。
政を背負って -
永遠のヒーロー、柳生十兵衛。
著者の作品は、ほぼ必ず「かの国」が絡んでくるため食わず嫌いと云うか、素直に読めない気持ちが先行して、ヒット作を量産していた頃でも中々手を出せなかった。
そんな自分が「柳生十兵衛なら多少我慢すれば読めるかな…?」ぐらいの気持ちで手に取ったのが本作だった。
正直、「かの国」の呪術や何やかやは読んでいて愉快なものでは無かったが、著者が(私の大好きな)山田風太郎先生を敬慕しており、あの十兵衛像を傷付けない作風を考えて書かれているのが読んでいてもスゴく良く伝わり、とても楽しめた。
この作品を読んで、著者の柳生物についてはほぼ全て読破したのは云うまでも無い。
山田風太郎好きな方なら -
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歴史の用語として聞いたことは在っても、然程詳しく知るでもない「白村江の戦い」を背景とした作品だ。
「白村江の戦い」というものは、日本での対外政策の変遷、朝鮮半島の国々の相互関係、中国大陸の帝国の動向と様々な要素が絡み合い、関係した人々の様々な思惑が交錯した中で惹起したということになるのであろうか。そういうことに関して、倭国(日本)の要人や、結果的に倭国へ亡命していた百済の王子、百済の人々、新羅の要人というような幾人かの視点人物を設定して大胆な大河ドラマを展開している。
所謂<大化の改新>で誅殺される蘇我入鹿が序盤では大きな存在感を見せるが、途中からは葛城皇子(中大兄皇子)が大きな存在感を見せ、 -
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秦の始皇帝、項羽と劉邦、漢の武帝の時代にわたり、巨大な権力に一人立ち向かい続ける不死身の男シャクチの活躍を描いた大河伝奇小説。
700ページを超える大作でしたが、読み始めたらその長さが気にならなくなるほど、この物語の世界観にどっぷり浸かっている自分がいました。
中国の歴史についてはそれほど詳しくないのですが、司馬遼太郎著「項羽と劉邦」を読んでいたので、その時代の人物が出てくる所は特に読み応えがありました。
時間も空間もスケールが大きく、歴史上の人物だけでなく、作者お得意の妖獣、怪獣が登場する中で、一人の男が巨大な権力に闘いを挑む姿が描かれ、ヒロイックファンタジーとしても、これほど -
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荒山徹 著「竹島御免状」を読みました。
徳川の治世が盤石になった頃、竹島の領有をめぐり、朝鮮妖術師が日本に侵入。迎え撃つのは柳生の血を引き、陰陽道にも通じた柳生友信。共に立ち上がった老齢の柳生十兵衛は、因縁の敵と最後の戦いに挑むのだった。
自分の好きな「柳生陰陽剣」の柳生友景の子孫である友信が活躍する小説というだけで、読み進めていくのがとても楽しみでした。
しかも、その友信に力を貸すのが、我らが柳生十兵衛とくれば、もう言うことはないほどです。
今回も奇想天外な妖術合戦の展開に、子供の頃のわくわくする思いがよみがえってくるようでした。
助さん、格さんを従え諸国漫遊している水