荒山徹のレビュー一覧

  • 柳生大戦争
    荒山徹 著「柳生大戦争」を読みました。

     朝鮮の建国神話の謎を巡り、徳川幕府と朝鮮、中国の歴史の歯車が動き出していく。そこに柳生一族の運命もかかわっていく。はたして柳生十兵衛は、その運命を乗り越えていくことができるのか。

     自分が大好きな柳生十兵衛が活躍するこの作品、読み進める楽しさと読み終...続きを読む
  • 砕かれざるもの

    新たな物語の方角へ…!!

    デビュー当時から拘ってきた「お隣の国」からようやく御卒業に成られたようで、先ずは祝着至極。

    彼の国は、現代においても「正常な国交関係」を結べているとは思えない為、いくら「伝奇小説だから…」「ホラ話だから…(失礼!)」と言われても、読んでいて「何とも表現の仕様がない不快さ」が拭えず、正直全ての作...続きを読む
  • シャクチ
    最初、読んだ時は、体調不良だったのか、10ページぐらいで睡魔に襲われて、断念してしまったけど、3年後に読み返したら、凄く面白かった。
  • 白村江
    この時代のことは中学高校で習ったことレベルの知識しか無い。本書のような裏事情があったらそれはそれで面白いし興味深いが、設定にリアリティは感じなかった。

    人物造形にももう一工夫ほしいが、それなりに面白かったので良しとします。
  • 足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー
     著名作家のアンソロジー『足利の血脈』ですが、副題で、さくら一族の聖戦と付け加えたい。鎌倉公方〜古河公方・堀川公方の興亡と支える忍者の物語。読後としては足利の歴史よりさくら一族の伝奇。面白い企画かと思いますが、個人的には各作品の波が合わず、一人の作家の連作の方が読みやすかったのでは思います。しかし第...続きを読む
  • 足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー
    足利義教は時宗の阿弥を諜報網のように使っていた
    と明石散人先生が書いていた気がする(未確認)

    万寿王丸主役、自分を囮にして赤松満祐邸に義教を
    呼びつけ暗殺した
    本作において阿弥は踊念仏の集団として万寿王丸の
    潜む郷に乗りこみ、義教の手で一緒に斬殺された
    証拠隠滅らしい
    しかし、諜報網を早く手放した...続きを読む
  • 白村江
    まさに歴史小説という感じ。
    時間を追うごとに主人公的存在が変わっていくので、好感が持てた人物が消えていくのが悲しい(笑)
  • 徳川家康 トクチョンカガン
    荒山徹の小説は初めて。

    徳川家康の影武者を主人公とした小説と言えば、言わずもがなの時代小説傑作中の傑作、隆慶一郎「影武者徳川家康」を思い出すのだが、本作はあの名作に果敢に挑んいる本歌取り的作品。善悪の立場を反対にし、家康の影武者をまさかの文禄の役の捕虜とするという離れ業を放ってくる。

    小説自体も...続きを読む
  • 白村江
    葛城皇子(中大兄皇子)が良い人間として書かれた物を読んだことがないが、今回もやはり全然好感が持てない男振りだった。
    彼の傀儡として動いていく豊璋を見るのがとてもしんどかったけど、まさに「運命に抗おうとしている者は、かけがえのないほど美しい」んだなぁって思いました。そういう人間の苦しみが美しい文学にな...続きを読む
  • 秘伝・日本史解読術
    荒山先生による歴史勉強秘伝。荒山先生らしく、日本の歴史だけでなく中国、朝鮮の歴史、歴史伝奇小説やウルトラマン(!?)にまで言及。

    史料の大切さやその解釈の難しさ、危うさ等触れる。
    「史実を世紀で整理する」「家系図の重要さ」等は手軽に真似出来、有用そうなので参考にしようかな。
  • 秘伝・日本史解読術
    たまには読まず嫌いせずに読んでみる、ということで日本史関係で一冊。まえがきを読んで、whenだけじゃなくてwhereも大事、などなど、こういう角度からの日本史の本が欲しいんだよなあという気持ちに応えてくれそうで、とりあえず読んでみたのだけれど、多少は参考になりつつ、でも全体的に好き放題書いている感じ...続きを読む
  • 秘伝・日本史解読術
    <目次>
    序章   「史観」を語る前にすべきこと
    第1章  「遺跡は人なり」と心得よ
    第2章  秘伝・日本史収納整理術
    第3章  古代史学派伝奇文学か
    第4章  日本書紀を再評価せよ
    第5章  史料は原文が面白い
    第6章  超「仏教」入門(上)
    第7章  超「仏教」入門(下)
    第8章  遷都の裏に政...続きを読む
  • 長州シックス 夢をかなえた白熊
    夢に出てきそうな話でゾゾっとした。
    歴史好きな方は、歴史を重んじる方が多いと思われるので
    決して万人受けはしないでしょうな。

    私的には「ダジャレかよ!!」と思わずツッコミながらも片手間に読んだので、そこまで嫌悪はないけど…
    正直なところ、オリジナリティ溢れすぎて引くレベルww
  • シャクチ
    歴史の狭間にヒーローをおくファンタジー作品。シャクチめっちゃがたいよくて強いんだけど、それがオオヤマトの国から来てるってのがなかなかイメージしづらいけどね。西の国のビジュアルで読んだ。さらにヘビって色白の切れ長の目の知的なイメージだけどシャクチは獅子のような感じなのね。まあでも、贅沢ですよ。国が滅ぶ...続きを読む
  • 長州シックス 夢をかなえた白熊
    幕末物の短編集で、まともなものもあれば、作者お得意の破天荒ぶりを発揮したものもある。表紙を見ると恍けた話かと思って手に取った向きにはなんじゃこれはという話ばかりであろう。柳生と朝鮮から離れるための試行錯誤かもしれないが、ここは大いなるマンネリで通したほうがよいのかも。
  • 忍び秘録
    これまで未収録の短編を集めた補遺集といった塩梅で、各作品を貫くテーマ的なものは(朝鮮以外には)見当たらないものの、逆に作品のバラ付きが広く(2003~2013年!)、作家荒山徹のいい所も悪い所も盛りだくさんのバラエティ豊かな作品集となっております。

    「金髪くノ一絶頂作戦」という狂った原題の「阿蘭陀...続きを読む
  • 忍び秘録
    相変わらずの朝鮮と日本の相克を描く短編集。今まで収録されなかったので短編集としてのまとめ感もなく、それぞれの作品の出来はお世辞にも良くはないが、自虐の歴史観の日本と自慰の歴史観の朝鮮という話と、朝鮮の過去の偉人と平安貴族との関係など、そのまま描けば、こういう関係も当然あるだろうなということで、いつも...続きを読む
  • 長州シックス 夢をかなえた白熊
    幕末を舞台とした短篇集。登場人物が連投している作品もあるものの、基本的には連作という形にはなっていない。
    しかし、その名前に、彼らの数奇な運命を寓意として託された者達の物語集、とも言える。有り体に言えば、殆ど"ダジャレ"ネタである。実はそういうネタは荒山先生を構成する一要素でもあったりするんですが、...続きを読む
  • 砕かれざるもの
    荒山氏の作品はこれがお初。
    なるほど、山田風太郎系伝奇小説の後継者的な作風なんやね。
    それも、登場人物や舞台のチョイス、台詞回しに立ち回り、ジラし方やほんのりお色気設定、荒唐無稽さにおいて、かなり忠実な後継者とみた。

    ちょっと読みづらい部分もあるにはあるが、作品世界にはまってしまうと、リズムに乗っ...続きを読む
  • 徳川家康 トクチョンカガン
    無茶な設定でもこういう脚色も割りきって読めばそれなりに愉しいからよいのではないでしょうか。映画とかにしたら面白いかも。