荒山徹のレビュー一覧

  • 徳川家康 トクチョンカガン

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     荒山徹 著「徳川家康トクチョンカガン」を読みました。

     朝鮮の義勇軍に参戦していた元信は、豊臣秀吉率いる日本軍に捕らえられ、徳川家康の影武者に仕立て上げられる。豊臣に恨みを抱く元信は、怪しげな朝鮮忍者を駆使して豊臣滅亡をもくろむ。関ヶ原の戦いや大阪の陣の裏で一体何が起きたのか。そして、徳川秀忠と柳生宗矩は阻止することができるのか。

     関ヶ原、大阪の陣というあまりにも有名な歴史の裏でこのような戦いがあったと誰が想像できるのか、それはまさに山田風太郎亡き後、この荒山徹をおいて他にいないという意気込みが伝わってきそうな読み応えたっぷりの歴史エンターテイメントでした。

     家康の影武者が朝

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    2013年02月11日
  • 徳川家康 トクチョンカガン

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    かなり大胆な話しを“軸”にしながら、所謂“時代伝奇”、「妖しいモノを含むアクションが入って来る時代劇エンターテイメント」として綴られている。なかなかに愉しい…

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    2012年10月17日
  • 白村江

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    主人公は百済から亡命してきた王で、物語は倭国への亡命から始まります。
    白村江での合戦自体は最後の数十ページのみで、9割は合戦に至るまでの内容でした。
    難しい漢字が多かったので電子書籍がおすすめ(すぐ調べれるため)
    日本や韓国の歴史が好きな方には読んで欲しいです。
    最後まで楽しめました!

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    2025年10月25日
  • 足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー

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    扇谷上杉、北条氏を描いた富樫倫太郎「早雲の軍配者」の後に読んだ作品として最高だった。非常に混沌としていながら、戦国期の甲信越・関東の土台となった"古河公方"に纏わる連作短編アンソロジー。

    1.嘉吉の狐:古河公方初代成氏-唯一の生き残りの前半生。足利義政への恨みと関東公方としての覚悟、それとかの有名な嘉吉の変のリンクが自然で良い。
    2.清き流れの源へ:大人しい茶々丸というのが新鮮だったが、途中の豹変の過程が不明瞭で違和感。
    3.天の定め:北条に抗い続けた晴氏。子への非情さと情の狭間で揺れ動く心情がよく描かれている。
    4.宿縁:他と一線を画す荒山氏らしい独特な作品。源義家から

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    2025年10月12日
  • 白村江

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    日本が百済を救援するために唐・新羅連合軍と戦った白村江の戦い。
    この戦いの結末、目的が語られる最終章に唸らされました。ミステリーの最後を読んでいたかのような驚き。
    政治判断という言葉で切って捨てられる国の運命、人間の命。
    有益無益しかない思考には、賞賛はないのですが、共感は多少なりともある。

    なんというか、自分の悪癖というか成長できていない部分なんですが、冷静冷徹な大を助けるために小を捨てる、といったものに憧れてしまうという厨二の幼さがあります。
    その部分に刺さったのが「白村江」で明かされた葛城皇子の陰謀。
    もちろん、その陰謀の駒としていいように扱われても、己の生き様を全うした豊璋たちの素晴

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    2025年05月18日
  • 風と雅の帝

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    鎌倉時代末期、南北朝に分裂した皇統を統一すべく奔走した光厳天皇の物語。足利軍により京都を追われ、鎌倉幕府軍とともに鎌倉を目指すも囚われの身となる。その後、後醍醐と敵対した足利尊氏に擁立されることで、一度は“治天の君”の座につくも、尊氏の裏切りにより、再び囚われの身に。吉野での幽閉の日々の中、「天皇とは何か」を考え続ける。武士の裏切りが相次ぎ、その時の権力=武力に翻弄され、皮肉なことに自身の孫の代で再び皇統分裂の危機を招く。南北朝時代を描いた小説はあまり多くないと思うが、これはその中でも武士ではなく天皇家に着目した作品。中立的な立場の天皇の目で見ていることから、この時代がよくわかる。

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    2024年11月12日
  • 風と雅の帝

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    建武の新政から南北朝時代を描いた小説は数多くあるが、北朝の光厳天皇の視線で書かれた小説は見かけない。
    古の天皇親政に戻るべく、数々の戦乱を招いた後醍醐帝の怨念から、正当な天皇の系譜を守るべく生き抜いた光厳天皇。
    この小説を読むと、歴史について、新たなる視線で見ることができる。

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    2024年06月15日
  • 足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー

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    古河公方 足利家と、忍び さくら一族を描いた歴史小説 アンソロジー、連作短編集

    史実の裏側では、こういった暗躍もあったかも知れない。時代に想いを馳せました。
    巻末の系図が有難いです。

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    2024年02月18日
  • 白村江

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    最初は難しくて、すこーしずつ読んでいましたが。
    戦が近づくにつれ、面白くなりました!
    百済王子、最後はどうなったんでしょうね、史実では。

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    2023年12月02日
  • 風と雅の帝

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    ネタバレ

    鎌倉~室町初期、南北朝時代はなかなかイメージしにくかったのですが、流れが理解できましたし、「天皇」「院」「公家」「武家」の基本行動原理も何となくイメージできました。武士同士の入れ替わり立ち代わり、それに翻弄されながらの権威の行き来。パターンありますよね。伏見宮(予備天皇家)もここからなんですね。何といっても、量仁、豊仁、興仁の筋トレで心を整えるところ。良いですね。

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    2023年11月21日
  • 白村江

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    新たな豊璋像の可能性を提案してくれた白村江。
    白村江の戦いの驚きの説に興奮してしまった。
    古代の歴史は創造力の翼を広げられる分野で、今後発見される遺跡や古文書が固い鎧を剥がしてくれるのだろう。
    朝鮮半島と日本は深いつながりがあるのは間違いないが。

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    2022年11月21日
  • 神を統べる者(三) 上宮聖徳法王誕生篇

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    聖徳太子をこんな風に描いて、大丈夫だろうか?と不安になったけど、凄く面白かった。これは、歴史小説なのか?SFと呼ぶべきか?

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    2022年05月27日
  • 足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー

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    戦国史を足利一族の視点から描くアンソロジー。
    古河公方発足から、喜連川藩誕生までの200年余りが物語の舞台となっています。

    室町から戦国にかけて関東一円の戦乱の原因は、鎌倉公方・管領の足利一族のいざこざのせいだと思っています。なんというか、関東だけに限らず、足利は血族の争いが多い気がする。尊氏と直義から始まってることですし。それでも、240年近く幕府として続いたことは珍しいことでしょうね。

    時代を下りながらのアンソロジー7話。一つの流れとして、関東公方家に仕えた忍びの「さくら一族」の存在があります。「足利の血脈」というタイトルですが、「さくら一族」伝でもあります。
    『嘉吉の狐』『螺旋の龍』

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    2022年01月30日
  • 足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー

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    室町時代、なかでも鎌倉公方〜喜連川藩の流れは歴史の中で自分が一番興味がある部分です。さくらの里という元ネタバレバレのはじまり方ですが、アンソロジーでそれが貫かれているのがまたいい。「足利の血脈」というからには、いっそのこと足利義兼あたりまで遡ってもよかった。

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    2021年09月08日
  • 白村江

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    ネタバレ

    古代の大陸との関わりを知りたくて読みました。
    冒頭の導入は、凄惨で読むのを躊躇する場面もあったけれど、古代の戦、内乱の現実だったかもしれません。
    その後は、歴史の流れが壮大なもので、敗北を恐れず、自分の誇りをとる者に、敗者の美学を感じました。

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    2021年05月31日
  • 白村江

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    葛城皇子(中大兄皇子)と中臣鎌子が行った白村江の役。一般的には秀吉の朝鮮攻めと同様に失敗例とされているが、そこには思慮遠望が隠されていた。
    物語は白村江の役から二十一年前の百済の皇太子が亡命するシーンから始まる。通り一遍の知識しか無かったので、どこまでが史実かが分からないが非常に興味深く読んだ。日本国内では蘇我入鹿の暗殺なども描かれ、今は乙巳の変と呼ばれる出来事などを歴史を思い出した。
    少々長いが楽しめた。

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    2021年03月13日
  • 足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー

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    足利氏の血脈を7人の歴史作家が紡ぐアンソロジー。
    ただ単に足利氏を描くだけでなく、忍びの血脈も同時に描かれており、重層感があった。

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    2021年01月23日
  • 白村江

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    ネタバレ

    日本史の教科書に大和・百済連合軍が唐・新羅連合軍に敗れた戦として淡白に記載せれる白村江の戦い。本書では葛城皇子(中大兄皇子)の謀略の結果と描かれている。全く想像してなかった視点で面白く読めた

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    2020年06月13日
  • 白村江

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    史実はそう多く残されていないので、数少ない史実の間を著者の想像で書き足しているのだろうが、面白い物語になっている。600年代って相当な未開の時代のように思われるが、飛行機や自動車は無いにせよ、人間社会のあり様についてはさして今と変わらないのだろう。国際色豊かな時代でもあったようだ。半島や中国との交流も盛んで、今ほど社会も固まっていなかったこの時代の空気感はどんな感じだったのだろうか。逆にもっと社会は固定化していたのかな。最初は蘇我入鹿が主人公かと思ったら途中から居なくなるし。最後は残念な結末ではあるが、主人公とみなされる彼が生き残って大事を成し遂げたので有ればそれは素晴らしい事だ。

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    2020年05月31日
  • 白村江

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    圧倒的に面白い。あまり読むことの少ない古代の物語がいきいきと描かれている。葛城皇子のサイコパスぶりが恐ろしい。

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    2020年04月24日