菅浩江のレビュー一覧
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ネタバレもう20年近く前になるけれども、メトロポリタン美術館に行く機会があり、現代アートのエリアに、黒く塗られた大きな四角い作品があった。それがいったいなんなのか、かなり近づいて見ていたら、警備の方に「近くだと直線なのに、離れてみるとサイドが歪んで見える作品なのだ」と教えてもらったのをふと思い出す。
これもひとつの美術作品なのだというのが、当時高校生だった自分にとってすごく面白かった。
同時に、それを「美しい」とは思わない人もいるだろうなとも思う。
「美とはなにか」という問いに正解はないとしても、AIに“理解”させるというのはひとつのゴールになるだろう。
その試行錯誤の過程が、この作品では丁寧に描 -
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ネタバレ最近の生成AIブームを横目に、そういえば脳内で直接AIみたいなものと会話できる設定の小説があったな、と思い出して再読。
接続するAIのバージョンで性能が少しずつ違って、初期バージョンの人が、会話中にじっとしなければならなくなる…という設定が妙にリアルで印象に残っていた。
前にこの本を読んだときは、まだAIなんてかけらも自分たちの手に届くところにはなかったのに、ほんの20年でここまで来るなんて思わなかった。
にもかかわらず、人がつながった先の女神たちは今読んでも違和感がない、どころか、ChatGPTの先には彼女たちがいるだろうと思えるほどで、作品のすごさを思い知る。
技術の進化は芸術分野から -
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博物館惑星のシリーズは、一作目を学生時代に読んでからずっと続刊を楽しみにしています。前作は主人公が変わったことで、ちょっとした寂しさを感じましたが、健と尚美のコンビは見ていて微笑ましく、すぐに好きになれました。今作は主人公が継続ということで、安心して?読み始めることができました。
感想は、求めていたものをそのままお出しされた感じ。ビックリするような展開はあまりないものの、美術品を巡る事件を解決しながら、登場人物の心理を丁寧に掘り下げていく手法は、読んでいてとても心地よく、心がほっこりする読後感を得られました。
前前作、前作と比較すると、SF要素は若干控えめに感じましたが、特に第一話の内容は読ん -
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終始きれいな穏やかな物語だった!
SFだと聞いて読み進め、あれ?ミステリ要素強め??とちょっと戸惑いました。
切羽詰まった感じはなく、日常系のような優しい物語が続きます。
美しい風景がほわ~んと頭に浮かんでくる素敵な小説です。
感嘆詞として形容詞を使っちゃう美和子さん、わたしも同じタイプなのでよくわかります。美術館に行くのは好きだけど、作品たちから何を感じとればいいの!?少し焦る感覚もありました。そんな気を張らずにもっと心から作品に身を委ねるだけで良かったのか〜と感じました。
もう何年も美術館に行けてないけど、また落ち着いたら行きたいなあ〜 -
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好きな世界でした。時代がかった豪奢だけど、闇の暗さもあって…1作だけしかないっぽいのが寂しいです。
花守り側の時実や十郎・五郎に日照間様も、女性を花にする側の永世・常世姉妹もキャラ立ちしてて素敵でした。姉妹、毎度毎度衣装も屋敷も調度品も素敵。おかっぱは禿。
女性の闇を捕らえて誘惑する姉妹も、最終話のフサさんの召し物褒めにはタジタジになってて婆様強かったです。人の苦しみを眺めるだけで知った気でいるものより、苦しみを実際に経験してきた人の方が強い。婆様格好良い。
朝顔のお話も好きでした。時が流れているなら、闇は続かない。そうだといいです。
表紙捲ったとこにある作品紹介、百花の王は百合じゃなくて牡丹 -
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地球の衛星軌道上に浮かぶ人工惑星。そこは地球のあらゆる芸術品を収容する巨大博物館<アフロディーテ>。主人公の田代孝弘はこの博物館で働くいち学芸員。脳外科手術により、芸術に関する膨大な知識を集積したデータベースに直接接続することができる学芸員は、そのテクノロジーを駆使して収容される芸術品の価値を確かめ、その意義を問う。ただし、田代孝弘が所属する総合管轄部署<アポロン>は、専門部署間の調整役が主な仕事であり、彼は常に厄介ごとに巻き込まれるのだが…
うーん、なんともロマンチックな連作短篇集。
それぞれ扱われる芸術作品に主眼を置きつつも、それを取り巻く人間模様がメイン。SF的バックグラウンドもしっか -
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地球の衛星軌道上に浮かぶ、全世界の美術品と動植物が集められた博物館惑星「アフロディーテ」、データベースと脳を直結させた学芸員、そこで起こる様々な事件にまつわる、SFと芸術とミステリー要素が混淆した物語。という設定だけで堪らない。
様々な要素がある分どれもやや物足りなさはあるが、総合的な設定が秀逸なので余り気にせず楽しむことができた。SF的美術品の数々も面白い。そして何より、芸術を味わう/楽しむってどういうことだろう、というのを改めて考えさせられた。なぜ我々は、美しいものを見て美しいと感じるんだろう?
余談だけど。黄金率が鍵となる物語「きらきら星」を読んで、地球外生命体に向けて放たれた衛星ボ -
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SF・ファンタジーの作品を8編収録した短編集
表紙のデザイン、各短編につけられているイラストはどこか可愛らしさを感じさせるのですが、内容は全体的にシリアスなものが多いです。
表題作「そばかすのフィギュア」は、自分たちがデザインしたキャラクターが入賞し、その副賞として、デザインしたキャラクターたちのフィギュアが送られてきた学生たちが主人公。そして、このフィギュアのみそは、主人公たちが考えた設定に準じて、自立的に思考や行動をおこなうところです。
このフィギュアたちの設定は、すでに相思相愛の王子と姫そして王子に叶わない片思いを抱く女の子です。そして、このキャラクター達をデザインした靖子