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Posted by ブクログ
人の心には花が咲く。傲慢さを、臆病さを、一途さを苗床に、牡丹が、百合が、曼珠沙華が咲く。それはけして枯れることのない、永遠の花。
永遠の花を求める「永久の姫君たち」と、人の心に咲く花を守る「花守」の物語。
角川文庫の解説で夢枕獏さんが書かれている通り、泉鏡花を思わせる妖しく美しい物語です。鏡花の文章は、夢と現実が曖昧で、ぐるぐると暗くて絢爛な世界に入り込む感覚がしますが、同じような感覚をおぼえます
。
全体的に、歌舞伎を引用した演出や、和装の描写がとても繊細で、そういったものに興味を持たれる方には是非ともおすすめです。
(あと個人的に夢枕獏さんの解説がとってもおすすめなので、是非とも角川文庫で読んでみてください!)
Posted by ブクログ
好きな世界でした。時代がかった豪奢だけど、闇の暗さもあって…1作だけしかないっぽいのが寂しいです。
花守り側の時実や十郎・五郎に日照間様も、女性を花にする側の永世・常世姉妹もキャラ立ちしてて素敵でした。姉妹、毎度毎度衣装も屋敷も調度品も素敵。おかっぱは禿。
女性の闇を捕らえて誘惑する姉妹も、最終話のフサさんの召し物褒めにはタジタジになってて婆様強かったです。人の苦しみを眺めるだけで知った気でいるものより、苦しみを実際に経験してきた人の方が強い。婆様格好良い。
朝顔のお話も好きでした。時が流れているなら、闇は続かない。そうだといいです。
表紙捲ったとこにある作品紹介、百花の王は百合じゃなくて牡丹では?となりました。3話と4話が混ざっている。。
独り咲きにも気概が必要。