岡本浩一のレビュー一覧
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裏千家で四半世紀茶の湯を稽古してきた心理学者の本。対象にはお茶をやってないけど関心がある人も含まれていて、裏千家の茶の湯観で、茶、禅、茶道の歴史、利休の特殊さ、流派、侘び、名物、真行草、茶碗、茶入、茶室、茶杓などについてわかりやすくまとめている。
特に他流を見てどう思うかの4段階とか、真の点前の観点から考える玄々斎の立礼卓の解釈とかは面白い。
教養についての著者の考え方もよい。人間の重さと教養の重さがイコールとか、見える人には見えるが見えない人には見えないとか、知識的な中身を習得するための修練をした痕跡のようなものとか。
ただ細かい話だと帛紗の左右とかどうなんだろう。やはり脇差を差して茶室に入ったとは思えないんだが、小刀ならありうるけど。それに帛紗は袴紐に付けるので脇差は関係ないように思う。
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以下抜粋~
・人間の深い信頼は、たがいの教養への信頼である。
教養には二種類ある
1知識としての教養
2人格的教養
人間の重さは、「2人格的教養」の重さで決まる
人格的教養とは?
哲学、語学、文学、社会観、人間観、科学観・科学哲学、宇宙観
教養は人間の価値である。
『人格的教養』は抽象的な感覚である。
知識的教養は修練をとおしてのみ習得されるが、知識そのものではない。
その人の置かれた文化によって磨かれる。
ヨーロッパ的『教養』の代表例
ワイン、音楽、古典文芸、スポーツ、聖書
世界から見た「東洋的教養」
儒教・老壮思想、源氏物語・古今和歌集、禅、武士道、禅宗建築、茶道
裏千家十五代の鵬雲斎千玄室大宗匠は、しばしば、侘びの英語訳として、「imperfect beauty」「beauty of imperfection」とおっしゃいます。直訳すると、「不完全の美」、「不完全ゆえの美」という意味になるでしょうか。
これはたいへんにわかりやすく、しかも含蓄ある表現です。
ふつう、美は完全なものと考えられています。それがヨーロッパ的なコンセプトです。ところが、「不完全であるところに宿る美というものがあるのだ」というのが日本文化の偉大な発見であり、偉大な創造だったのです。
・楽茶碗の土については、数十年の発酵が管理されていると伝承されることと深く関係しています。
バクテリアの豊富な土で整形した茶碗を窯で焼くと、バクテリアは燃やされて死にます。
そのときに、炭酸ガスが生じ、その炭酸ガスが土のなかに残って、細やかな気泡となります。
その気泡が多いことで、ふわっとした形であるのに軽く、かつ、熱が伝わりにくいという性質が生れるのです。空気は、最大の保熱材のひとつだからです。 -
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茶道を9年習っているが、茶道って何だろうと感じる疑問を現代を優しく解いてくれる。ひとつ上の理解が深まりこれから進む方向を指南してくれる1冊だった。さらっと読めるが、自分の知識となるまで何度も読んで頭に入れたいなと思った。
歴史を絡めた道具の基礎的な解説
何かを一心に学ぶことで深まる教養
ファッションで言うフォーマルとカジュアルをMIXする感覚と、真・行・草の基本は捉えた上で道具合わせや建物の中で、侘びを取り入れる感覚が似ている。
以下なるほど!と思った雑学。
・茶入…秀吉の時代に褒賞として与える領土が足りなくなって、茶入が与えられるようになった。土地と違って妻子が落ち延びる際に持ち出せる、有名な茶入であれば持っている事で身分証明になる。
・楽茶碗…軽くて手どりが良い理由は、代々土づくりを行うことで2代前の土を使う事ができる。長い間発酵させた土には微生物が多く、焼いた時に気泡となり空気を含むためふっくらした形なのに軽い。持ったときに熱くない。 -
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上達という行為は、知覚情報の処理の繰り返しにより、その情報をコード化して知識と蓄え、再び同じ状況に出くわした際に、コード化された知識を呼び覚まして対応する過程で、知覚情報のコード化とアウトプットの体系化が進み、情報に対する処理能力が上がる状態のことを指す。本書では、初級者、中級者には見られない、上級者ならでは特徴について事細かに説明されている。こうした特徴を知っておくことは、自身の上達度合いの客観的な評価に使えると感じた。
勇気づけられるのは、上達の法則は普遍性があるものとして説明されている点。すなわち、何らかのスキルにおいて上達した経験は、他のスキルの上達にも活かせるということである。このことを知っておくと、人生を有意義に送ることができそうだ。 -
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無責任に端を発する組織や構成する人間の問題点・リスクについて、発生原因や対処法を教えてくれる。
筆者は原子力安全委員会の専門委員としても活躍された方で、JOC臨界事故の事故調査も行っている。前半はそれら事故の発生した経緯について、多少難しい専門用語などもありながら、手続きや手順の問題点を洗い出す。その要因としては組織の体質や過度の利益追求などを挙げる。危険を扱う現場でいとも簡単に崩れていく状況を見ながら、私が現在所属する会社にも似た様な傾向はあると感じる。
本書中盤以降は社会心理学から組織に潜む危険性・リスクを同調生や個人の認識の低さ、組織風土など一つずつ発生要因とプロセスを説明していく。ここではほぼ確実に読み手自身あるいは読み手の属する何らかの集団・組織にも、複数の一致性を見出す方が多いのではと感じる。
特に会議のシーン、参加者の一人一人の顔を思い出しながら、心理的に当てはまるタイプを見つけられるだろう。だから毎回あの定例会議の結論はこうなるのか、という具合に。
上司や社風にもだいぶ近い感覚を感じられ、業績はまあまあでも実のところ、危ないのではと恐怖も覚えた。
私自身も社内の多くのプロジェクトに参加、もしくはリーダーとして率いる側の立場にあり、現在進行形の状態だ。そこには多数の問題、複雑な課題に日々立ち向かう必要があり、場の空気や社風、関係者の力関係を見るなどして意見を出しきれない事が頻繁にある。組織以上に自身の不甲斐なさを感じる。
後半はその様な中でどの様な意志と立ち回りで乗り越えていくか、技術的な参考になると共に精神面で勇気・力を貰える。始めに描かれた臨界事故も誰かが防げたのではないか。
まずは立ち向かうスキルと自信を身につけるためには、幅広い知識に触れて吸収しようとする努力は怠れない。ある日私にも自信と勇気が後押しして、現在難航中かつ出口の見えないプロジェクトを中止に追い込む様な時が来るだろうか。
本書は明日の自分を変える力と知恵と勇気をくれる。 -
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物事を上達するための方法と考え方。わかりやすい。
中級から上級になるために、以下が大事。
感情を込めて練習する。
得意な方法で攻める。一点突破から。
ノートを取り、振り返る。
概論書から理論書を読む。
一つを深める。
模倣や暗唱をする。
英語なら、一つのテキストを用いて、その中の表現を暗唱するくらい練習する。その際に場面を想像しながら、感情込めて練習。
一日の練習や仕事を振り返る、日記を書く。英語で書く。その表現の細部を時々、辞書や参考書で確認して、補強する。
文章作成スキルを高めるなら、好きな作家の文章を模写。作者の気持ちを想像しながら。
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本書では、権威主義に陥る人の特徴について「認知を単純化した結果なのではないか(認知的単純性)」としている。
たしかに「それっぽい」新聞やネットの記事などは内容に複雑性や深みがなく、社会を紋切り型に「分析」してみせて、それっぽい口調で「結論」しているので読んでいてしらけてしまうことが多い。
またそうした書き手は「自分自身を振り返る」という認知があまり得意でないようにも見えることが多い。いわゆる「ブーメラン」と言われるものも、そうした単純な認知スタイルによる権威主義的な発言を揶揄したものとも受け取れなくもない。
「もしかしたら自分がそうかもしれない」という恐れがない人物の「自覚のなさ」が、結局のところ権威主義で一番怖いところなんだというのがよく理解できた。
なので、やっぱり「自分を振り返る」という認知って大事なんだなと。 -
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英語の勉強法に関する本は数多く出版されていますが、本書はその中で比較的実力のある読者向けの内容だと思います。
たとえば森沢洋介の『英語上達マップ』(ベレ出版)で紹介されている「音読パッケージ」の勉強法にしたがって中学の教科書から高校の教科書に進んだ後、本書で中核トレーニングの1つに位置づけられている「パラグラフ・トレーニング」に自然な形で接続することができるのではないでしょうか。
私自身は、本書で「発展的トレーニング」として紹介されている英文の書き換え練習などに取り組むには実力が足りないように感じましたが、いずれは本書のやり方を参考に勉強したいと思います。といっても、いったいいつになることか分かりませんが。 -
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ネタバレ「目的」
いつも上達の加速度は早いが途中で減速するタイプであるため、一度その理由を考え取り入れられるものは実践するため。
「まとめ」
上級者=プロフェッショナルではなく、自分で特技・趣味だと発信できるレベルだと定義し上達する事の利点や実際に初心者が中級者を経て上級者になるために意識する事がまとめられている。そのためスパルタ的なものではなく”好きなことをまず得意になる”とか”週1、2回でいいから触れる機会を作る”など手触り感のある方法論が特徴的。
上達のプロセスについては個別の事象→コード→コードシステム→スキーマという流れで頭の中に整理されるという説明はわかりやすかった。暗記することや繰り返すこと、基本を忠実に覚えることやプロを見ること等上達の手段とされる様々なものがこのプロセスから説明でき、最も納得感がある部分だった。
「感想」
上達とは結局「序・破・離」ではないか。
そのために必要なことは
①基本の型をできる限り最小単位で理解する。
②一流の人を(プレイだけではなく、その言動、姿勢等も含めて)よく真似する。
③色んな人を見ながら、自分なりの練習・アウトプットを考える。
今まで、基本の型や一流の雰囲気を真似することはできていたが、より細部への注目ができておらず中盤以降の伸びが欠けたのではないかと感じた。意識意識。