岡本浩一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
茶道を9年習っているが、茶道って何だろうと感じる疑問を現代を優しく解いてくれる。ひとつ上の理解が深まりこれから進む方向を指南してくれる1冊だった。さらっと読めるが、自分の知識となるまで何度も読んで頭に入れたいなと思った。
歴史を絡めた道具の基礎的な解説
何かを一心に学ぶことで深まる教養
ファッションで言うフォーマルとカジュアルをMIXする感覚と、真・行・草の基本は捉えた上で道具合わせや建物の中で、侘びを取り入れる感覚が似ている。
以下なるほど!と思った雑学。
・茶入…秀吉の時代に褒賞として与える領土が足りなくなって、茶入が与えられるようになった。土地と違って妻子が落ち延びる際に持ち出せる -
Posted by ブクログ
上達という行為は、知覚情報の処理の繰り返しにより、その情報をコード化して知識と蓄え、再び同じ状況に出くわした際に、コード化された知識を呼び覚まして対応する過程で、知覚情報のコード化とアウトプットの体系化が進み、情報に対する処理能力が上がる状態のことを指す。本書では、初級者、中級者には見られない、上級者ならでは特徴について事細かに説明されている。こうした特徴を知っておくことは、自身の上達度合いの客観的な評価に使えると感じた。
勇気づけられるのは、上達の法則は普遍性があるものとして説明されている点。すなわち、何らかのスキルにおいて上達した経験は、他のスキルの上達にも活かせるということである。このこ -
Posted by ブクログ
無責任に端を発する組織や構成する人間の問題点・リスクについて、発生原因や対処法を教えてくれる。
筆者は原子力安全委員会の専門委員としても活躍された方で、JOC臨界事故の事故調査も行っている。前半はそれら事故の発生した経緯について、多少難しい専門用語などもありながら、手続きや手順の問題点を洗い出す。その要因としては組織の体質や過度の利益追求などを挙げる。危険を扱う現場でいとも簡単に崩れていく状況を見ながら、私が現在所属する会社にも似た様な傾向はあると感じる。
本書中盤以降は社会心理学から組織に潜む危険性・リスクを同調生や個人の認識の低さ、組織風土など一つずつ発生要因とプロセスを説明していく。ここ -
Posted by ブクログ
物事を上達するための方法と考え方。わかりやすい。
中級から上級になるために、以下が大事。
感情を込めて練習する。
得意な方法で攻める。一点突破から。
ノートを取り、振り返る。
概論書から理論書を読む。
一つを深める。
模倣や暗唱をする。
英語なら、一つのテキストを用いて、その中の表現を暗唱するくらい練習する。その際に場面を想像しながら、感情込めて練習。
一日の練習や仕事を振り返る、日記を書く。英語で書く。その表現の細部を時々、辞書や参考書で確認して、補強する。
文章作成スキルを高めるなら、好きな作家の文章を模写。作者の気持ちを想像しながら。
-
Posted by ブクログ
本書では、権威主義に陥る人の特徴について「認知を単純化した結果なのではないか(認知的単純性)」としている。
たしかに「それっぽい」新聞やネットの記事などは内容に複雑性や深みがなく、社会を紋切り型に「分析」してみせて、それっぽい口調で「結論」しているので読んでいてしらけてしまうことが多い。
またそうした書き手は「自分自身を振り返る」という認知があまり得意でないようにも見えることが多い。いわゆる「ブーメラン」と言われるものも、そうした単純な認知スタイルによる権威主義的な発言を揶揄したものとも受け取れなくもない。
「もしかしたら自分がそうかもしれない」という恐れがない人物の「自覚のなさ」が、結 -
Posted by ブクログ
英語の勉強法に関する本は数多く出版されていますが、本書はその中で比較的実力のある読者向けの内容だと思います。
たとえば森沢洋介の『英語上達マップ』(ベレ出版)で紹介されている「音読パッケージ」の勉強法にしたがって中学の教科書から高校の教科書に進んだ後、本書で中核トレーニングの1つに位置づけられている「パラグラフ・トレーニング」に自然な形で接続することができるのではないでしょうか。
私自身は、本書で「発展的トレーニング」として紹介されている英文の書き換え練習などに取り組むには実力が足りないように感じましたが、いずれは本書のやり方を参考に勉強したいと思います。といっても、いったいいつになること -
Posted by ブクログ
ネタバレ「目的」
いつも上達の加速度は早いが途中で減速するタイプであるため、一度その理由を考え取り入れられるものは実践するため。
「まとめ」
上級者=プロフェッショナルではなく、自分で特技・趣味だと発信できるレベルだと定義し上達する事の利点や実際に初心者が中級者を経て上級者になるために意識する事がまとめられている。そのためスパルタ的なものではなく”好きなことをまず得意になる”とか”週1、2回でいいから触れる機会を作る”など手触り感のある方法論が特徴的。
上達のプロセスについては個別の事象→コード→コードシステム→スキーマという流れで頭の中に整理されるという説明はわかりやすかった。暗記することや繰り -
Posted by ブクログ
ホロコーストが権威主義研究のきっかけだった。
ヒットラーによる独裁、国家による人種政策、ホロコーストとはなんだったのかが語られる。
ドイツは特殊な民族なのか?
1理学、科学、哲学、芸術、ドイツの水準はヨーロッパの先端
2キリスト教圏でも民間信仰が残っていた
3融通が利かない
権威主義行動の研究
アッシュの同調実験
ジンバルトの監獄事件
ミルグラムの服従実験
日本人は権威主義なのか?
権威と権威主義 似て異なる点
1権威として裏付けがないものを権威とみなす(占い
2間接⇒直接(権威行使領域を拡大
3間接∈領域拡大(ノーベル経済学賞受賞者の健康法 -
Posted by ブクログ
ネタバレ1昨年の5月に購入して以来、2年以上経て、漸く読み終わりました。
物事をいかに学び、精通し、上級者となっていくのか?
自己啓発から入り、何かを為していこうとしたときの”進め方”の指針となるような本でした。
以下ネタバレです。
本書は上達をしていくための方法論や、そもそも上達とは何か?など、
物事を極めていく上での道しるべとなるような内容を論じています。
特に印象に残ったのは、
・上級者になると「見え方が変わる」
・上達した自信から来るおだやかな楽観性が潤いとなって、人柄から香る
・入門書の選択基準は、書いた人の情熱が感じられるかどうか
・とにかく上達しようとしている対象に慣れ親しむ -
Posted by ブクログ
これ一冊で、茶道に関わる教養全般を俯瞰することができる。
「なんとなく」茶道を習っているけれど、お点前や道具の由来や意味がわからない人には、茶道に関する知識をざっくり理解することができるため、とても興味深く読めるはず。
また、知識や言葉として聞いたことがある程度の情報を、しっかりと体系立ててわかりやすく説明してくれるのも高評価。
とくに本阿弥光悦や小堀遠州についての記載などは、きちんと肉付けされた人物像として描かれているので入ってきやすい。
気になる点は、著者の言葉遣いや漢字の使い方。一般的な本とは少し違うこだわりが感じられることと(これは編集の問題か)千利休に対する書き方に少し違和感がある