岡本浩一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
会社で会議ばかりが続いていると、次々と挙がる議題に頭を切り替えるのが大変で、それらが全て終わった夕方18時ごろ、遂に頭は猛烈に熱を持ち、激しい頭痛で押し過ぎたこめかみ辺りは薄ら血で滲む。こんな毎日が続くと、当然纏めるべきチームの状況もよく見えなくなり、悩んでいる部下に気付けず、自身がやらなければならない承認作業も滞り、更には企画書なんか平日日中に考えるのはまず無理だ。最悪なのは、そうした状況でろくに確認もせず、何時もならミスしない担当者が偶々挙げた申請をスルーしたら、なんとその1通だけ間違えてるとか。こうなると不運というより唯の悪夢だ。一体いつまで続くのかわからない会議で、議題から逸れて雑談なんかされた日には、猛烈に怒りが沸き上がってくる。
そんな毎日を過ごしながら、会議削減的なプロジェクトを立ち上げたら、段々と気づいたことがある。会議が駄目なんじゃなくて、実の無い会議にするから駄目なんだと。早速実のある会議とは何だという定義から始め、それとのギャップを上げ始めたらキリがない。もっとも、そのギャップに至る原因を一つ一つを分析してみた所で、どうにも私の会社ではまともな会議は出来そうにない事に気づく。立ちはだかる大きな壁は、これはもう社風とか経営方針とか独りの力で如何ともし難い現実が立ちはだかる。私が役員でもない限り無理だ。せめて会議の手法や手続きを整備し、そんな無理難題を抱える会社の会議を少しでも効果的に運用しようと日々悩む。そして成果は未だ出ていない。
本書はそんな悩める現代ビジネスパーソンは一読すべき、海外の会議ルールや、それを日本人の気質に合わせて改良した独自のルールを教えてくれる。ただし、前提はあくまで会議参加者が本来的には参加に相応しいメンバーでかつ、立ち振る舞いの問題さえ解決すれば有効な会議になる前提かもしれない。実際の社会には、そもそも呼ばれたメンバーの人選からしておかしな会議、呼ばれても忙しすぎて内職の時間に使われる会議、調子の悪いteamsとネットワーク回線。下手な資料、電話してる担当者など、理想とは程遠い状況ばかりだ。
先ずは人選もそうだが、本気で同じレベルで会話できる知識や能力を持ったメンバーを同じ時間に集めて、当たり前のように集中出来る状況を作ることから一苦労だ。ビジネススピードは速いから、何ヶ月も先の会議議題に向けて十分準備時間を取るのは難しいし、能力のある人は1ヶ月の職務時間の大半を先に押さえられてしまって、私が招集する余地は最低でも2、3週間先の30分だけ。同じような忙しさの自分と最適な面子全員が超偶然にも空き時間が一致するなど奇跡に近い。
とは言え何とか集めたメンバーで、折角の30分、1時間を実のある時間にするにはどうしたら良いか。兎に角ファシリテートは重要だが、この期に及んで日和見主義や他人の機嫌伺いに終始する奴が紛れていようものなら、また怒りは頂点に達する。でもそこで怒りを表に出さず、心の内に留めながら、拳を握りしめてグッと堪える。この精神状態で神の如く適切な意見、判断、決断出来るなら、私はとっくに取締役にでもなっているだろう。現実は程遠く帰宅終電間際に見た自分の明日のスケジュールに、19時から21時の会議予定がしっかり見えた時の絶望感。あぁ、私は会議するために生まれてきたんだなと、もう諦める。
会議参加者の心理としてはわかりやすい。日常的に身近にいる人が観察されてるかのように例示され、正に前述のような状況で日々その対策を実践している人には、大きく頷ける部分も多い。中にはやってはいけない手法を大いに活用している人も沢山いるはずだ(私もズルい手は使う)。ただ全てが全て現実はそうではないよなぁと、一人で突っ込みを入れながら読む本になった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2024.2.19再読
約2年半ぶりに手に取り読破。
以前自身がマーカーを引いた箇所を見返すと、スキーマや高度化といった難しい言葉に多く線が引かれており、今との関心の違いに驚いた。
気持ちに余裕がある、「ながら」ができるなど、これまでの経験と照らし合わせて「たしかに」と思える上級者の特徴について書かれている。
ただ最も印象的だったのは、あとがきである。
学校教育の教育機能を①知識習得機能と②学習性習得機能の2つに分けた上で、「やっとできた」は「やればできる」を教えてくれる的な論が展開されている。
この本が20年以上前に書かれていることを踏まえると、先見の明のすごさに感動した。
2021.7.3 初読
いままでなんとなく上手いとかすごいとか思っていたことが、言葉で説明されており、すんなりと理解することができた。
・有意味処理→準言語処理(コード化)
・思考のスキーマ(認知の枠組み)
・上級者は、コードが豊富でスキーマも多様。
・上達した状態とは、豊富な知識が長期記憶に蓄えられており、検索でき、有効に用いられること。
・上達という現象=長期記憶を豊富に効率よく形成+検索+余裕がある。
・情感インデックス(感情を伴う索引)の方が検索しやすい。→気持ちを乗せることが大切。 -
Posted by ブクログ
この本のことを簡潔に説明すると、「組織内の人間関係によって事態が悪化していく事にどう対処していくか」についてまとめた本、ということになるのだろうか。
JCO事故というものがあった事は知っていたが、いかにして発生したかは知らなかったので、本書を読んでショックを受けた。どうして自分たちがしている事を客観的に見ることが出来なかったのだろうか。
という、疑問については一章以降で、その発生したメカニズム、発生しうる環境・主義、対処法について解説している。
四章の「「無責任の構造」克服の戦略」については「これが出来たら苦労しないよ」と言いたくなったが、一つの参考にはなると思う。
ちなみに、本書で使われている言葉は心理学や社会学を学んだ方によっては「今更?」と思えるものも多い。サッと目を通すだけでも良いのではないか。
自分用キーワード
一章
JCO臨界事故 リスク心理学 計画被爆(臨界事故などが起きた時に復旧・廃炉をするために被爆をすることをコストとして受け止めること) 国際原子力事象評価尺度(INES) 原子力損害賠償法 八条機関から三条機関へ(「機関」は「委員会」と表記されることも) 一バッチ(ウラン正味の量が2.4kgを超えなければ安全とされる) 臨海安全基準(質量制限・形状制限) クロスブレンディング ウェット法・ドライ法(ウラン燃料の製造法)
二章
同調(筆者は同調には「内なる同調性」「外なる同調性」の二種類があると述べている) アッシュ(有名な線分の長さを答えさせる実験の考案者) 服従 ミルグラムの実験(筆者曰く「実験者と参加者は一次的な関係であり、服従を拒否することが出来て、罰が無いにも関わらず服従が起きたことに恐怖を抱く」) 勢力基盤(心理学) 内面化 フェスティンガー「認知的不協和の原理」 選択的情報選択(認知的不協和を低減するために行う) 禁じられたおもちゃのパラダイム(組織内の問題を提起した人に対し、「一度静かにするように」軽い圧力を掛けることで「時間の経過(上は考えてくれているようだ)・間接的な方法(会社に貢献したという安堵)・控えめな報酬(長い目で見ると改善する)」という三要素が働き、内面化を起こして、無責任の構造の構築につながると述べている。逆に意固地になってしまい、改善が遅れることも) 社会的促進(例:満腹になったニワトリの隣でもう一羽にエサを与えると、再び食べ始める) 社会的手抜き コーガン・ウォラック型の課題(個人としての判断か集団判断かが分かる) リスキーシフト(集団での議論は複雑で高度な処理ができなくなり、冒険的な選択を選ぼうとする) フレーミングの効果
三章
権威主義(アドルノの研究が有名) ファシスト傾向 ドグマティズム(教条主義) 因習主義 反ユダヤ主義 エスノセントリズム(自民族中心主義) 因習的家庭観 形式主義 ロッドアンドフレームテスト(物事を認知するにあたって、他律的な文脈の影響を強く受けるかを調べる) 属事主義(筆者の造語。事柄の是非を基本としてものを考える) 属人主義