小泉喜美子のレビュー一覧

  • 時の娘

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    犯罪が絡むわけでもなく、日常の中に不可思議なことが起こったわけでもない。それでも時に人は無や常識から疑問を見いだし、謎を設定し、そして真実を見つけようとする。研究なんかもそうですが、こうやって謎や疑問を自ら定め、そして自分の興味を第一の理由にそれに挑むのが、ある意味最も純粋な謎解きではないか、と思います。

    そんな謎解きに挑むのが、足を骨折し病院で暇を持て余すグラント警部。警部はふとしたきっかけから、歴史上では悪人と名高いリチャード三世に対し疑問を抱き、様々な文献をあたり、彼が本当に大悪人だったのか推理を始めます。

    推理の過程が非常に面白い! 史実に対し頼りになるのは、文献や当時の記録のみな

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    2019年12月07日
  • 時の娘

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     歴史ミステリーは、読んだ覚えがない。安部公房の『榎本武揚』は、世に知られた榎本を裏切者として見たものだったから、あれは歴史ミステリーなのかもしれない。でも他には覚えがない。ぼくには。

     戦後の出版。生まれる前の本。ハヤカワ文庫の初版が出たのが、42年前か。ぼくはその頃はドストエフスキーか山岳書ばかり読んでいた頃。ミステリには何の関心も持っていなかった。ハードボイルドにも。冒険小説にも。

     本書は、犯人追跡中にマンホールに落ちて怪我をした警部が、入院中の退屈さを凌ぐために歴史資料をひっくり返して、子供二人を殺させた悪人として知られるリチャード三世の素顔を探る。肖像画を見ているとどうも殺人者

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    2019年08月31日
  • 時の娘

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    ネタバレ

    悪名高いリチャード3世が甥の兄弟を殺したのか?歴史ミステリーの名作。
    登場する歴史上の人物が多くて、しかも同じ名前もあって、何度系図のページを開いたことか。読みづらいところもあるが、イギリスの歴史ミステリーを読むのは初めてで、新鮮な面白さがあった。

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    2019年04月17日
  • 時の娘

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    歴史上の謎とされている事柄をミステリの体裁で取り上げる形式の古典
    1951年の作品であることと
    当時イギリス文化においてリチャード三世がどういう扱いをされていたかわからないので
    題材や登場人物の動きについてはなんともいえないが
    ミステリとして古典たりうるそつない話の運びはさすが

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    2018年11月12日
  • 女には向かない職業

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    探偵稼業は女には向かない。自殺した共同経営者の跡を継ぎ、一人で探偵事務所を続ける灰原哀ちゃん大活躍。もとい、コーネリアグレイの成長譚。

    健気とは言わない。探偵のノウハウを脳内再生し、心の声で「やれる。私ならやれる」
    ひたすら突き進む彼女を気付けば応援している。強がりでタフな精神。魅力でいっぱいだ。

    探偵として証明するため、そして師弟愛のため。未熟がゆえに解決へと繋がる。
    重圧から解き放たれた時、繕ってきた探偵の姿が崩れる。少女らしさに胸を打ちます。

    ひたむきで力強い可憐な女探偵。最高じゃないか。『皮膚の下の頭蓋骨』も読まねば。

    オススメマラソンその⑱
    桜さんから紹介してもらいました。

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    2018年10月30日
  • 皮膚の下の頭蓋骨

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    コーデリア・グレイ・シリーズ第2作。

    脅迫状におびえる有名女優の警護を依頼され、孤島を訪れた探偵のコーデリア。島には壮麗な城と劇場があり、そこで行われる古典劇のために演劇関係者や女優の親戚等が集っていた。やがて殺人事件が起きて……。

    これまで読んだP. D. ジェイムズの本の題名は暗い印象のものが多い。今回は『皮膚の下の頭蓋骨』ときた。猟奇的な内容だと嫌だなと思いながら手に取ったが、恐れていたほどではなかった(殺害手口はむごい)。読み手を身構えさせ、恐怖感を増幅させるねらいで付けられたのであれば成功している。いわくありげな登場人物や孤島の陰惨な過去と、ひたむきで可憐なコーデリアとの対比が鮮

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    2018年04月17日
  • 皮膚の下の頭蓋骨

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    女探偵コーデリア・グレイシリーズ2作目にして最後の作品。前作とはうってかわって、今度は孤島で起こる殺人事件の捜査にコーデリアが当たるという、古式ゆかしい黄金期のミステリのような本格ミステリ風作品になっている。

    コーデリアの事務所を訪れた元軍人。彼の妻は女優であり、彼女宛てに数日来から脅迫状が頻繁に届いているのだという。彼の依頼はその妻が今度古城を頂く孤島の持ち主より公演の依頼を受けた、ついてはコーデリアに滞在中の身辺保護を頼みたいというものだった。
    ヴィクトリア王朝様式の古城に招かれた人々は一見裕福そうに見えるが、それぞれに問題を抱えている、とミステリの王道を行くシチュエーション。

    後にジ

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    2016年12月04日
  • 皮膚の下の頭蓋骨

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    「高慢と偏見、そして殺人」がすごくおもしろかったので、続けて読んでみたのだけれども、ううーん、ええと、すみません、こんな超名作ミステリについてとても言いにくいんですが途中で退屈しましたすみません。
    長い……。
    最初の、コーデリアが島に行くまでのあれこれや、島に行くメンバーそれぞれの話、殺人事件が起きるまでのいろいろあたり、死についての言及なんかはおもしろかったんですが、警察のひとりずつの尋問あたりで……コーデリアはどっかいっちゃったのかとか思いましたすみません。
    最後の対決や、ほかに類を見ないようなラストにはスリルを感じたんだけれども。
    謎解きがなきゃもっとおもしろいかもとか思っていたバカなわ

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    2013年10月28日
  • 時の娘

    Posted by 読むコレ

    何十年かぶりに再読した。このての歴史推理ものは、一つ間違えると馬鹿ミスかトンデモ本みたくなってしまうことが往々にしてある。事件中の怪我によりあの名刑事が安楽椅子探偵を演じる処といい、推理する事件の容疑者はあのリチャードⅢ世である処といいマニアゴコロを揺さぶります。ただ、設定がヒッチコックの「裏窓」なところがご愛嬌かも。

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    2013年01月31日
  • 皮膚の下の頭蓋骨

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    4+
    物語はゆっくりとゆっくりと進んで行く。そして、じわじわと、染み入るように、心と頭に刻み込まれていく、欲望、打算、不安、焦燥、衝動、憎悪、計略、恐怖、悪意…。それらおよそネガティヴな思念とも言える困難に、敢然と立ち向かい、乗り越えんとする主人公の気高さよ。そのコントラストに、その完全な黒と白との対比に、そのいずれもが“皮膚の下の頭蓋骨”であることに、ちょっぴり感動している。前作を読んだときは大してどうとも思わなかったのだが、本作を読み終えた今、この主人公にちょっぴり感動している。いずれまた、2冊セットで再読したい。

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    2012年12月12日
  • 女には向かない職業

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    物語の始まりに、共同経営者が自ら命を絶ったことを発見する主人公。
    なんという辛い幕開けなのよ、もう・・・といきなり重たい気持ちで、どんよりと読み始めたこの作品。
    最初は、なんか抑揚がなくてわからんなあ、と思いながら読んでいましたが、いつしか、主人公のコーデリアがとても好きになってしまっていた。孤独に奮闘するこの人のことを応援したくなる気持ちで、どんどんページをめくっていきました。

    それにしても、コーデリア・グレイだなんて、名前がいい!
    反則、反則~!
    わたしもこんな名前になってみたい・・・

    コーデリアの探偵としての独り立ちは、そんな形で突然やってきたのですが、パートナーの死の悲しみにひたっ

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    2012年12月05日
  • 女には向かない職業

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      女探偵もの自体、なかなかお目にかからない。私が読んだ、数少ない海外ものの一つ。
      ストーリーの起伏は激しくない。ゆるやかに、だが飽きない調子を持っている。内容の割にページ数が多いな、などと手に取った時は思ったが、第一印象などあまりあてにならないな、と思うくらい面白かった。訳にも、ありがちな違和感を感じなかった(ように思う)。
      本格モノを志向している人には、やや冗長に感じるきらいはあるかもしれない。

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    2012年09月30日
  • 皮膚の下の頭蓋骨

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    『女には向かない職業』のコーデリア・グレイが孤島で起きた女優殺害事件に挑むミステリー。

    丁寧を通り越して執拗と言ってもいいかもしれない描写や、一段落が非常に長いなど、決して読みやすい文章とは言えないと思うのですが、それでもこの重厚かつ端正な文体が自分には大好物らしくあまり苦も無く読んでいけました。

    孤島での事件とはいえ警察は事件の早い段階で介入してくるので、思っていたようなクローズドサークルものではなかったのですが、人間関係をつぶさに描いた作品に仕上がっていると思います。伝説が語り継がれる孤島や、脅迫状、大理石の手などさまざまな要素がふんだんに盛り込まれているあたりもミステリー好きとしては

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    2012年05月18日
  • 皮膚の下の頭蓋骨

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    ネタバレ

    やっと読めた!!面白かった〜!頑張ったよ、コーデリア―――!!(いや、頑張ったのはコーデリアであって自分ではない)大好きになった『女には向かない職業』の探偵コーデリア・グレイの続編(といっても今のところこの2冊だけだけど)。ずっと読みたいと思いつつかなりの分厚さに若干躊躇ぎみだったけれど、読み始めたら一気読みでした。迷い猫の捜索ばかりしていたコーデリアの探偵事務所に、大物女優の身辺警護依頼が持ち込まれる。不快な脅迫状が届いているので、彼女が主役を務める劇が行われる孤島へアシスタントとして付いていくことに…。本当に不吉な脅迫状のような命の危険があるのか?物語の中盤まではそんな半信半疑のまま、孤島

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    2012年02月21日
  • 弁護側の証人

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    八島財閥の放蕩息子・杉彦に見初められ、玉の輿に乗った売れっ子ストリッパーミミイ・ローイこと漣子は、悪意と欲望が澱む上流階級の伏魔殿で孤軍奮闘していた。そんな折、八島家当主・龍之助が殺される。だが、まさか犯人が愛する夫の杉彦だったとは。死刑の判決を覆すべく、必死の調査を続ける漣子と仲間たち。新たな弁護側の証人は、果たして見つかるのか?驚異のトリックでミステリ史上に残る不朽の名作、ついに登場―――――古い作品ですが大胆なトリックが最後に物を言わします。というとちと大袈裟でしょうか。自分は本書にあまりノレなかったので破壊力半減でしたが。

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    2009年10月04日
  • 皮膚の下の頭蓋骨

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    外国人作家の小説で最初に読んだ作品。
    ページ数や字が多いのでそれなりのスタミナを要求されますが、それだけに読み応えもあります(^ ^
    ただ、トリックよりも"人間の心の内(深層心理?)"に重点を置いている所があるので気が付いたら話の流れに置いて行かれてしまったという事が無い様にご注意を・・・・・・(多分、アンタだけ

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    2009年10月04日
  • 時の娘

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    映画ロストキングを観た流れでこの本を手にしました。シェイクスピアのリチャード3世も併読。
    ストーリーとしては大きな盛り上がりはないが歴史好きには魅力あるお話です。日本でいうなら明智光秀や吉良上野介の汚名挽回的な感じ?
    日本の皇室もそうですがイギリスの王家も昔は権力闘争に明け暮れ身内同士の殺し合いなど日常茶飯事だったのでしょう。薔薇戦争や100年戦争など、イギリスやフランスの歴史をもっと勉強したくなりました。

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    2025年10月15日
  • 時の娘

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    同じ名前の登場人物が多すぎてなかなか読み進められなかったけれど、「むくむく仔羊ちゃん」が登場してくれて助かった。
    刑事さんが刑事目線で歴史の事件を読み解く。という点が面白かった。

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    2025年10月14日
  • 女には向かない職業

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    ハヤカワの『海外ミステリ・ハンドブック』より。お初の作者です。
    探偵事務所の共同経営者・バーニイが突然自殺したことにより、探偵業を引き継ぐことになった若きコーデリアの物語。普段なら、「可憐な女探偵のひたむきな活躍」にはあまり惹かれないのですが、表紙のイラストがすてきで手に取りました。

    ひとりで取り組む初めての事件として、”息子の死の真相を知りたい”という著名な科学者からの依頼を受けたコーデリア。
    なにより印象的だったのは、初仕事とは思えないコーデリアの実際的な様子、その冷静さでした。
    探偵としての作法はバーニイから教わったものの、ほぼ味方のいない中で調査を進める彼女。かなり危険な目にも遭うの

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    2025年06月06日
  • 時の娘

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    2018にも読んだが、映画ロスト・キングを見たので、またリチャード三世の話を読みたくなり再読した2025.5。
    リチャード三世の遺骨発見は本当にすごいニュースだよね〜。

    改めて、時の娘。面白い。
    そして、こういう物語(安楽椅子探偵の歴史ミステリ)が、高い評価を受けていることが嬉しいです。

    顔。このリチャードの顔から始まる。
    そう、たしかにインパクトがあるよね。
    悲しそう。でも貴族らしい誇りも見られる。
    ここに惹かれる、というか、忘れられない顔だよね。

    歴史にはこういう歪められた人物がたくさん居るんだろうなと思わされた。
    ヘンリー7世は出どころの怪しい海千山千の人らしいし。

    それにしても

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    2025年06月15日