小泉喜美子のレビュー一覧
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探偵稼業は女には向かない。自殺した共同経営者の跡を継ぎ、一人で探偵事務所を続ける灰原哀ちゃん大活躍。もとい、コーネリアグレイの成長譚。
健気とは言わない。探偵のノウハウを脳内再生し、心の声で「やれる。私ならやれる」
ひたすら突き進む彼女を気付けば応援している。強がりでタフな精神。魅力でいっぱいだ。
探偵として証明するため、そして師弟愛のため。未熟がゆえに解決へと繋がる。
重圧から解き放たれた時、繕ってきた探偵の姿が崩れる。少女らしさに胸を打ちます。
ひたむきで力強い可憐な女探偵。最高じゃないか。『皮膚の下の頭蓋骨』も読まねば。
オススメマラソンその⑱
桜さんから紹介してもらいました。 -
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コーデリア・グレイ・シリーズ第2作。
脅迫状におびえる有名女優の警護を依頼され、孤島を訪れた探偵のコーデリア。島には壮麗な城と劇場があり、そこで行われる古典劇のために演劇関係者や女優の親戚等が集っていた。やがて殺人事件が起きて……。
これまで読んだP. D. ジェイムズの本の題名は暗い印象のものが多い。今回は『皮膚の下の頭蓋骨』ときた。猟奇的な内容だと嫌だなと思いながら手に取ったが、恐れていたほどではなかった(殺害手口はむごい)。読み手を身構えさせ、恐怖感を増幅させるねらいで付けられたのであれば成功している。いわくありげな登場人物や孤島の陰惨な過去と、ひたむきで可憐なコーデリアとの対比が鮮 -
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女探偵コーデリア・グレイシリーズ2作目にして最後の作品。前作とはうってかわって、今度は孤島で起こる殺人事件の捜査にコーデリアが当たるという、古式ゆかしい黄金期のミステリのような本格ミステリ風作品になっている。
コーデリアの事務所を訪れた元軍人。彼の妻は女優であり、彼女宛てに数日来から脅迫状が頻繁に届いているのだという。彼の依頼はその妻が今度古城を頂く孤島の持ち主より公演の依頼を受けた、ついてはコーデリアに滞在中の身辺保護を頼みたいというものだった。
ヴィクトリア王朝様式の古城に招かれた人々は一見裕福そうに見えるが、それぞれに問題を抱えている、とミステリの王道を行くシチュエーション。
後にジ -
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「高慢と偏見、そして殺人」がすごくおもしろかったので、続けて読んでみたのだけれども、ううーん、ええと、すみません、こんな超名作ミステリについてとても言いにくいんですが途中で退屈しましたすみません。
長い……。
最初の、コーデリアが島に行くまでのあれこれや、島に行くメンバーそれぞれの話、殺人事件が起きるまでのいろいろあたり、死についての言及なんかはおもしろかったんですが、警察のひとりずつの尋問あたりで……コーデリアはどっかいっちゃったのかとか思いましたすみません。
最後の対決や、ほかに類を見ないようなラストにはスリルを感じたんだけれども。
謎解きがなきゃもっとおもしろいかもとか思っていたバカなわ -
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物語の始まりに、共同経営者が自ら命を絶ったことを発見する主人公。
なんという辛い幕開けなのよ、もう・・・といきなり重たい気持ちで、どんよりと読み始めたこの作品。
最初は、なんか抑揚がなくてわからんなあ、と思いながら読んでいましたが、いつしか、主人公のコーデリアがとても好きになってしまっていた。孤独に奮闘するこの人のことを応援したくなる気持ちで、どんどんページをめくっていきました。
それにしても、コーデリア・グレイだなんて、名前がいい!
反則、反則~!
わたしもこんな名前になってみたい・・・
コーデリアの探偵としての独り立ちは、そんな形で突然やってきたのですが、パートナーの死の悲しみにひたっ -
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『女には向かない職業』のコーデリア・グレイが孤島で起きた女優殺害事件に挑むミステリー。
丁寧を通り越して執拗と言ってもいいかもしれない描写や、一段落が非常に長いなど、決して読みやすい文章とは言えないと思うのですが、それでもこの重厚かつ端正な文体が自分には大好物らしくあまり苦も無く読んでいけました。
孤島での事件とはいえ警察は事件の早い段階で介入してくるので、思っていたようなクローズドサークルものではなかったのですが、人間関係をつぶさに描いた作品に仕上がっていると思います。伝説が語り継がれる孤島や、脅迫状、大理石の手などさまざまな要素がふんだんに盛り込まれているあたりもミステリー好きとしては -
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ネタバレやっと読めた!!面白かった〜!頑張ったよ、コーデリア―――!!(いや、頑張ったのはコーデリアであって自分ではない)大好きになった『女には向かない職業』の探偵コーデリア・グレイの続編(といっても今のところこの2冊だけだけど)。ずっと読みたいと思いつつかなりの分厚さに若干躊躇ぎみだったけれど、読み始めたら一気読みでした。迷い猫の捜索ばかりしていたコーデリアの探偵事務所に、大物女優の身辺警護依頼が持ち込まれる。不快な脅迫状が届いているので、彼女が主役を務める劇が行われる孤島へアシスタントとして付いていくことに…。本当に不吉な脅迫状のような命の危険があるのか?物語の中盤まではそんな半信半疑のまま、孤島
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ハヤカワの『海外ミステリ・ハンドブック』より。お初の作者です。
探偵事務所の共同経営者・バーニイが突然自殺したことにより、探偵業を引き継ぐことになった若きコーデリアの物語。普段なら、「可憐な女探偵のひたむきな活躍」にはあまり惹かれないのですが、表紙のイラストがすてきで手に取りました。
ひとりで取り組む初めての事件として、”息子の死の真相を知りたい”という著名な科学者からの依頼を受けたコーデリア。
なにより印象的だったのは、初仕事とは思えないコーデリアの実際的な様子、その冷静さでした。
探偵としての作法はバーニイから教わったものの、ほぼ味方のいない中で調査を進める彼女。かなり危険な目にも遭うの -
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2018にも読んだが、映画ロスト・キングを見たので、またリチャード三世の話を読みたくなり再読した2025.5。
リチャード三世の遺骨発見は本当にすごいニュースだよね〜。
改めて、時の娘。面白い。
そして、こういう物語(安楽椅子探偵の歴史ミステリ)が、高い評価を受けていることが嬉しいです。
顔。このリチャードの顔から始まる。
そう、たしかにインパクトがあるよね。
悲しそう。でも貴族らしい誇りも見られる。
ここに惹かれる、というか、忘れられない顔だよね。
歴史にはこういう歪められた人物がたくさん居るんだろうなと思わされた。
ヘンリー7世は出どころの怪しい海千山千の人らしいし。
それにしても