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私立探偵として自立する女性・コーデリア。自分と重ねて読んだ。
「女には向かない職業」も大好きだけどこっちも大好き。コーデリアの潔癖、清純、無垢なイメージは、決して弱々しいものではなくて、凛として背筋を伸ばしながら悪に立ち向かう美しさを感じる。
犬猫探しみたいな小さな仕事ばかりで、お金もそんなになくても、世間の評価に左右されず自分で下した決断を信じる美しさ。
とても良かった。
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P・D・ジェイムズに決定的にハマったきっかけがこれ。前作「女には向かない職業」もいい作品だけど、これはさらに読み応えがあって読後の満足感もアップ。それにしてもすごいラストだよなぁ……。
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コーデリア・グレイもの。全二作の二作目。『女には向かない職業』でひたむきな新米女探偵ぶりをドキドキしながら見守ったあとの二作目は孤島もの。
前作から今作までにコーデリアはパートタイムで人を雇ったり、迷い猫探しをしたり。経営は厳しく、それでも1人で探偵事務所をやりくりしている。
そんなところに持ち込まれた依頼が死を仄めかす脅迫状に怯える女優の身辺警護。コーデリアは古典劇が開かれる不気味な伝説のある孤島へ渡り、そこで女優は惨殺される…
80年代を舞台にしているとはとても思えないというか、舞台も事件もまさに黄金時代の趣。不気味な小道具、なにを考えてるかわからない使用人たち、聖書やシェイクスピアやらの古典戯曲からのたくさんの引用に、極め付けは孤島のお城で起きる殺人!
登場人物たち一人一人の背景をきっちり描写していてそれぞれの個性を完全に把握したところから事件が起こるので、翻訳物にありがちな「誰が誰やら?」みたいなことは起きない。このきっちりした描写がまだ『そして誰もいなくなった』を連想させて、現代の読者は時代がわからなくなる。。
島に渡るまで、渡ってからも人間関係の描写やちょっとした冒険を通した過去の出来事の共有などで事件発生までかなりページがあり、無駄ではないんだけど若干冗長さは感じてしまって、読むのに時間がかかった。ダルグリッシュはもう少し出てくるのかなと期待したけどその期待は空振りに終わり。
でも終盤解決に向けての盛り上がりと緊迫感はものすごく、読後の疲労感となんとも言えない脱力感は最高だった。巨大な悪へ立ち向かったコーデリア、結果はどうあれ読者はあなたを好きになるしかない。解決にある「無垢」な「修道女」的なコーデリア、『女には向かない職業』から時が経って擦れてしまったのではと思ったらとんでもない、頑ななピュアさを保ち続けている。コーデリアの物語をもっと読みたかったな。
そして古典戯曲や聖書にもっと詳しればなあと英米ミステリを読むたびに思うのだった。読むか…?
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真ん中くらいまでコーデリアちゃんも登場人物の1人くらいの扱いでどうなるのかハラハラしていたら、後半は活躍してくれてよかった。今作もおしゃれでアンティークな雰囲気がよかった。シェイクスピアを始めとした古典や聖書を理解しているとより楽しめるんだろうなぁ。登場人物1人1人のキャラがしっかりしていたので途中までコーデリアちゃんが全然出てこなくても面白かった。
結末は全然想像できない展開で衝撃。ストレスがやばかった。今回もなんやかんや最後にはダルグリッシュさんが出てきて助けてくれたりするのかな、と思っていたら全然だったというのも残念というか悔しい。まあそんなに上手い話もないんだろうけど。
ミステリーだけど人間模様とか心理描写の方に重きが置かれている印象。
コーデリアちゃんに幸あれ!
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イギリスの作家「P・D・ジェイムズ」の長篇ミステリ作品『皮膚の下の頭蓋骨(原題:The Skull Beneath the Skin)』を読みました。
「P・D・ジェイムズ」の作品は、今年1月に読んだ『女には向かない職業』以来なので約1年振りですね。
-----story-------------
二百年前の不気味な伝説が残る孤島コーシイ島。
そこの贅を凝らした壮麗な舞台で演じられる古典劇に招かれ、いま、数人の客が島を訪れていた。
主演女優「クラリッサ」の義理の息子、従姉妹、元愛人……女探偵「コーデリア・グレイ」もそのひとりだった。
頻々ととどく死を暗示する脅迫状におびえる「クラリッサ」の身辺警護のためである。
狷介な女優とそれぞれ思惑を胸に秘めた七人の男女??不吉な雰囲気の漂うなか、開演を目前に、自室で顔を叩き潰された「クラリッサ」の惨殺体が発見された!
ミステリの新女王が現代本格ミステリに新たな地平を拓いた大作。
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1982年(昭和57年)に発表された作品で、女私立探偵「コーデリア・グレイ」シリーズの第2作目にして最終作にあたる作品です、、、
前作の『女には向かない職業』は、1972年(昭和47年)に発表されているので、第1作と第2作の間には10年間のブランクがあるようですね。
■第一部 孤島への招待
■第二部 舞台稽古
■第三部 血はしぶきとなって舞い上がる
■第四部 プロフェッショナル
■第五部 月下の恐怖
■第六部 事件の終結
■解説 コーデリアの二つの貌 山口雅也
「アガサ・クリスティ」の名作『そして誰もいなくなった』を彷彿させる孤島モノ… 英国近海の架空の島・コーシイ島を舞台にした推理劇でした、、、
600ページを超える長篇で、最初の事件が発生するのが279ページ、次の事件は470ページですからね… 事件解決に至る終盤は一気読みでしたが、それまでが長い道のりでしたね。
「コーデリア・グレイ」に持ちこまれた依頼は、死を暗示する脅迫文に悩まされる女優「クラリッサ・ライル」を警護するというもの… 「コーデリア」は、「クラリッサ」と彼女の夫「ジョージ・ラルストン卿」、養子の「サイモン・レッシング」、付人の「ローズ・トルガース(トリイ)」、従姉妹の「ローマ・ライル」、元愛人で演劇評論家の「アイヴォ・ウィッティンガム」等、数名の客が滞在する孤島・コーシイ島へ赴く、、、
コーシイ島は不気味な伝説が残る孤島で、数々の歴史を秘めたヴィクトリア朝の美しい城館がたっており、そこには頭蓋骨を蒐集した教会の納骨堂等の珍奇なコレクションとともに、自己の美的世界にこもっている主「アンブローズ・ゴリンジ」が、執事の「ムンター」とその妻、そして雑用係の「オールドフィールド」とともに生活していた… コーシイ島に滞在してからも新たに脅迫文が届いたことから「コーデリア」は警戒するが、その努力にもかかわらず、「クラリッサ」は惨殺され、本土からやってきた警察が島内で犯人探しを始める。
そんな中、次の事件が… 泥酔して「ジョージ卿」を「人殺し!人殺し!人殺し!」と呼んだ「ムンター」が、翌朝、溺死体としてプールで発見されたのだ、、、
犯人は、この中にいる… 「コーデリア」は、「クラリッサ」が生前大切にしていた舞台の評論が掲載された新聞記事に秘密があると察し、その新聞記事を入手するため、本土のスパイマスへ向かう。
しかし、新聞社のバックナンバーは肝心な部分が切り取られており、万事休すかと思われたが… 偶然、個人で新聞記事を所蔵している人物の情報を得て、ようやく、その新聞記事を手に入れる、、、
そこに写っていたのは!? 「コーデリア」は、「クラリッサ」が記事を大切に保管していた理由… そして、それにより強請られていた人物がいたことに気付く。
「悪魔の湯沸かし」という気味の悪い名前のついた、海につながる城の地下の洞窟や、そこで行われた第二次世界大戦中の忌まわしいスパイの拷問・処刑事件… 印象深いエピソードを交えながら、物語は沸点に向かって加速する、、、
序盤はちょっともどかしい感じがありましたが、終盤の盛り上がりと、読み終えたあとのカタルシスが印象的な作品でした… 登場人物や、その相関関係、事件の背景を理解するために序盤の展開は必要なんでしょうが、もう少し軽くても良い感じがしますね。
以下、主な登場人物です。
「コーデリア・グレイ」
女私立探偵
「ベヴィス」
コーデリアの助手
「ミス・モーズリイ」
コーデリアの助手
「クラリッサ・ライル」
女優
「ジョージ・ラルストン卿」
クラリッサの夫
「サイモン・レッシング」
クラリッサの養子
「ローマ・ライル」
クラリッサの従姉妹
「ローズ・トルガース(トリイ)」
クラリッサの付人
「アイヴォ・ウィッティンガム」
演劇評論家
「アンブローズ・ゴリンジ」
コーシイ島の所有者
「ムンター」
アンブローズの執事
「オールドフィールド」
アンブローズの雑用係
「ロバート・バクリイ」
部長刑事
「グローガン」
主任警部
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コーデリア・グレイが登場するシリーズの第2作。しかし、シリーズといっても2作しかない。著者はすでに亡くなっており、今後このシリーズが追加されることはない。率直に言って、それはとても残念だと思った。
巻末の解説には、著者が来日した際の実際の言葉として、「その人の真の姿や人間性、人々が匿そうとしている本質をあばきたてる」ことに「興味がある」と述べている。これは著者の作品性を端的に物語るものだと、解説には述べられている。たしかにそのとおりであると感じた。著者本人が語っているように、本作は巧妙なトリックや、幾重にも伏線が張り巡らされ、それを解き明かす謎解きの醍醐味が味わえるというよりも、どちらかというと人間ドラマの方に重きが置かれている。謎解きのカタルシスよりも、島に集められた人々がそれぞれどういう背景を持って、被害者にどういう感情を抱いているのかをより丁寧に描いている印象だった。ほかのミステリーでは、犯人が分かり、どうしてその犯罪に手を染めたのか(どうして犯人が被害者に強く恨みを持ったのか)が、自白なりで明らかになる。もちろん、本作でもそれはそのとおりだし、解説にいうように、最終場面で明らかにされる「悪」の存在が強く印象付けられる作品ではあるが、犯行を実際に行った人物以外の登場人物たちも丹念に描かれていると感じた。(この点、1作目ではコーデリア・グレイ自身を掘り下げていた面が強かったように思った。1作目だからだろうけど…。)
また、被害者が死の直前にコーデリアと死の恐怖について語る場面が、特に印象的だった。被害者はどちらかというと自由奔放で理知的な振る舞いに欠けるように、他の登場人物たちが語っていたが、死の前のコーデリアとの会話は、被害者の繊細さを感じさせるものだったと思う。
これも解説にいうとおりだが、本作中にはいくつもシェイクスピアなどの文学作品(演劇作品)からの引用がある。あいにく詳しく分析する力量はないけれども、英国文学の詳しい知識があればきっと引用の部分ももっと深く味わえるのだと思う。それにしても、脅迫状に有用な、死をめぐる表現は、たくさんあるのだなと思った。作中に引用させるということは、あらためて調べたというよりも、著者がもともと愛好していた文学作品のなじみの表現を登場させたのではないかと、何となく想像する。それだけ著者が文学に愛着のあることが伝わってくるし、作品全体の格調高さにも貢献している。もちろん、引用が多くて、予備知識もなければ、著者においてけぼりにされているという感覚を持つ読者もいるのかもしれないが。
また感想が無駄に長くなってしまったが、このシリーズの最大の魅力はやはり私立探偵コーデリア自身にあると思う。コーデリアの、傷ついている人に対し、犯罪者かどうかも無関係に手を差し伸べようとする姿勢は、理想主義的かもしれないが、やはり魅力的に思う。また、前作でもそうだったかもしれないが、誰も他に目撃者がいなくて証明が難しいが、確かに彼女だけが真実を知っている、という状況になったとき、その真実を受け止めて対処しようとする態度を見せる。真実であっても、明らかにしない方がいい場合もある。前作では、自分の理解が正しければ、一部を隠し通した。今回は、結局彼女が知っている真実を主張するか、あきらめて沈黙するかの選択肢の前で、真実を語っていこうという強い意志を示して終わる、ということだと理解した。そのように、ふつう、ミステリでは犯人が分かって、それでおしまいとなるところ、このシリーズでは、そのあとも闘いがあるように感じる。それに立ち向かっていくコーデリアは、やはり魅力的に映る。
(あと、彼女はしばしばアクション映画さながらのフィジカルにハードな場面にも遭遇する…ちょっとかわいそうな気もするが。。)
個人的には、これほどのキャラクターを創造したのに、著者が2作でやめてしまったのはなぜなのかを知りたいと思う。
Posted by ブクログ
コーデリア・グレイ・シリーズ第2作。
脅迫状におびえる有名女優の警護を依頼され、孤島を訪れた探偵のコーデリア。島には壮麗な城と劇場があり、そこで行われる古典劇のために演劇関係者や女優の親戚等が集っていた。やがて殺人事件が起きて……。
これまで読んだP. D. ジェイムズの本の題名は暗い印象のものが多い。今回は『皮膚の下の頭蓋骨』ときた。猟奇的な内容だと嫌だなと思いながら手に取ったが、恐れていたほどではなかった(殺害手口はむごい)。読み手を身構えさせ、恐怖感を増幅させるねらいで付けられたのであれば成功している。いわくありげな登場人物や孤島の陰惨な過去と、ひたむきで可憐なコーデリアとの対比が鮮やかで、最後まで緊張感が持続。
Posted by ブクログ
女探偵コーデリア・グレイシリーズ2作目にして最後の作品。前作とはうってかわって、今度は孤島で起こる殺人事件の捜査にコーデリアが当たるという、古式ゆかしい黄金期のミステリのような本格ミステリ風作品になっている。
コーデリアの事務所を訪れた元軍人。彼の妻は女優であり、彼女宛てに数日来から脅迫状が頻繁に届いているのだという。彼の依頼はその妻が今度古城を頂く孤島の持ち主より公演の依頼を受けた、ついてはコーデリアに滞在中の身辺保護を頼みたいというものだった。
ヴィクトリア王朝様式の古城に招かれた人々は一見裕福そうに見えるが、それぞれに問題を抱えている、とミステリの王道を行くシチュエーション。
後にジェイムズ作品を読み進めていくうちに判ってきたのだが、この誰もが何か問題を抱えた人間が一堂に会しているというのはこの作家の作品の最たる特徴である。まだ本書では古城の内部を彩る豪華な調度品や島の風景の描写も精緻を極めており、これもジェイムズ作品の特徴の1つであることが後々解ってくる。つまり本書はジェイムズが本来の創作作法に則って書いた作品であり、『女には向かない職業』の方が、ジェイムズ作品としては異色だったということになる。
前作にも増して2倍以上はあろうかというボリュームと、見開きページぎっしり書かれた文章とで、1時間に40ページくらいしか進まなかった記憶がある。そんな小説は読み疲れして、早く終われ、早く終われと呪文のように頭の中で繰り返し、苦痛を感じながら読むのが私の常だった。本作でもそうだった。特に前半はほとんど登場人物らの相関や事情、古城ならびに島の描写に筆は費やされており、事件が起こるのは半ばぐらいだったように思う。その事件も密室殺人などといった本格ミステリならではといった派手さもなかった。しかし、コーデリアが犯人の動機を探り当てる段になって、この重厚さによって私の目の前にかかっていた靄が一気に雲散霧消した思いを抱いた覚えがある。今読んでみて、この動機がそれほどのカタルシスをもたらすかどうかは判らないが、当時は「おおっ!」と声を上げたものだ。ネタバレになるので詳細は書かないが、この動機を期待しすぎるとガッカリする方もおられるだろう。しかし私はこういうのが好きなのである。まさしくこれは好みの問題と云えるだろう。
そんなわけで私の評価は1作目よりこっちの方が上。従って1作目を気に入った方は同趣向の作風を求めると、肩透かしを食らって、さほど楽しめないかもしれない。
しかしなぜ早川書房はこのシリーズを先に文庫化したのだろう。それがために私はダルグリッシュ警部シリーズを読むことなく、このシリーズを読むことになってしまった。元々早川書房は原書の刊行順に関係なく、売れ筋の本から訳出、刊行する傾向があったので、恐らくジェイムズ作品も比較的とっつきやすいコーデリア・グレイシリーズを文庫化したに違いない。ま、そんなことをぐだぐだ考えても意味のないことなんだが・・・。
Posted by ブクログ
「高慢と偏見、そして殺人」がすごくおもしろかったので、続けて読んでみたのだけれども、ううーん、ええと、すみません、こんな超名作ミステリについてとても言いにくいんですが途中で退屈しましたすみません。
長い……。
最初の、コーデリアが島に行くまでのあれこれや、島に行くメンバーそれぞれの話、殺人事件が起きるまでのいろいろあたり、死についての言及なんかはおもしろかったんですが、警察のひとりずつの尋問あたりで……コーデリアはどっかいっちゃったのかとか思いましたすみません。
最後の対決や、ほかに類を見ないようなラストにはスリルを感じたんだけれども。
謎解きがなきゃもっとおもしろいかもとか思っていたバカなわたし。ミステリは読まないほうがいいのかも。
ほんとすみません。
Posted by ブクログ
4+
物語はゆっくりとゆっくりと進んで行く。そして、じわじわと、染み入るように、心と頭に刻み込まれていく、欲望、打算、不安、焦燥、衝動、憎悪、計略、恐怖、悪意…。それらおよそネガティヴな思念とも言える困難に、敢然と立ち向かい、乗り越えんとする主人公の気高さよ。そのコントラストに、その完全な黒と白との対比に、そのいずれもが“皮膚の下の頭蓋骨”であることに、ちょっぴり感動している。前作を読んだときは大してどうとも思わなかったのだが、本作を読み終えた今、この主人公にちょっぴり感動している。いずれまた、2冊セットで再読したい。
Posted by ブクログ
『女には向かない職業』のコーデリア・グレイが孤島で起きた女優殺害事件に挑むミステリー。
丁寧を通り越して執拗と言ってもいいかもしれない描写や、一段落が非常に長いなど、決して読みやすい文章とは言えないと思うのですが、それでもこの重厚かつ端正な文体が自分には大好物らしくあまり苦も無く読んでいけました。
孤島での事件とはいえ警察は事件の早い段階で介入してくるので、思っていたようなクローズドサークルものではなかったのですが、人間関係をつぶさに描いた作品に仕上がっていると思います。伝説が語り継がれる孤島や、脅迫状、大理石の手などさまざまな要素がふんだんに盛り込まれているあたりもミステリー好きとしてはうれしいところ。
そしてラストの犯人とコーデリアの対決は迫力十分!
結末も当時のミステリーから考えるとちょっと変わった趣向になっているようです。(解説の受け売りなのですが、そこを読んできちんと納得できました)
そう考えると確かにミステリー作品の悪との対決という概念に新しい一石を投じた作品かもしれません。
コーデリアシリーズはこれ以降、続編が出ていないらしくとても残念です。
Posted by ブクログ
やっと読めた!!面白かった〜!頑張ったよ、コーデリア―――!!(いや、頑張ったのはコーデリアであって自分ではない)大好きになった『女には向かない職業』の探偵コーデリア・グレイの続編(といっても今のところこの2冊だけだけど)。ずっと読みたいと思いつつかなりの分厚さに若干躊躇ぎみだったけれど、読み始めたら一気読みでした。迷い猫の捜索ばかりしていたコーデリアの探偵事務所に、大物女優の身辺警護依頼が持ち込まれる。不快な脅迫状が届いているので、彼女が主役を務める劇が行われる孤島へアシスタントとして付いていくことに…。本当に不吉な脅迫状のような命の危険があるのか?物語の中盤まではそんな半信半疑のまま、孤島の宿泊客の奇妙なキャラに翻弄され、進んでいく。そして起こる殺人事件。探偵とはいってもコーデリアの場合、場を仕切るタイプではなく、ひとりの重要参考人として警察に協力(?)し、不安感もそれなりにもっている。それでも地道に疑問をひとつひとつ解き明かしていき、『女には〜』以上の危険な目に遭うハードな場面もあり(ハラハラ)、真犯人との対峙に戸惑う。この後半の読み応えはたまらない。結果的にタフに見えるけど、こうした彼女の無垢さ、素直さが、いわゆる探偵小説ではない魅力を成している。時間を置いて何度でも読みなおしたい。THE SKULL BENEATH THE SKIN/P.D.James/1982
Posted by ブクログ
外国人作家の小説で最初に読んだ作品。
ページ数や字が多いのでそれなりのスタミナを要求されますが、それだけに読み応えもあります(^ ^
ただ、トリックよりも"人間の心の内(深層心理?)"に重点を置いている所があるので気が付いたら話の流れに置いて行かれてしまったという事が無い様にご注意を・・・・・・(多分、アンタだけ