佐藤高子のレビュー一覧

  • オズの魔法使い

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    今までちゃんと読んだことなかったけど、あるお芝居に出てきて、そのお芝居を見た帰り道の古本屋さんでこの本に出会って、もちろん購入。オズの物語はこの後にも続くみたいだから、読み続けたいな。

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    2023年08月09日
  • 所有せざる人々

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    なんだろうこれは。すごいものを読んでしまったのに、この本の世界は、私たちのいる現実であってまったくの異世界でもある。
    この本の「人間」というものが、わたしたちと同じ形をしているかもわからないのに、悩んだりそして(まやかしであっても)解決策を見つけようとしたり、他を上と見たり下と見たり、またはそういう上下関係が全ていやになったりすることは普遍的な問題であって、それが描かれているために、異世界の話なのに妙に身近な問題の手ざわりがする。

    集会シーンは、ハクスリーのすばらしい新世界のオマージュかなと思った。

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    2022年09月23日
  • 所有せざる人々

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    最初はなかなか慣れず、アナレスとウラスのセクションの時間軸が今ひとつわからなかった。最後まで到達してようやく理解でき、読み終わった直後にもう一度読み直した。

    『闇の左手』にも記載したが、そもそもル=グィンのハイニッシュシリーズはSFというジャンルなのだろうか。
    確かに異星の物語で近未来という意味ではSFだが、文化や人に焦点が当てられていることを考えると、異星というのはただの舞台に過ぎないように感じる。

    ル・グィンの素晴らしい点は、やはりその精密な世界構築だ。描く世界の文化や気質、時には歴史など、説得力のある世界を描く。今回は一般に資本主義の象徴のように語られるウラスと、共産主義のアナレスと

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    2022年05月09日
  • 所有せざる人々

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     人間にとっての理想郷はどこにあるのか? この小説の主人公であるシュヴェックとともに、読者である自分もそんなことを考えていました。

     経済の繁栄した自由主義・資本主義的な惑星のウラス、自由や平等をモットーに荒廃した惑星を切り開いてきた、共産主義的な惑星のアナレス。

     歴史、政治、文化、言語……、回想と現在を行ったり来たりし、二つの惑星の違いを丹念に浮かび上がらせていく、その詳細さは、本当に二つの世界があるように思わされます。

     シュヴェックは共産主義的な惑星のアナレス出身。そんな彼は、経済や文明が繁栄しているウラスの光、そして闇も先入観なく見つめます。時間や仕事に囚われ、芸術にすら価値を

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    2019年09月22日
  • 所有せざる人々

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    ネタバレ

    ウラスと植民星アナレス、それぞれがそれぞれを月とする双子星を舞台にした、ル=グィンのSF小説。アナレスに住む孤高の物理学者が、自らの理論を分かち合ってくれる者たちを求め、かつて先祖たちが暮らしていた星・ウラスへと、植民以来はじめての訪問者として向かう。
    資本主義と共産主義、政府と無政府、権力と学問、緑と荒野、男性と女性…様々な二項対立が現れ、語られるが、それらのすべてが多面的に描かれていて説得力がある。
    主人公・シェベックは常に孤独を抱えて生きているけれど、その孤独の底に誠実さを以って行動する姿が美しい。

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    2019年02月28日
  • 所有せざる人々

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    アナレス:荒れ果てた惑星、原始的な共産主義。
    ウラス:豊かな惑星、資本主義。

     単純な物質だけでなく、人間関係の「所有」も排した共産主義の惑星、アナレス。そこの天才物理学者、シェベックが主人公。
     あからさまな権力機構がなくとも、慣習に縛られ、息苦しくなった彼は、自らの研究成果をより必要としているであろうウラスに亡命するが、そこで彼はゼイタクを満喫する研究者やハイソサイエティに接する。しかし、そこでも彼はやはり孤独なのであった。

     「共産主義」を題材にした小説というと、「1984」や「われら」のような冷徹な独裁者が君臨するディストピアものしかなかったので、今回の「飢饉や、戦争はあるがそこそ

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    2018年12月22日
  • 魔法がいっぱい!

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    オズの魔法使いのボームによる連作ファンタジー。ボーム自身の記念すべき処女作でもあります。
    舞台となるモーの国は太陽は沈まずお菓子でできており、そこに住む人々は年も取らなければ死にもしない。必要なものはなんでも木に生っている。そんな夢の世界のような理想郷なのですが、そこではアレコレと騒動も起こるのです。
    王様の首がムラサキドラゴンに飲み込まれたり、モーの国に鋳鉄の大男が攻めてきたり、癇癪持ちの姫の癇癪を治すために魔女の元に旅立つ若者がいれば、足の親指を盗まれた姫は取り返そうとする。アベコベの国や巨人の国サル人間の国に迷い込んでの騒動などなど。
    でもどんな騒動に巻き込まれても、大変な目に遭っても、

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    2018年01月21日
  • 内海の漁師

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    ル・グィンの短編集 彼女の考えが書かれた入門書
    表紙   6点安田 隆治
    展開   7点1994年著作
    文章   7点
    内容 650点
    合計 670点

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    2017年03月15日
  • 所有せざる人々

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    誰もが何も所有しない社会を築く星アナレスと、地球に良く似た物質社会の星ウラス。アナレスに生まれたシェヴェックという物理学者が成長していく過程と、ウラスに何らかの理由で辿りついてからの様子が交互に語られる。派手さはないけれど、じわじわとした面白さがあった。アナレスの成り立ちが非常に興味深かった。
    『闇の左手』を読んだ時にも思った、異文化コミュニケーションのあり方について考えさせられた。
    所有することは何かに固執すること。何も所有しないことは自由なのか。何にも執着せずに生きることは出来るのか…等々色々なことを考えさせられた。

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    2014年12月29日
  • 所有せざる人々

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    ネタバレ

    SFを舞台にした政治と権力の物語。科学者である主人公が魅力的。哲学的なやりとりが多く示唆に富んでいて非常に面白かった。

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    2014年05月12日
  • オズの魔法使い

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    きらきらした魔法、わくわくする冒険、登場人物たちがみんな心優しくて、すこし切なくて。読後感さわやか。

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    2013年10月21日
  • 所有せざる人々

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    40年近く前に描かれたユートピア。SF界の女王、ル・グィンの古びない傑作。


    物語は、主人公シェヴェックが自らの画期的な物理理論を発展、完成させるために、故郷の星アナレスを離れ、惑星ウラスに向かうところから始まる。

    物語の舞台は、アナレスとウラスという二重惑星。アナレスは、乾燥し、あまり人が住むには適さない環境の星。ウラスは緑と水が豊富な地球に似た星。

    荒涼としたアナレスには、元々は人が住んでいなかった。アナレスに住む人々は、オドー主義者と呼ばれる政治的亡命者、革命主義者たちの子孫だ。

    およそ2世紀前。ウラスの資本主義、自由主義経済国ア=イオから、オドー主義者たちが、自らが理想とする共

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    2012年11月26日
  • オズの魔法使い

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    確信は持てないのだけれど、おぼろげな記憶によると、これがたぶん俺の原点のはず。

    とうとう読み出したのだが、記憶がよみがえってくる。
    ケシ畑で寝てしまった臆病なライオンが助けられる所まで読んだけど、なかなかに面白い!

    ラストが若干物足りないか。

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    2012年10月23日
  • オズの魔法使い

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    エメラルドの都、西の魔女、ブリキの木こり、かかしの脳みそ、弱虫のライオン、銀の靴のかかとを三回鳴らすと願いがかなう。出版から100年以上たった現在もなおたくさんの他作品に影響を与え続ける、アメリカ児童文学の金字塔。
    ドロシーの靴は本の中では銀色だった気がするけど…、と思い調べたらミュージカルなどでは舞台映えを考慮して赤であることが多いらしいです。

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    2012年06月21日
  • オズの虹の国

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     オズの魔法使いシリーズ2作目。子供に読み聞かせをしながら私としては実は終盤まで内心でだいぶ不満があったのですが、終盤の展開に見事にやられたので、続けて第3作も今注文したところです。
     訳者が違うということも理由のひとつではあるのでしょうが、物語の出だしからこれは前作とは違う作者が書いているのではないかと疑ったぐらい、なにかが違うと感じました。前作はどこか抽象的で各キャラクターも設定も何かのシンボルのような印象があったのに対して、私が本作の出だしで主人公の少年に感じたのはもっと生き生きした具体性でした。それでこれは筆者の話術に磨きがかかったということかもしれないと期待したのですが、中盤にさしか

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    2012年06月17日
  • 所有せざる人々

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    リバタリアンとコミュニタリアンについて、
    マイケル・サンデルの授業のような思考を試される。
    ユートピアとディストピアの境界、狭間で二律背反に陥る。
    深いところにズシンとくる。

    1974 年 ネビュラ賞長篇小説部門受賞作品。
    1975 年 ヒューゴー賞長編小説部門受賞作品。
    1975 年 ローカス賞長篇部門受賞作品。

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    2012年02月25日
  • オズの魔法使い

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    こどもの時に読んだ際はただ楽しい本でしたが、
    大人になって読んでみると、それぞれの登場人物がお互いに関わりあいながら成長していく姿に気付かされるところがたくさんある物語です。

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    2011年09月25日
  • 所有せざる人々

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     惑星ウラスの空に浮かぶ大きな月・アナレス。それはウラスよりは小さく貧しいけれど、大気をもったひとつの惑星。
     かつてウラスでは、オドーというひとりの人物が提唱した主義にしたがい、やがてオドー主義者たちがあつまり、革命を起こした。ものを所有することをやめ、権力というものを廃し、貨幣による経済を捨てて、すべてのものを分け合う、完全なる共産主義の理想郷。彼らを危険視した当時の政府は、彼らに新たな大地――空に浮かぶ月・アナレスを与え、彼らをそこに隔離することで、ウラスの平和を保とうとした。
     以来、交易船に載せられた積荷と、わずかばかりの乗員が、宙港同士を行き来する以外、完全にアナレスは閉ざされてき

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    2010年10月05日
  • オズのエメラルドの都

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    『オズの魔法使い』の続編、オズ・シリーズの第6作目。
    (早川書房ではシリーズ第4弾として出版されています)

    オズマ姫の計らいで、カンザスに住んでいたドロシー一家はオズの国へと移住することに。のんびり家族で観光を楽しんでいた一方、ノーム王は魔法のベルトを取られた復讐に、オズの国を征服する計画を企てていた。地下にトンネルを掘り、オズの住人に気付かれる事なくエメラルドの都へ攻め込もうというのだ。
    オズマ姫はノーム王の恐ろしい計画に気付いたものの、良い案が浮かばない。一体どうやってオズを守るのか…?

    元々作者のボームは、この巻でオズ・シリーズをお終いにするつもりだったので、シリーズ最後に相

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    2011年01月27日
  • オズのオズマ姫

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    『オズの魔法使い』の続編、オズ・シリーズの第3作目。

    乗っていた船が嵐に遭遇してしまい、ドロシーはニワトリのビリーナと共にオズの国の近くにあるエヴの国へと流れ着く。彼女はそこでオズマ姫達と出会い、エヴ王家の人々が地底に住むノーム王に捕らえられていることを知った。
    ドロシーはオズマ姫と協力して救出へと向かうが…。

    この巻からドロシーが再登場です。
    チクタクやラングイディア姫、そしてノーム王…個性豊かなキャラクターがたくさん登場しています。特にノーム王との対決は見物で、ノーム王の策略にかかって皆が1人ずつ消えてしまうところではハラハラしました。
    にしても、オズマ姫の性格の変わりように

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    2011年01月27日