益川敏英のレビュー一覧
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GW課題図書その3。
科学の戦争への寄与に関する話。
言っていることには概ね同意で、戦争は悲惨なものであり、科学は戦争に転用されるのは良くないことであり。
更に言えば、科学者はそのリスクについてある程度敏感でないといけないのかもしれないけど。
引き続き考えていかなければいけないテーマではある。
敢えて難癖をつけるとすれば、
だからといって、「研究テーマが軍事転用されたことに対し科学者に責任の一部を追及する」のは100%間違っていて、それは、戦争を始めた政治と行政(軍政)と、そして実際にそれを使った軍隊(軍令)に100%の責任を押し付けるべきことかなー。そういうことに責任を取らせるためにそ -
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「自分の研究が社会でどんな役割を持つのか、悪用されるとすればどんな可能性が考えられるか、科学者ならばまずそのことを深く考えなければならない。」
この一文に益川氏の考えが凝縮されているように思う。
そして私たちはこの言葉を「科学者」というどこか特権的な人々へのメッセージだと受け止めてはならないのだろう。
例えば上に引用した一文は次のように言い換えることが充分に可能ではないだろうか。
「自分の『言動』が社会でどんな役割を持つのか、悪用されるとすればどんな可能性が考えられるか、『市民』ならばまずそのことを深く考えなければならない。」
おもしろい本というのは、必ずそれを「自分のこと」として読む -
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ノーベル賞の益川先生とiPS細胞で有名な山中先生の対談をまとめた一冊。
iPS細胞についての簡単な説明やクォークや反物質の話などの基本的な話から入るので読みやすいし興味を持って読み始めることができた。そこからは二人の仕事への取り組み方と考え方について。
益川先生は変わり者の印象を受けたけど極めて論理的。その中でビジョン、要するに目標感やゴールの設定をする事の大切さはなるほどと納得。そこがブレるとどこに進めばいいかわからないし何やってるかわからないし今の位置が正しいかもわからないし。間違っていたら目標変えればいいだけなのにそれもできなくなる、と。なるほどねぇ。
山中先生もVWと。visio -
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著者の益川敏英は2008年にノーベル物理学賞に輝いた理論物理学者だ。益川は米軍機による大空襲の中を逃げまどった体験があり、ノーベル賞記念講演でも自らの戦争体験に触れるなど積極的な反戦平和活動を行ってきた。現在の安倍政権が日本を「戦争のできる国」に導こうとしていることに強い危機感を抱いた著者が、科学者が大量に動員された戦争の歴史を振り返り、平和に使われるべき科学が軍事利用されないための方策を提言しているのが本書だ。
ドイツ軍のために毒ガスの開発に没頭したフリッツ・ハーバーの行いや日本に投下された原子爆弾を開発したアメリカのマンハッタン計画は、科学者がどのように国家権力に取り込まれて戦争に加担して -
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ネタバレ「自分力」とは自分の興味や志をとことん突き詰めて結果につなげる力のこと。
ノーベル賞受賞者が執筆しただけあって、普通のビジネス書とは一味違うものだった。
ビジネス書のよくあるパターンは「◯◯をうまくやるにはこれが効率いいですよ」だとか「できる人は◯◯はしない」などある種、意図的に読者を誘導するものが多い。
しかし、この本は益川さんの今まで辿ってきた道の中で素直に良かったと思える原理原則を記してある。
・好奇心のアンテナを張り巡らせ志を高く持つ
・ひたすら無駄もする
・目標のスタート地点がどこか見極める
・抽象化してシンプルに考える
・頭の中のイメージを言語化する
・肯定のための否定をする
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2006年のノーベル物理学賞受賞者である益川敏英・名古屋大学名誉教授がしたためた、警世の書である。
科学技術は人類の生活を大幅に向上させたが、それは同時に兵器の発達を促したことは、皆様もご存じだと思う。「世紀の発見・発明」といわれるものが、時代が下るにつれて平気に使われるようになった事例は、枚挙にいとまがない。戦前のノーベル賞受賞者で、科学の進歩が兵器に転用されることを危惧する科学者は多かった。化学薬品然り、レーダー然り。これらはもともと民生用に開発されたものだが、いつの間にか兵器にも使われるようになった。
著者が本書で繰り返し書いてることは、科学者は自分の研究が、社会に与える影響を考えなくて -
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ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英教授の著書。
益川さんと言えば、ノーベル賞受賞時のユニークなキャラクターの印象しかなかったが、このような本も書かれていたことを初めて知った。
本書のテーマは「科学と社会の関係」だ。現代科学の世界は商業化が進んでいて、純粋な学問ではなくなってきていること、自分の専門研究にばかり熱中して、社会問題に無関心な科学者が増えてきていること、そして科学が戦争の技術として利用されるようになってきていること、などに警鐘を鳴らしている。
本書を読んで思い出したのは、グーグルやアップルのような企業が開発して話題となっている人工知能だ。ホーキング博士のような人が人工知能の危険性 -
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ネタバレ自分の興味のあること、向いていることを極めるという表題に惹かれて買った。
タイトルだけ見ると何やら浅ましい感じがするけど、内容は学ぶことが大変多い素晴らしい本でした。
著者は理論物理学者の益川俊英で、六次元クォーツモデルを提唱した人だそうです。研究内容はサッパリ分かりませんが、一流の科学者としての考え方はすごいです。
適性について
・子供の頃の夢や憧れを思い出す
・これをやってるときは楽しかったや時間を忘れたこと
・まだ見つかっていないなら自分がやってないことをやる
・単純におもしろいという感覚
・好きなことを得意なことだと思い込む
・読書は興味関心の幅を広げてくれる
習慣について
・自 -
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科学者にとって、「神」の英語訳は「ゴッド」じゃなくて、「ネイチャー」なんですね。
今私たちはことあるごとに「独創的な研究をしろ」ということを言われます。(中略)でもはっきり言ってですね、私はそんな独創的なことなんか、ぜんぜん思いつかないんです。(中略)
実際に実験をやってみて思うのは、自然の方がはるかに独創的だということです。人間がまったく思いもかけなかった「ヘンな顔」を自然は見せてくれる。
そのヘンなことをきちんと受け止め、興味を持ち、追い求めていけば、独創的な自然に助けられて、ひとりでに独創的な次のステップへ行けるような気がしています。
(p190) -
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今、政府による強引な法改正が迫り、科学者の代表機関である日本学術会議が骨抜きにされかねない危機にあるという。門外漢ながら非常に気になっており、参考のために本書を読んでみた。
最初の2章が、タイトルにある「科学者は戦争で何をしたか」のまとめ。あとの4章は益川先生の思いと未来への提言のような内容。10年前の本なので、当時の安倍政権の暴走ぶりに対する懸念が前面に出ている。そんな中でも、世界はきっと良い方向に進むはずだと考える益川先生の、人間を信じる明るいご気性が感じられる。200年後には世界から戦争はなくなっているだろうと予想されている。10年後の今の世界の状況をご覧になったら先生はどう思われただろ -
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ネタバレノーベル賞を受賞した益川敏英さんの15歳の寺子屋。フラフラしてもいい、興味を持ったことにあちこち足を踏み入れればいいんだよ、という考えから来ている題名。益川さんの場合、物理、数学、科学などの間をフラフラしていたわけだから、決して一般人が想像するフラフラではない。
フラフラの仕方がとてもかっこいい。
益川さんの教えは主に3つ。
人生の基礎力を鍛えよう。
世の中の動きに関心を持とう。
平和の大切さ。
これだけの天才の方が、すべての教科の基礎力をしっかり学ぶことが大切と言われてい。その理由も、子供たちにもわかりやすく書かれてあった。
以下、備忘録。抜粋。
◯夢中になる対象は、その時その時で変