あらすじ
益川教授は、にこやかに語りかけます。「新しい時代を生きるみなさんには、世の中の変化を読み取る力というものが必要です。ぼくはこの本で、将来みなさんが熱中できる対象を発見するための、ヒントのようなものを伝えていきたいと思います。さまざまなことに好奇心を燃やして、いったい自分が本当に好きなものは何なのか、それをフラフラしながら探すことの楽しさ、大切さについて、いっしょに考えていきましょう」
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Posted by ブクログ
ノーベル賞を受賞した益川敏英さんの15歳の寺子屋。フラフラしてもいい、興味を持ったことにあちこち足を踏み入れればいいんだよ、という考えから来ている題名。益川さんの場合、物理、数学、科学などの間をフラフラしていたわけだから、決して一般人が想像するフラフラではない。
フラフラの仕方がとてもかっこいい。
益川さんの教えは主に3つ。
人生の基礎力を鍛えよう。
世の中の動きに関心を持とう。
平和の大切さ。
これだけの天才の方が、すべての教科の基礎力をしっかり学ぶことが大切と言われてい。その理由も、子供たちにもわかりやすく書かれてあった。
以下、備忘録。抜粋。
◯夢中になる対象は、その時その時で変わっていいから、何にでも首を突っ込んでフラフラしてください。
◯高校時代までの先生というのは、知識を教えるから教師としての価値があるのです。でも、大学の先生にとっては、知識の有無はさほど重要ではなくて、研究とは何か、その方向性を示すことが重要だったのです。「わからないことがあったら、自分で調べ、自分の頭で考えるんだ」と、目から鱗が落ちました。56
◯激変の時代を生きていくには、今後、20年先、30年先を見通せるだけの視野の広さと、多様に変化していく社会に対応できる基礎的な知識を身に付けることだと僕は考えます。理科系の人も、文化系の人も、どんな科目もしっかりと基礎を学ぶよう心がけてください。日本語の勉強にあたる英語の「study」の語源には「知る楽しみ」という意味があるそうです。僕はこの「study」にこそ本来が学ぶことの意味が込められていると思います。自分の知らないこと、知りたいことが理解できるようになるというのはとても楽しいことだからです。ですから、僕は皆さんには、学校の教室を勉強する場ではなく、新しい知識を「study」しながら吸収していく場として考えてほしいと思います。68
基礎知識の大切さ
発明クラブの少年たちの発明を見せてもらった後、こんな話をした。「君たちの発明はなかなか面白かったけど、あれは科学遊びであって、その延長線上に科学があると勘違いしてもらっては困るんだな。現代の科学は想像を絶するほど進歩しますから、きちんと基礎から勉強してほしいな」70
今皆さんが学校で学んでいる事は、社会に出ていくための下準備なのですが、その下準備の中にぜひ「世の中の動きに関心を持つということも加えて欲しい。89
日本が進んでいく方向に賛成するのも反対するのも、それは皆さんの自由です。ただ、自分の意見をはっきり言えるだけの力を養っておいて欲しい。自分の意見をはっきりと言えるように、世の中の動きを理解するための基礎力も、今のうちから是非身に付けておいて欲しいのです。89
あまり早い時期に人生の目標を設定する必要はありません。フラフラと迷いましょう。大切なのは、自分から第一歩を踏み出すことだと思います。そしてその瞬間に1番重要だと思えることに、全力でぶつかってみることです。
Posted by ブクログ
興味を持つことが、とってもだいじだなーと思いました。興味を持つことでいろいろなことに気づくことができる。
特に印象に残ったことは、科学をやることは、いろいろな責任があったりするから、何をするにもいろいろなことを考えないといけないと思った。
「世界の中に関心を持つことがだいじ」の言葉が印象に残った。
Posted by ブクログ
益川節の原点がここに・・・?
一見、「銀の匙」からは程遠いお育ちのようにも見えますが、
お父さまの科学談義、小さい頃からの読書好き、小学校での素晴らしい先生との出会い等々、
ノーベル賞受賞に多かれ少なかれ貢献したであろうと思われる
数々の素晴らしい思い出が、この本に紹介されています。
益川先生からのメッセージは、この本の最後にある言葉に集約されているように思います。
「日本がすすんでいく方向に賛成するのも反対するのも、それはみなさんの自由です。
ただ、自分の意見をはっきり言えるだけの力は養っておいて欲しい。
ぼくはみなさんに、何も考えず、意見も持たず、行動もせず、ただ何となく生きていくという人間にはなってほしくありません。
自分の意見をはっきりと言えるように、世の中の動きを理解するための基礎力も、今のうちからぜひ身につけておいてほしいのです。」
Posted by ブクログ
93ページのあっというまに読める本。益川先生の中学生へのメッセージは、あまり早くから目標を決めてしまわず、フラフラと、その時々で一番興味のあることに全力でやっていけ、といったところだろうか。スティーブ・ジョブズが伝説のスピーチで言っていたことと似ている。
これを見て思うのは、子供にとってやはり親や先生の存在が大事だということ。益川先生にとっても科学への興味のきっかけとして、父親が銭湯の行き帰りに語る科学話があったとのこと。父親は商人だが、科学大好き人間。こういうのが大事なんでしょうね。親が好きなものに子供は興味を持つのでしょう。
あと、学生時代益川先生が強い憧れをもった人はガロアであったとのこと。やはりガロアは人気ありますね。私も大好きです。
Posted by ブクログ
この本の価値は最後の方にある。
益川さんの自伝的部分は興味深いとはいえ、本当に頭のいい人はきっとこうなんだろうというエピソードで、とりたてて面白いわけではない。
益川さんが幼いころの戦争体験から、科学者は平和に貢献しなければならないという決意を表明したのは素晴らしいと思う。
Posted by ブクログ
電車の往復の移動時間で読み終えました。
自分が思っていたふらふらではなく、自分の興味の方向についてふらふらという意味でした。
ちょっと残念。
だけど、内容的には、自分の興味のあることは集中することが大切だと書いてあり、その通りだと思う。
今の中学生以上の人であれば読んで、「勉強」の意味を再確認し、今一度自分の興味のあることについて勉強「study」してみたいと思うのではないでしょうか?