三木清のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
170ページちょっとの薄い本。
だがしかし、内容が濃い。
私の場合は精神年齢が本に追いついていないせいか
内容を理解するのに時間がかかりました。
昭和二十九年発行。
当時の学生さんはすんなり本の内容を受け入れていたのかと思うと、昔の人々の成長スピードの速さに驚かされます。
この本が難しく感じる理由として、具体例がないことが挙げられます。
使っている単語が難しい(なじみのない言葉)上に、具体例がないので、文章から自分の経験に落とし込んで理解する必要がありました。
(辞書引きながら本読んだのは学生の時以来です)
正直、著者の言わんとしていることを全て理解できたかというと?です。1/3くらい理解で -
Posted by ブクログ
昭和初期に活躍した哲学者、三木清氏の人生について、考え抜かれた23項目の小論文的なエッセイ。
さすがに、俯瞰的に考えていられて、時代を感じさせない。
個性について、というのが最後に掲載されている。これは、附録とされ、大学卒業直前の「哲学研究」掲載の文章とのこと。それまでのものと比べると、長く、難しい。その中で、自分自身の個性に触れているところがあり、「万の心をもつ人」であるという。そして、心理学者がそれを理解する試みをするだろうと。そして、自分の定義がされればされるほど、その価値が減じるように思うという。
たぶん、おそらくは、私達が理解しかねるところを、解説書を読むのではなく、ご本人の著述を読 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本書裏表紙の説明文に、著者のことを「ハイデッガーに師事し、哲学者、社会評論家、文学者として昭和初期における華々しい存在であった」とし、本書については、その著者の肌のぬくもりさえ感じさせる珠玉の名論文集」と解説されていた。
本書は文学ではなく、社会評論の要素が少し入った、どちらかというと哲学なのかなという認識で読んだ。そして、確かに肌のぬくもりは感じられたし、現代でもうなづけるような言葉が幾つもちりばめられていて、結構な箇所に傍線を引いた。
自ら選んだ23のテーマについて語っている。かつて「文学界」という出版物に連載されていたもののようだ。
後半のほうでは、例えば次のような定義にイチイチ納 -
Posted by ブクログ
ネタバレ死、幸福、懐疑、習慣、虚栄、名誉心、怒、人間の条件、孤独、嫉妬、成功、瞑想、噂、利己主義、健康、秩序、感傷、仮説、偽善、娯楽、希望、旅、個性という23のテーマについて書かれています。
こうした系統の本にしては、言葉が率直であり比較的読みやすい方だと思います。
どちらかというと軽快な文章で、読み物として読めるのではないでしょうか。
ネットのレビューを見るとわかりくいと言う方や
内容がぴんとこないという方もいらっしゃるようで
賛否両論の様子ですが、
私は大変わかりやすく、また内容もしっくりくるものばかりでした。
筆者の三木清は、ドイツに留学してハイデッガーに師事し、
昭和初期に活躍した哲学者 -
Posted by ブクログ
三木清は、京都帝大で西田幾多郎に学んだ後、ドイツに留学しハイデガーらの教えを受けた、昭和初期に活躍した京都学派を代表する哲学者。
本書は、死、幸福、懐疑、習慣、虚栄、名誉心、怒、人間の条件、孤独、嫉妬、成功、瞑想、噂、利己主義、健康、秩序、感傷、仮説、偽善、娯楽、希望、旅、個性という23のテーマについて論じた評論集。
昭和50年代の大学受験の(模擬)試験問題では、丸山眞男の『日本の思想』、小林秀雄の『考えるヒント』とともに定番となっていたのを懐かしく思い出す。
死について・・・「執着する何ものもないといった虚無の心では人間はなかなか死ねないのではないか。執着するものがあるから死に切れないという