三木清のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
いい意味でフランクさがない。
①全ての根源は想像力である。
想像すること=期待すること=原動力『社会の基礎は契約ではなく期待である』
②生きること=形成すること
形成の根源は希望であるが、この希望は常に他者から与えられるものであるが故に、失うことができない(確実性)。→人間は形成し、与えることで価値を持つ→それは人間が本来的に虚無的な存在であるからだ。
③個性は先天的なものではなく、獲得していくものである。
④人生は旅である。
旅においては、到着点(結果)が重要なのではなく、その「過程」で見たもの、新しく視点に加わったものが重要である。その点において人生も旅のようなもので、結果を追い求 -
Posted by ブクログ
ネタバレ人間は幸福だと幸福のことを考えない。
内面的なだけでは幸福ではなく、幸福は表現するもの。外に現れて他の人を幸福にするものが真の幸福。
古代には成功は存在せず、幸福が目指すところであったが、現代は成功が主要な課題となり、幸福は関心事ではなくなった。
成功と幸福を同一視することは憐れむべきことである。
ヘーゲルの哲学は、一時的に熱狂的に信奉されるが、やがて顧みられなくなる。
すべての悪は、孤独であるこたできないところから生じる。創造的な生活は虚栄を知らない。孤独は山にはなく街にある。大勢の人間の間にある。
すべてのストイックは本質的に個人主義者である。
ひとは軽蔑されたとき最も怒る。自信があるもの -
Posted by ブクログ
TVをつけて、殺人やら詐欺やら、不幸な内容ばかりで、精神が参ってしまいそうになることもある。
不幸なことばかり、話しているから、幸福は味わえない。この本では、幸福についてもっと語ろうと書いてある。
失敗しても不幸ではない、ただ成功したからと言って幸福ではない。
本書では23のテーマから、著者の哲学が語られている。
私が印象に残ったところ
人生においては何事も偶然であり、また必然である。こうした人生を私たちは運命と称する。希望は運命のようなものだ。運命的な存在である人間にとって、生きていることは希望を持っていることである。
希望を持つことはやがて失望することだ。その苦しみを味わいたく -
Posted by ブクログ
人間が日常的に見るモノや経験する事柄はどう認識されるのか、そしてその認識がどう知識と結びつくのか、知識とはどのようなものか、そしてその認識が行為とどう結びつくのか、そして行為とはどのようなものか、といったことが語られている。「先験的と経験的、合理的と実証的、構成的と模写的、主観的と客観的というように対立したものは認識において形成作用的に、弁証法的に統一される」(p.113)といった話。
…と思うのだけれど、とても難しかった。一昔前の人はこういう本を書いたり読んだりして、頭いいなあと思う、というなんか的外れな感想をまず持ってしまった。そしておれは全然知らなかったのだけど、三木清という人は戦前 -
Posted by ブクログ
中学の課題図書で読んだ、読まされた「人生論ノート」
なんだかむずかしいイメージが定着して、なかなか手の伸びない作者だったけれど、カバーにある「-日本ファシズムに抗し、無法な拘禁の下に獄死したー」に興味をそそられて。単純だね。
相変わらずむずかしく、知らない専門用語があちこちに出てきたけれど内容ある1冊。
「原典を原書で」
この言葉はアメリカに来てから身にしみたもの。
翻訳小説は退屈で嫌いだったのだけれど、英語で読んでみるとおもしろい。文章にかかれていないビートを感じることができる。
あと、西田幾太郎の横顔を描いた『西田先生のことども』も好きだ。
ありがとう。