永井隆のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この本は、今だからこそ、テレビ業界の人が読む必要があるかもしれない。
「スーパードライの成功体験が、逆に会社の進化を止めてしまった」という例だ。
テレビも確かに王国の時があった。
その成功があったことは、確かに素晴らしいことだが、そのために「成功の足を引っ張ることは出来ない」文化が出来上がってしまう。
それはどんな組織もそうなんじゃないか?
成功した人ほど、自分の過去の成功を否定する筈がない。
当然に、年が経てば経つほど守りに入っていく。
それを「成功体験を棄てろ!」と言えるのは、作った人なんかじゃない。
外部から招聘したトップだからこそ、空気を読まずに冷静に言えるのだ。
それにしても、絶対に反対されることは織り込み済。
10人いたら9人が確実に「今の売上が下がったらどうするんだ!」と言うだろう。
多数決で言えば、絶対に「大きく舵を切る」ことは出来ないんだ。
それでも敢えてこの提案をするところが、経営の覚悟や、時代を読み切るセンスなのだと思う。
「全社一丸」これもすごく大事だ。
どうやって人を巻き込んで、チームでモノを作り上げていくのか。
たった一人の天才がいても、それだけでは勝負には勝てないのだ。
だからこそ、チーム・マネジメントが重要になってくる。
「人事」というものが、会社にとってどれだけ重要なのかを理解している経営者が何人いるだろうか。
社員食堂で社長含めてみんなで成功を分かち合える。
こういう会社を作り上げないといけないんだと、改めて思う。
(2019/4/27) -
Posted by ブクログ
安倍総理は「移民政策ではない」と言いながら事実上の移民受け入れに舵を切った。右派の支持層への配慮なのだろうがいかがなものかと思っていたが、本書を読んで危惧をさらに深めた。
ドイツは移民に、国が600時間のドイツ語学習を行なっているという。それでも政治が動くほどの混乱が起きている。
移民受け入れのメリットとデメリットを賛成派と反対派がそれぞれ声高にぶつけ合うだけでは何の解決にもならないが、だからと言って安倍総理のように本音を隠すやり方は問題の次世代への先送りにしかならないと思う。
本書を読んで、この課題はもっとマスコミが取り上げるべきと痛感した。 -
Posted by ブクログ
このエッセイ集は、12,3才位の思春期前期の子どもらが読むといいな、というのが第一感。
白血病を罹病し迫りくる死と向き合いつつ病中臥床に著者が、淡々とよしなし想いごとを述ぶるその語り口は、信仰の深さが底に流れ、どこまでも清らで真摯だ。
とくに印象深かったのは、巻末『お返事集』の最後の一編。
6年も大陸で行き方知れずだったクリスチャン看護婦から無事の便りを得て、それへの往信だが…。
終戦後ほぼ1年を経て、満州からの日本人送還が始まった頃、彼女にも
乗船の順番がきて船待ちをしていたところへ、中共軍が攻め寄せてきて、看護婦数名を救護隊として差し出せと要求してきた。そのとき彼女は、別の子連れの看護婦に乗船を譲ってやり、大陸に残ったのだった。
以後ずっと、彼女は中共軍救護隊の一員として、大陸の各地を転戦し廻ったのだろう。
彼女からの無事を知らせる便りは、広東省の山深い地からのものだった。
読後、はて、この女性のその後の行く末はどうであったのか、ひとときあらぬ想いに捉われた。 -
Posted by ブクログ
『かっと光り、どっと潰れた。』
被爆体験者である医師が、自身の経験をもとに戦争の悲惨さを訴える。とにかく、描写がこれでもかというくらいに生々しい。主体を限定せず、キャラクタに全く重み付けを行っていない点も、原爆の突発性と無慈悲さを表現するのに一役買っている。どんな人間でも、本書を読めば、戦争について何かしらの心証を抱くはず。それが必ずしも綺麗な感情じゃないにしても。何も思わなかったとすれば、それは字が読めないか、あるいは、空前の空腹でそれどころではない人だろう。
医者の観点から見た原子爆弾というのは、実は中々なかったように思える。仮に自分が医師だったとして、かかる事態に直面して、救護の意思以外に著者の抱いたような感情を抱くことができるだろうか。否、できないから志さなかったのだろう。