永井隆のレビュー一覧
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長崎旅行で知った永井隆。
旅行から戻り2カ月経って読んでみた。
医者が書いたから、どんな内容かと思えば
実に情熱的な内容だった。
どこか鼻につく「自分は特別な人間」という意識。
自分とは相容れないキリシタン思想、原発理想論。
正直、こういった考えとして賛同できるとかといえば
それは出来ない。ただ、この本は自分という存在が
消えてしまう前に子供たちに父親という自分を形として
遺そうという願いから書かれた本なのだ。それに自分が
どうこう言うものではないだろう。
子供らへ呼びかけるように書く。
それは将来の子供への呼びかけだ。
子供らとの思い出を綴る。
それは子供らをどんなに愛しているかを遺すため -
Posted by ブクログ
大手ビールメーカーであるキリンビールで、クラフトビールのブルワリーを立ち上げた社員のお話し。
若者のビール離れ、という言葉の通りビール市場は年々シュリンクしていて、そんな状況に危機感を感じた社員のボトムアップ的行動が話の発端なのである。物語は少しプロジェクトX風だがメンバー一人ひとりの経歴や、実際に「大聖堂」が出来上がるまでのストーリーは大変面白かった。
実は自分もここ数年、国産クラフトビールとか、ドイツやベルギーのビールを好んで飲んでいる。大手メーカーが作る均一的なビールの味に飽きてしまったからだ。しかし輸入品だと350mlサイズで約400円と、まだまだ気軽に買える値段ではないのが難点で -
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ネタバレ戦中下、放射線治療の現場を牽引した医者でありつつ、敬虔なカトリシズムに帰依するという二極を体現した精神と日常性の劇的半生記。
主人公を仮名にして<自伝的小説>となっているが、医者でクリスチャンであった永井隆の自伝そのものといっていいでしょう。
2部14章400頁に余るが、行間もゆったりとっており、さほどの分量でなく、一気に読める。
日中事変の最初の動員で召集され、昭和12年8月から15年2月の下関帰還まで、衛生隊の医長として中国各地を転戦する模様を描いた第2部の「死線」から、「助教授」「救護班」「白血病」そして最後の長崎原爆投下の「灰」に至る後半部は、カトリシズムのあふれるような精神性に強 -
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長崎の原爆で九死に一生を得た医師の手記。建物の下敷きになったまま炎が迫り、最期に歌をうたって死んで行った学生とか、死に様の話はただ不幸なだけじゃなく、読みいってしまった。
原爆が起きた直後に、お互いに助け合い、冗談も言い合い、自分の命の危険を知りつつも他の人を助けようとした人の強さに脱帽。特に、戦争に負け、すべてを焼かれた人たちがどうして、無気力状態からたくましく立ち直れたのか、学びたいと思うほど。
原発事故を起こした今読むと、また違った感想もあり、放射能って意外とあっても大丈夫なものかもと思ったり。当時の長崎には、75年住めないという噂が流れたらしいけど、そろが本当ならまだ住めないはず。 -
Posted by ブクログ
長崎に原爆が落とされたその瞬間からの状況が長崎大学医学部の部長目線で描かれている。空襲に慣れていた当時の人々ですら原爆の威力に驚いていた。光とともにとてつもない爆風が押し寄せ、気付いた時に建物は吹き飛ばされ周りの人間は黒焦げになりまさに荒廃した土地へと変貌するその様は想像を絶する。そんな中でも自身が被曝しているにもかかわらず医師として傷病者を手当していく長崎大学医学部の人たちはまさに医師の理想像だ。特に日本が無条件降伏をしたと知らされてもうこれ以上手当をして国力を回復する意味がないと皆が思う中立ち上がり往診に行くのはほんとにすごいことだと思う。長崎が最後の被爆地になることを切に願う。