山田英夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
手持ちの本を交換する社内イベントで頂いた一冊、この手のライトなビジネス書としては非常に面白く、またかなり実用的に役立てられるトピックに満ちた一冊だった。イベントにわざわざ持ってくるだけあって非常に良い一冊。
競争戦略といえばポーターだが、本書ではポーター理論に更なる「ニッチ」な解釈を加え、リーダー企業やフォロワー企業でない中堅以下の企業に向けた戦略を非常に分かりやすく紐解いている。
これはリーン・スタートアップに代表されるスタートアップの戦略にも通ずる解釈であり、正面切って競争するのではなく、如何に競争を避けながらポジションを築くのかについて考える必要のある人にとっては等しく役に立つ知識だと思われる。 -
Posted by ブクログ
ネット上で、『退職する上司から「これを俺の遺言だと思って読み込め。ビジネスに必要な事が全部書いてある」と渡された本』ということで話題になっていたので買ってみました。
面白いです。ブラックジョークとオヤジギャグの混在したビジネス用語辞典で、いろいろな分野、業界の言葉を網羅しています。辞典のため、巻末には50音順の索引が丁寧についています。
項目によっては、会社のコンプライアンス研修で使えるかもと思ってしまいました。
ただ、なかなか全てを理解することができなかったので、数年後にまた読んでみたいと思います。面白いと感じなかった言葉は自分が理解していないものとして、正しい意味を学ぶことから始めたいです。 -
Posted by ブクログ
非常にわかりやすいうえに、戦略的思考のいい刺激になりました。
この本が素晴らしいのは、示唆に富む戦略論に加え、その構成にある。
まず著者による戦略理論が述べられ、その後に具体的な事例が豊富に紹介されることにより、各戦略論がスムーズに頭に入ってくる。
そして、理論と事例だけでなく、その戦略を採用するうえでとるべき基本的な方針や注意事項が述べられていることで、実行を視野に入れた議論が可能となっている点も好感がもてる。
さて、本書ではタイトルのとおり、「競争しない」戦略論が、豊富かつわかりやすい事例とともに述べられている。
「競争しない」というのは、マーケットリーダーとの真っ向勝負をしないという意味。いわゆるフォロワーや価格攻勢などといった、しのぎを削る戦略ではなく、リーダーと住み分けたり、バリューチェーンに食い込むことによってリーダーと共存していくという考え方が中心となる。
著者によれば、「競争しない」戦略は、1. ニッチ戦略、2. 不協和戦略、3. 協調戦略の3つに分類できるという。
1. ニッチ戦略
リーダーが導入するには固定費がかかりすぎるような特殊な技術(マニー、ローズなど)や、規模の大きくない特殊な市場を狙いにいく(スリーエム、小林製薬など)ことがニッチ戦略の基本的な考え方。一方で、アナログレコードやインスタントカメラなど、時代に取り残された小さな市場ではあるが、根強いニーズに支えられているところを狙いにいくというものも面白い(東洋化成、富士フイルム「チェキ」など)。
ニッチ戦略を実行するには、リーダーに目を付けられないように市場の量や質をコントロールすること、容易に侵食されないために常に技術と資源を磨いていくことが重要となる。
2. 不協和戦略
リーダーの強みとなる莫大な資産を負債化してしまう戦略。営業職員を豊富に持ち、複雑な契約内容をきめ細かく説明できる資産をもつ大手生命保険会社に対し、ネット専業で成功したライフネット生命保険。また、「いつでもどこでも」がコンセプトのジョージアコーヒーに対し、朝専用を打ち出したアサヒ飲料ワンダモーニングショット。
不協和戦略を取り入れるには、リーダーの強みを負債化してしまうアイデアを生むために、企業がもつ情報・ノウハウが多い「情報の非対称性」を下げることで、バリューチェーンを解体していくことが重要となる。
3. 協調戦略
バリューチェーンの機能の一部を代替したり、新機能を追加したりすることでリーダーとの共存を可能にする戦略。
自社商品・サービスの提供だけでなく、他社も含めたメンテナンスやコンサルタント、仲介業務を行うことによって、市場での補完関係を実現することが中心となる。
他社製エンジンの整備も行うGEや、他社に向けてコンサルタントを行う星野リゾートなどが典型例。
また、協調戦略をとる付加的な価値のひとつとして、「情報が集まる」ということが挙げられる。たとえば医薬品業界のIMSジャパンは医療分野のあらゆるデータを集約することにより、製薬企業や卸し企業が戦略を立てるうえで欠かせない状況を作り上げている。
協調戦略においては、共存が重要であることから、バリューチェーンの一部を担うことはあってもその前後を侵食してはならないということが重要である。
いずれの戦略においても、同様の戦略をとってくる競合他社との競争は避けられず、自社の役割を狙い定めたら、その市場においては寡占を目指すべきとされる。
つまり、「競争しない」ためには、(ニッチ戦略にもあるように)自社が優位となる技術や資産を磨きつづけることが必要であり、止まることのない変革を続けられる体質を構築・維持することが重要なのでしょう。 -
Posted by ブクログ
異業種から優れたビジネスモデルを輸入するには、という観点でまとめられたケース集。
前著は会計分野の共著者がいて何とも方向性のよく分からない本だったが、単独著作になったことで趣旨がしぼられてグッといい本になっている。
企業が生き延びていくのに優れたビジネスモデルは不可欠であるが、多くの企業にとって必要なのは、アップルやグーグルのようなゼロからビジネスモデルを生み出す力ではなく、異業種の優れたモデルを輸入することであるという観点から、どこにどう着目すればよいかを探る。
ビジネスモデルの定義⇒事例の紹介⇒異業種からモデルを輸入するにあたっての切り口⇒阻害要因
といった順で論が展開される。
どうしても完全に一般化できない分野であるので、徹底的に事例にあたるところを基礎としている。
業種も豊富、日本企業に絞っているので身近。
でも事例の紹介で終わりなく、しっかりビジネスモデルの構成要素を一般化したうえで、事例からの教訓を抽出することで、読者にとって示唆に富んだ本になっていると思う。