佐藤健志のレビュー一覧

  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき

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    英国人からフランス革命への強い批判がなされる本書は、保守主義のバイブルとも言われ、時代を超えて読み継がれてきた名著です。

    改革とか変革なんていう言葉はいつの時代も持て囃されますが、急激な変化は副作用もとても大きい。
    フランス革命といえば、高邁な理想を掲げ圧政を打ち破った民衆の戦い、という理解が一般的かもしれません。
    しかしながら、その急進主義は社会に様々な混乱や弊害をもたらし、10年後にはナポレオンによるクーデターで終焉を迎えることとなります。
    著者のバークは、革命の終焉を見届けることなく没するのですが、本書で述べられる革命への批判は非常にインパクトの強いものです。
    現代社会にも当てはまる教

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    2025年11月28日
  • 新自由主義と脱成長をもうやめる

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    経済学者の対話本。政治と経済の話が多い。菅内閣の大学改革を継承した岸田内閣について批判的に語られる。ウクライナについても触れられている。
    しかし雑多で散漫な感じはやはりする。タイトルの内容について深めて語るということはない感じだ。

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    2025年01月29日
  • 新自由主義と脱成長をもうやめる

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    新自由主義のようなリベラルな考え方が、実は同じような価値観を押し付ける帝国主義的な考え方ではないか?と言う視点は面白いと思いました。
    とは言え、世界で盛り上がりを見せているナショナリズムが単純に正解と言うわけはなさそうですし、それぞれの国の文化や習慣と言った内的なものと、地政学など外的なものを、その国にとってベストな政策を選んでいく必要があると理解しました。

    個人レベルの話としては、グローバル化により株価は上がっても、実際に多くの国民は苦しんでおり、一人一人は弱い国民が団結して中間団体を形成し、資本家や国に立ち向かうと言う形が必要なのかもしれませんが、それも今やなかなか難しそうです。
    地域や

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    2024年06月02日
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき

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    「長年にわたって機能してきた社会システムを廃止するとか、うまくいく保証のないシステムを導入・構築するとか言う場合は、『石橋を叩いて渡らない』を信条としなければならない」という一文が重い。不確かな「改革」を推進する者は、保守主義の父と言われたバークの言葉の意味をもう少し考えた方が良い。
    「三色旗の向こうに、混乱を重ねる日本の姿が見えてくる」という謳い文句に偽りなし。

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    2022年03月12日
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき

    mac

    ネタバレ

    革命思想にご用心

    一部ご紹介します。
    ・「革新」に憧れる精神とは、身勝手で浅はかなものだ。自分たちの祖先を顧みない者が、自分の子孫のことを思いやるはずがない。
    ・人は自由や権利を相続財産のように看做せば、「前の世代から受け継いだ自由や権利を大事にしなければならない」という保守の発想と、「われわれの自由や権利を後の世代にきちんと受け継がせなければならない」という継承の発想が生まれることをわきまえる。そしてこれらは「自由や権利を、より望ましい形にしたうえで受け継がせたい」という進歩向上の発想とも完全に共存しうる。
    ・社会が複雑なものである以上、「多くの目標が不完全に、かつ途切れ途切れに達成される」ほうが、「い

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    2022年09月30日
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき

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    保守の前提と革新の前提

    自由・平等・博愛といったおめでたい夢幻を掲げ、過去の権威や伝統を根絶やしにして達成されたフランス革命を「保守の父」エドマンド・バーグが痛烈にコキ貶したのがこの「フランス革命の省察」。

    新訳 フランス革命の省察―「保守主義の父」かく語りき

    その貶しようは、イギリスの首相ピットに「この罵倒は芸術的だ」と言わしめるほどの内容。

    この本は、まだ保守という言葉すらないフランス革命当時に書かれたものですが、人名や党名、地名を現代風にアレンジすれば、現代十分通用する普遍性を備えています。

    保守も革新もその目的や手段は時代や洋の東西によって変化していますが、それぞれの前提とな

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    2018年01月17日
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき

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    フランス革命は得るものもあったかもしれないけど、失うものも多かった。こういった革命は結果的に混乱を生んだだけだったんだろう。一方、日本の明治維新は奇跡と言っていいだろうな。

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    2014年11月08日
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき

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    イギリスの「保守」に対する考え方の核心が分かる書物だと思います。

    基本的に、社会システムは論理だけでは設計できない、ということが強く主張されているように思います。

    なるほど、伝統や慣習ですべてを判断するのが問題がるとするならば、その対極にある論理ですべてを判断するのもまた同じく問題がある、という考え方は大いに納得できるところであります。

    論理的に考えた結果を、物事を進ませるために、既得権を持つ勢力に説得していくというやり方は、時間はかかるが、伝統や慣習とバランスをとるためには必要なプロセスである。という考え方には目から鱗でした。

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    2013年05月12日
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき

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    急進主義をとことん批判した、保守主義の本。ものすごく面白かった。それにしても、いまの我が国の政局に当てはまりすぎて怖いくらいだ。バーク、恐ろしい子。

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    2012年12月04日
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき

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    バークはフランス革命の個々の政策問題についても議論しているが、本質的には革命家達の気質や傲慢さ、愚かさを批判しているのであり、その指摘は革命的な政治変動一般に当てはまる。本書は抄訳であり、バーク保守主義を読みやすい普及版にすることを目的としているとともに、近年の日本の改革/革命ごっこ政権に対する批判本としての訳者の思惑を強く感じさせる。訳は大胆で言葉遣いはやや乱暴であるが、「固定観念」「国体」といった訳語のチョイスは評価したい。あくまでつまみ食い的な抄訳なので、みすず版の全訳も読むことを強く勧める。

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    2011年10月12日
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき

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    保守の聖典として歴史的価値を持つ本ではあるが、リベラルを自称する人も読むべき好著。
    自国にフランス革命の気風と思想が流れてきたゆえに、一度立ち止まって実践的な現実感覚を取り戻そうとバークは熱烈な弁を立てる。
    「自然」という言葉の使い方が今となってはさすがに古い気がする。

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    2023年11月27日
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき

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    保守派の著者から見た、当時のフランス革命。辛辣な意見がひたすら書かれている本。美談として扱われがちなフランス革命を違う角度から捉えさせてくれる本。

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    2021年12月17日
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき

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    イギリス人は自由や権利を相続財産のように見なせば「前の世代から受け継いだ自由や権利を大事にしなければならない」という保守の発想と「われわれの自由や権利を後の世代にちゃんと受け継がなければならない」という継承の発想が生まれる。そしてこれらは「自由や権利を一層望ましい形にした上で受け継がせたい」という進歩発想とも完全に共存しうる。
    リーダーは往々にして自分が率いる人によって逆に率いられる。指図を受ける側の価値観、能力、あるいは気質といったものが指図の内容そのものに制約を加えるのだ。
    文明社会は人間に利益をもたらすために作られる。社会が成立していることによって得られる利益はすなわち人間の権利となる。

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    2015年12月25日
  • コモン・センス 完全版 アメリカを生んだ「過激な聖書」

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    レキシントンの戦いから八ヶ月以上が過ぎた十七七六年一月の時点においても、独立を積極的に主張するアメリカ人は少数派だったのだ!

    イギリスの態度に不満はある、けれども戦争に訴えてでも独立をめざすのは行き過ぎではないか――多くの人々はこんな葛藤を抱え、態度を決めかねていた。

    『コモン・センス』は、この状況を一変させた。

    もはや流れは決まった。独立戦争の遂行はアメリカの常識となったのだ。13
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    『コモン・センス』はまずもって、「イギリスとの全面対決をためらうアメリカ人にたいし

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    2015年09月23日
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき

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    性急な革新に反対し,「伝統」として結実した人間の英知に学ぶ「保守」を提唱する。

    平等原則を徹底することに対する懐疑的態度や法の支配を重視する思想など,後の「保守」派に受け継がれた思想の萌芽がちりばめられている。

    ただし,結論だけが書かれているという印象で,「保守」思想にシンパシーを感じる人でなければ,読んでも不愉快になるだけだと思う。

    なお,“prejudice”は,「固定観念」と翻訳されている(「偏見」と翻訳されることが多い。)。
    また,砕けた訳文で,よく言えば「親しみやすく,手紙としての本質をよく表現している」が,悪く言えば「品がない」。

    抄訳であることを補うための注が丁寧に挿入さ

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    2015年01月04日
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき

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    「私の価値観は保守主義だなあ」と最近になって自覚したので、保守主義の父と呼ばれるエドマンド・バークの古典を読んでみました。でも予想と違ってトンデモ本と言えるくらい過激で感情的な本でびっくり。かなり辟易しましたが、それでも、フランス革命が進行している最中に失敗を予言している洞察は見事です。伝統の体制を否定する「改革派」は、現実には財政バランスが取れない政府を作ったり、改革派に近い立場の一部の人だけが得する不平等な社会を作ることになりがちです。日本でもそうですね。大変勉強になる一冊でした。やっぱり古典は良いです。

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    2014年04月16日
  • 新自由主義と脱成長をもうやめる

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    対談、書評など既存のコンテンツで構成されていて、似たような記載が多く、深堀が足りない感じであった。気になる気ワードはいろいろ出てくるので参考にはなります。

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    2024年11月24日
  • 新自由主義と脱成長をもうやめる

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    読んでる分には面白いんだけど、対談や鼎談は体系的な知識の獲得とか思考を深めるのには向いてない。話し手それぞれの認識レベルに相当な差があるので、読んでいて混乱する。この本の主題である新自由主義ですら、各人のイメージするものがバラバラで、新自由主義=積極財政みたいな「どっからそんな発想が出てくるの?」という発言まで出る始末。面と向かっては批判しにくいのか、意見の食い違いがあってもなんとなくスルーされてしまう。
    なので読後感としては散漫な印象が残る。
    とは言え、以前の単純な右と左の概念では人の志向が説明できなくなってきていることはよくわかった。トクビルがアメリカの教会組織で見出した中間団体が民主主義

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    2024年09月13日
  • 新自由主義と脱成長をもうやめる

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    ネタバレ

     中間団体はグローバルと新自由主義に対抗するために必要な存在。
     本来自民党はこうした中間団体を守るための政治をしていた。


     聞く力は必要なこと。
     しかしあらゆる意見を聞くということは、その実現が叶わなかった場合の責任が問われてしまう。
     相手の意見を聞くよりも、自分の意見を通そうとする強烈な指導者としての魅力とは、関わる者の思考を止めさせ、目的に協力させることが出来る。一般人の教養を失わせしめるリスクはあるものの、分かりやすく、明確に目的を達成するためには、ある程度、意見の配慮より、実現の早さを目指す度胸も必要。
     岸田総理には、有権者の意見を聴きながらも、確かに自己表明を貫く度胸を期

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    2024年08月25日
  • 新自由主義と脱成長をもうやめる

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    岸田政権 新自由主義=アメリカ化 からの転換  
     改革(自己責任 無駄を省く 開かれた トップダウン)が下火に
      新自由主義:政府の需要創出による経済けん引、所得の再配分 1970代後半
     聞く力=矛盾した要望のバランス取り→わかりにくい→支持率低下
     国際秩序作り:グローバル化 企業や資本家が政府に圧力 庶民の声→中間団体
     日本の新自由主義 中間団体=既得権益層=隣の公務員=抵抗勢力への嫉妬心 
     今の若者は社会を変える から 自分を変えるに 変化 目標は 上からのミッション 

     成長を正しく目指す=成長ばかり(=新自由主義)にこだわらない
     イノベーションは意図的に創出できない

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    2024年06月29日