佐藤健志のレビュー一覧

  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき
    「長年にわたって機能してきた社会システムを廃止するとか、うまくいく保証のないシステムを導入・構築するとか言う場合は、『石橋を叩いて渡らない』を信条としなければならない」という一文が重い。不確かな「改革」を推進する者は、保守主義の父と言われたバークの言葉の意味をもう少し考えた方が良い。
    「三色旗の向こ...続きを読む
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき

    革命思想にご用心

    一部ご紹介します。
    ・「革新」に憧れる精神とは、身勝手で浅はかなものだ。自分たちの祖先を顧みない者が、自分の子孫のことを思いやるはずがない。
    ・人は自由や権利を相続財産のように看做せば、「前の世代から受け継いだ自由や権利を大事にしなければならない」という保守の発想と、「われわれの自由や権利を後の...続きを読む
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき
    保守の前提と革新の前提

    自由・平等・博愛といったおめでたい夢幻を掲げ、過去の権威や伝統を根絶やしにして達成されたフランス革命を「保守の父」エドマンド・バーグが痛烈にコキ貶したのがこの「フランス革命の省察」。

    新訳 フランス革命の省察―「保守主義の父」かく語りき

    その貶しようは、イギリスの首相ピ...続きを読む
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき
    フランス革命は得るものもあったかもしれないけど、失うものも多かった。こういった革命は結果的に混乱を生んだだけだったんだろう。一方、日本の明治維新は奇跡と言っていいだろうな。
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき
    イギリスの「保守」に対する考え方の核心が分かる書物だと思います。

    基本的に、社会システムは論理だけでは設計できない、ということが強く主張されているように思います。

    なるほど、伝統や慣習ですべてを判断するのが問題がるとするならば、その対極にある論理ですべてを判断するのもまた同じく問題がある、という...続きを読む
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき
    急進主義をとことん批判した、保守主義の本。ものすごく面白かった。それにしても、いまの我が国の政局に当てはまりすぎて怖いくらいだ。バーク、恐ろしい子。
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき
    バークはフランス革命の個々の政策問題についても議論しているが、本質的には革命家達の気質や傲慢さ、愚かさを批判しているのであり、その指摘は革命的な政治変動一般に当てはまる。本書は抄訳であり、バーク保守主義を読みやすい普及版にすることを目的としているとともに、近年の日本の改革/革命ごっこ政権に対する批判...続きを読む
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき
    保守の聖典として歴史的価値を持つ本ではあるが、リベラルを自称する人も読むべき好著。
    自国にフランス革命の気風と思想が流れてきたゆえに、一度立ち止まって実践的な現実感覚を取り戻そうとバークは熱烈な弁を立てる。
    「自然」という言葉の使い方が今となってはさすがに古い気がする。
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき
    保守派の著者から見た、当時のフランス革命。辛辣な意見がひたすら書かれている本。美談として扱われがちなフランス革命を違う角度から捉えさせてくれる本。
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき
    イギリス人は自由や権利を相続財産のように見なせば「前の世代から受け継いだ自由や権利を大事にしなければならない」という保守の発想と「われわれの自由や権利を後の世代にちゃんと受け継がなければならない」という継承の発想が生まれる。そしてこれらは「自由や権利を一層望ましい形にした上で受け継がせたい」という進...続きを読む
  • コモン・センス 完全版 アメリカを生んだ「過激な聖書」
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    レキシントンの戦いから八ヶ月以上が過ぎた十七七六年一月の時点においても、独立を積極的に主張するアメリカ人は少数派だったのだ!

    イギリスの態度に不満はある、けれども戦争に訴えてでも独立をめざすのは行き過ぎではないか――多くの人々はこんな葛...続きを読む
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき
    性急な革新に反対し,「伝統」として結実した人間の英知に学ぶ「保守」を提唱する。

    平等原則を徹底することに対する懐疑的態度や法の支配を重視する思想など,後の「保守」派に受け継がれた思想の萌芽がちりばめられている。

    ただし,結論だけが書かれているという印象で,「保守」思想にシンパシーを感じる人でなけ...続きを読む
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき
    「私の価値観は保守主義だなあ」と最近になって自覚したので、保守主義の父と呼ばれるエドマンド・バークの古典を読んでみました。でも予想と違ってトンデモ本と言えるくらい過激で感情的な本でびっくり。かなり辟易しましたが、それでも、フランス革命が進行している最中に失敗を予言している洞察は見事です。伝統の体制を...続きを読む
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき
    フランス革命をやっている最中にボロクソに批判した本。

    理念先行で革新的なことをするのではなく、これまでの経緯もしっかり踏まえた上で進めていくべき(という意味での「保守」)というのは共感する。

    しかし、この後、散々紆余曲折を経るとはいえ、この革命による恩恵を大いに受けている現代に生きている身として...続きを読む
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき
    おそらくもう一度読むべきだけど、現在の感想。
    イギリスがしょっちゅう言及されるので、イギリスのことも知りたくなって途中で検索したりして、なかなか読み終わらなかった。

    革命の最後を見届けずして、書かれた文章なのがすごい。

    フランス革命について、平民が立ち上がり自由を勝ち取った、と認識していたけど見...続きを読む
  • コモン・センス 完全版 アメリカを生んだ「過激な聖書」
      トマス・ペイン「Common Sense コモンセンス―アメリカを生んだ「過激な聖書」」(佐藤健志訳)を読む。
      もともとアメリカの歴史にあまり興味はなかったのだが、独立の背景となる本書を読んで、目からウロコが落ちた!と云えるかも知れない。この「コモンセンス」、アメリカとイギリスが武力紛争に突...続きを読む
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき
     ハンナ・アーレントやハイエクの著作を読んでいると、フランス革命の理解が必要になる。概略は、もういちど読む山川世界史で数十年ぶりに把握したが、関連書として、エドマンド・バークのフランス革命の省察を読んでみた。この新訳は、原著の内容を相当圧縮して編集しているが、どの章も同じ話の繰り返しになっていて、本...続きを読む