金子みすゞのレビュー一覧
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ネタバレ「おはじき」
空いっぱいのお星さま、
きれいな、きれいな、おはじきよ。
ぱらり、とおはじき、撒きました、
どれから、取ってゆきましょか。
あの星
はじいて
こう当てて、
あれから
あの星
こう取って。
取っても取っても、なくならぬ、
空のおはじき、お星さま。
<解説より>
みすゞが瀬戸崎尋常小学校に入学した1910年(明治43)ハレー彗星がやってきた。大接近する5月19日未明、彗星の尾が地球の大気に影響を与えて、空気が十分間なくなる、といううわさが立ち、日本でも、空気をためるために自転車のチューブが飛ぶように売れたという。本好きのみすゞは、星や宇宙に関する本を読んで、想いを広げていた -
Posted by ブクログ
2020年16冊目。(再読)
誰かが喜んでいる裏で、人知れず悲しんでいる人がいる。そういう「見えないけれど、たしかにある」ものへの繊細過ぎる感性が、人だけでなく、動物や植物、天体や自然現象にまで働いてしまう。大げさでなく、万物に耳を澄ませ、声を聴いていたのではないかと思う。
だからこそこんなに素晴らしい言葉を紡げるのだと思うし、だからこそいろいろなものが見えすぎて苦しい面もあったのではないか、と想像してしまう。ときどき見せる茶目っ気のある詩はかわいらしいけれど。
どの詩も、リニアに情景が動いていくというよりも、かなり構造化されている印象。A→B→C→D→E......ではなく、A→B→A