他のレビューでもちょっと書かれているが、トリックの暴露に無理があり過ぎる。
死んだ人間を生きているように見せるトリックが、動物を操って死体を動かして腹話術で死体がしゃべっているように見せかけていた・・・・いや、無理やろ。腹話術している犯人のすぐ隣にいたのに気づかない主人公は、頭がおかしいのだろうか?
他にも、とある女性キャラクターが、岩の上に座っている主人公の姿が格好良かったという理由で一目惚れしたり、無実の男が警察にちょっと責められただけで自分がやったんだと催眠状態に陥ってやってもいない犯行を自供したり・・・・。さらに、犯人が無差別連続殺人鬼になった理由もすごく無理がある。
小説全体として、作者が考え付いた展開に(整合性やキャラの心理描写とかは完全に無視して)無理矢理持って行ってる感じがあって、とにかくいろいろ破綻している。一昔前のご都合主義ラノベみたいなストーリーだった(実際この小説が出たのはご都合主義ラノベの全盛期だったので、作者はそういうのを意識して小説を書いたのかもしれないが)
余談だが、こんなご都合主義推理(?)小説がもてはやされて、他のまともな推理小説が日の目を見ないのは納得がいかない。日本の小説界が衰退の一途をたどっているのは、こういう変な小説ばかりが推されて、他のまともな作品が世間に紹介されないからではないだろうか?(ちなみに海外では小説は今も人気のジャンルで、市場は昔からあまり衰退していないらしい) 実際私も子供のころ、賞を取って推薦されていたとある有名小説を読んだが、まったくおもしろくなくてその後数年間小説は一切読まなかった。しかし、出張移動の時間つぶしに気まぐれに読んだ無名の小説がおもしろかったので、その後それなりに小説を読むようになった。