豊田悠のレビュー一覧
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毎度の事だけど、この『パパと親父のウチご飯』も一つ目の大台に達した事には、驚きよりも嬉しさや安堵、感謝の方が強い
豊田先生、先生を支えているアシスタントさんや担当編集さんは勿論のこと、私よりも、この『パパと親父のウチご飯』を応援してくれている、他の漫画読みの方々にも、「ありがとうございます」と言いたい
この作品は、食事を軸にして、“家族”が、その絆を強めていく話だ
子供たちだけでなく、大人たちも、様々な壁にぶち当たり、自分の心で悩み、家族の助けを借りながら、全力でもがきながら、前に進んでいく
その熱さ、力強さ、真っ直ぐさ、と表現すべきものが、この『パパと親父のウチご飯』の芯だ
この巻で、一皮剥けるチャンスに直面したのは、千石哲さん
ネグレクト、と言うほどではないにしろ、自分の母親から、あまり構われてこなかった事から、関係が疎遠になっていた哲さん
そんな哲さんの母親が、愛梨ちゃんの様子を見に来て、晴海さんと会った事で、変化しはじめる
自分と母親の不仲を解消しようとする、晴海さんのお節介に苛立った哲さんは、愛梨ちゃんを連れて、家を飛び出す
気まずさを覚えながらも頼った師匠の奥さんから、驚きの事実を聞かされた哲さんは、自分がどうしたいのか、を考える
そして、彼は自分が、ただ寂しかったのだ、と今更になって気付かされた事で、一歩前に踏み出す事が出来た
さすがに、いきなり、仲好しな母と息子になる事は出来ないだろうが、これから、ゆっくりと時間をかけて、擦れ違ってしまっていた分の日々を取り戻していけばいいだろう
哲さんのような、オラオラ感の強い男性が、こうやって、弱さを見せ、そこから逃げずに立ち向かい、より男らしくなっていく展開は、ホントにグッと来ますね
この(10)で、人間的に成長しているのは、哲さんだけじゃない
当然、可能性が未知数である愛梨ちゃんと清一郎くんも、自分の世界を、様々な体験で広げ、大きくなっている
あくまで、私個人の印象だけど、親が子供に教えるべき多くの事の中でも、割と重要度が高いモノの一つは、「死」のように思う
大人だって、「死」について、自分でも理解できていない訳だが、子供が身近な存在が亡くなる、と言う状況に直面した時、「死」について、親は、たどたどしくとも、不格好になっても、自分の言葉で説明してあげなければならないように思う
子供は子供で、経験を幾度も重ねて、自分だけの「死」に対する考え方を得ていくので、まずは、先延ばしにしないで、子供から最初に聞かれた時、ちゃんと、目を合わせ、語りかけてあげてほしい
家族と死に分かれるのは、確かに辛い
けど、その家族と紡いだ思い出を大事にし、前に歩き続ければ、哀しみに沈んでしまう事はないんじゃないだろうか
この台詞を引用に選んだのは、哲▲(←これ、もう、死語かな)、と思ったので
当たりハズレは、他人に決めさせていいものじゃないし、自分で決めつけてしまっても仕方がない
ハズレと感じてしまうようなら、当たり、と感じられる人生に変えればいい
そのための努力が出来るのは、自分だけなんだから
家族がいるから、自分は今、幸せだ、と笑顔で言える哲さんは、ますます、男前になっている
「・・・あんたは昔、自分も俺も、ハズレみたいなもんだって言ってたけど、俺は、そう悪くなかった、と思ってるよ」(by千石哲) -
Posted by ブクログ
まず、最初に言っておきたいのは、これは良い漫画だってこと
BL漫画と言うよりも、恋愛モノとして、質が高いので、恋愛漫画が好きな人も、BL漫画が好きな人も、豊田先生のファンも、まだ豊田先生のファンじゃない人も読むべきだ、と力強く言いたい
どのくらい、質の高い恋愛漫画なんだ、と聞かれたら、自信を持って、とよ田みのる先生の作品くらいだ、と言い切っても良い
もちろん、同じ苗字繋がりで例に挙げている訳じゃない。本当に、レベルが近い、と思っている
実際のとこ、とよ田先生がBL漫画を描いてくださったら、ぜひ、読んでみたい
『パパと親父のウチご飯』は、ダイレクトに、男と女の恋愛が描かれている訳じゃないにしろ、料理を軸にした家族ドラマの根幹には、確かな恋愛があるように思える
なので、恋愛ものとして、同じくらいに高品質、と言いたい
その上で、この『30歳までに童貞だと魔法使いになれるらしい』(1)を書店で見つけた際、真っ先に思ったことを、吐露させてもらたい
ついに、豊田先生、BLものを描きやがった、と思ってしまったのだ、つい
『パパと親父のウチご飯』も当初は、BL展開になるのかな、とすら邪推していたので、食系漫画として台頭してきた時は、ホッとする一方で、妙に、ちょっとだけ落胆した覚えがある
なので、ある意味、この作品は待望、とも言えるな
ストーリーの良さに、皆さんにも打ち震えて欲しいので、あえて、ここで全部を語るのは我慢する
ただ、言いたいのは、本当にピュアピュアしい、表紙を飾っている二人、安達と黒沢が
童貞として30歳を迎えた事で、触れた相手の心が読めるようになった、そんなオカルトちっくな要素が、ストーリーの純粋さに良いスパイスを利かせているな、と私は感じた
魔法の事が前面に押し出されつつも、うざったさは感じない
今後、どうなっていくのか、楽しみな作品である事は間違いなく、(2)の帯にドラマ化決定、と表記されても、何ら驚かない
ただ、個人的な我儘を言っていいのなら、巻末の柘植さんと宅配便のお兄さんのページを、(2)では増やしてほしい
苦手意識を持っていた相手が見せた、意外な可愛い一面にKOされる柘植さんこそ可愛いでしょうよ!!
他の30歳で魔法が使えるようになった人が登場しても面白いよな
心が読める以外の魔法も、気まぐれな女神さまは与えてそうだ
思っている事を喋らせちゃうとか、一定時間だけ動きを停止させたり、行動を操作できるとか、面白そう
この台詞を引用に選んだのは、もう、理屈抜きでグッと来たので
青臭い言い方だな、と自分でも思うが、恋ってのは、ほんと、いつのまにか、気付いたら、落ちているもんなんだな
こういう恋に落ちられるなら、俺も30歳まで、童貞でいるわ、って読み手が増えたら、どうしよう。ま、どうしようもねぇけど -
Posted by ブクログ
ついに、この『パパと親父のウチご飯』も一つ目の大台手前まで来た
他の作品と同じく、実に嬉しく、描き手の豊田先生と作り手の編集者さんに御礼を心から言いたいものである
この『パパと親父のウチご飯』は、ともかく、ストーリーがいいな、と私は思う
基本的には、食事と育児の掛け算的なストーリーなのだが、仕事や進路と言った、人なら直面する問題にもまた、取り組んでくれている
自分の育児は間違ってないだろうか、と悩んでいる人だけでなく、自分は将来、どうなりたいのか、と葛藤している人にも、考えの幅を広げる光を灯すなんて、凄い青年漫画じゃないだろうか
ストーリーの良さを支えているのが、確かな実力と地道な努力で培った高い画力であるのは言うまでもないが、キャラもまた、ストーリーの芯をぐらつかせない足場になっている
このキャラは、こんな過去があるから、こういう境遇だから、この個性を持つに到ったんだな、と読み手を納得させる
綺麗事かもしれないけど、どん底にいて、ここで終わっても良い、と勝手にやさぐれている人間が、お節介な他人が自分に伸ばしてくれた手を掴んで、また、日の当たる世界に戻ってきて、自分の限界よりちょっと広い範囲で頑張り直してみよう、って展開は好きだ
つくづく、人の歩みを止めるのは、諦観なんだな、と思う
同時に、人は夢を捨てたつもりでいても、実際には諦めきれず、なりたい自分になるための努力をしてしまうものだ
その姿は、ある者には滑稽で見苦しいものと映るのだろう。けれど、そんな潔さに欠ける姿に、喝を入れられる者もいる
足掻く人間を笑い、嘲る者と、応援し、応援される者、どちらになりたいか。当然、後者だ
人は成長すればするほど、厚くて高い壁にぶつかるようになる
壁がない道に進む、それも間違いでないけれど、面白くないよな、と思う
自分の人生を充実させられるのは、自分だけだ。充実させられる人間は、壁に挑み続けられる
壁に挑む事が楽しみになってくる人間の人生は面白く、その人生が多くの人の刺激となり、その者の壁に挑むモチベーションとなるのだろう
何が言いたいのか、分からなくなりそうになったが、つまり、様々な問題に直面し、それから逃げないキャラクターらの縁が絡み合うストーリーが美味しい、この『パパと親父のウチご飯』は面白く、描き手の豊田先生を尊敬できるってことだ
どうやら、(10)では、これまで以上に重い問題に、哲が挑むようだ
果たして、哲はどう立ち向かい、晴海さんは彼をどうサポートし、何より、子供らはどんな変化を迎えるのか、楽しみである
どの作品にも舌鼓が打てた。その中でも、私的にグッと来たのは、43話「ビーフストロガノフ」だ
ざっくり言うと、初めてのおつかいエピソード
育児ものなので、いつかは読める、と期待していたのだが、まさか、こんなにも良いとは!!
さすがに、一回り大きくなったとは言えないにしても、皮を脱ぎ捨てるとっかかりくらいは、この回で掴んだかも知れない
普段は、大人しい、と言うより、引っ込み思案な清一郎が、安易に楽な方向へ流されず、駄目な物は駄目、と言える芯の強さを魅せたシーンには、目頭が熱くなってしまった
ギャップ萌えとは、また、別味かもしれないにしろ、この手の頑固さを持っているショタは大好きだ
そんな頑張った子供らに、哲が特別な料理を振る舞うってのが、また、オツだ
この台詞を引用に選んだのは、やっぱり、親子だなぁ、と感じたので
もちろん、最初から、こんなに諦めが悪かった訳じゃないだろう、晴海さんも
彼が、ここまでの熱さを見せるのは、哲を筆頭にして、多くの人から良い影響を受けたからに違いない
人を変えたい、動かしたいのなら、まず、自分が変わらなきゃいけない、率先して動くべきってことか
読み手の心を震わせる漫画ってのは、晴海さんのようにしつこさが長所の編集者さんがいてこそ、世に出るんだろうな
改めて、感謝すると同時に、自分は漫画の編集者にはなれないな、と思った
だから、晴海さんのような担当さんに付いて貰えるような、小説家になろう -
Posted by ブクログ
待ってました、この(2)を
本家よりも? と聞かれたら、さすがに困っちゃうが、少なくとも、(9)と同じくらいには楽しみにしていたし、同時発売にはテンションが上がった
タイプの違う女性陣がワイワイ呑む『のみじょし』(迂闊)や、一人呑みの満喫の仕方をまったり説いてくれる『ワカコ酒』(新久千映)、そして、イチャイチャ全開な夫婦が美味しいカクテルを一緒に楽しむ『お酒は夫婦になってから』(クリスタルな洋介)も大好きだが、この『パパと親父のウチ呑み』のように、男二人がしっぽりと酒を嗜み、疲れを除くストーリーも心に響いてくる
下戸の割に、酒飲みの漫画を読むんだね、と言われる事もある
自分でも不思議なので、この(2)を読みながら、しみじみと考えてみた
きっと、私は、お酒やそれに合う料理を楽しそうに、気持ちよさそうに、美味しそうに味わうキャラを見るのが好きなんだろう
きっと、所ジョージさんと佐藤栞さんがMCを務める、「笑ってこらえて!」の一コーナーの「ハシゴ酒の旅」も欠かさずに見るのも、同じ理由だ
アルコールで理性を完全に失わず、節度を保って、飲みニュケーションが築ける、それがカッコいい大人ってやつだろう
酔っ払いの失態をネタにした四コマ漫画、それも笑えるのだが、実際、その酔っ払いが自分の家族だったら、情けなくて涙が出てしまうに違いない
何やら、話がズレてしまった気もするが、この(2)も好い加減でほろ酔いになれた、そこが大事だ
私のように酒が呑めない人間も、旨い酒と肴が好きな人も、誰かと飲む状況なのが好きな人も、酒を飲む男二人って絵面がツボな人間も、全員、楽しめるってのは地味に凄い
キャラクターたちの呑み方が、酒飲みからすると、最高の描き方をされている、と言う意見も聞く
その辺りがピンと来ない分、料理が更に美味しそうに見える、私には
もちろん、それは、ストーリーが良いからだ
日常的に起こりうる問題に立ち向かい、それを解決できた、自分へのご褒美に、気の置けない友と酒を飲み交わすストーリーってのは、自分でも驚くくらい、心に響いてくる
料理で、父親同士の絆が強まる一方で、男の友情を深めているのが酒なんだろうな
基本的に、ウチ呑みで、リラックスしている状態ってのも良いのだろう
本編じゃ見えないキャラ達の一面が、酒の力で引き出され、なおかつ、引き立てられている
極端な言い方をするなら、このスピンオフを読んでいないのに、本家の良さを語っちゃいけない
お酒を飲んで、ちょっとオープンになっている千石さんと晴海さんを、こちらで見てこそ、本家で育児に対し、真剣に向き合う二人の父性に一層、グッと来るはずだ
酒が呑めない私が、この(2)で一つ、お勧めを選ぶのなら、14話「スペアリブのビール煮」だ
メニューそのものが美味しそうで、肉欲を刺激されるってのも否定しないが、千石さんの自分の仕事に対する矜持が感じられるのも、ポイントが高い
スペアリブにザワークラフトは必須、これもまた、硬派な男の譲れないものなんだろう
話のラストが、育児で手一杯てトコに落ち着いているのもいい
ただ、まぁ、誤解を恐れずに言うなら、竜也の言っている事も分からん訳じゃない
見ちゃうよな、見ちゃいけない、と頭じゃ解かっていても
けど、プロとしてお金を貰う以上は、仕事の時は我慢、それが大人だ
この台詞を引用に選んだのは、晴海さんの成長と変化が感じられるので
ウチ呑みの醍醐味に限らず、大半の事の良さは、自分で挑戦して、経験してみないと感じられないものだ
思いきって試してみて良かった、そう思える、心の余裕は人を成長させるのだ
お酒で失敗しちゃう人ってのは、もしかすると、自覚していないストレスで、心がパンパンに膨らんで、破裂寸前なのかもなァ -
Posted by ブクログ
誰にだって、目を背けたくなるような過去があるもんだ
顔から火が出そうなほど恥ずかしい事があったとしても、その青臭さが「今」に繋がっているのだから、忘れちゃいけないし、無かった事にしても仕方がない
どんなジャンルの漫画にも言える事だけど、過去編で人気が左右する、と言っても過言じゃない
過去編で読み手の心を揺さぶって人気がより高まる作品もあれば、それなりに人気があったのに過去編で手を抜いたせいで打ち切りの憂き目に遭ってしまう作品もある
過去の経験や努力がキャラの背骨になる以上、読み手を納得させるものにしなくちゃいけない
漫画家にとってはプレッシャーだろうが、それを跳ね除けてこそ得られる成長もある
この(8)、あくまで、個人的な印象ではあるが、実に好かった
千石さんも、晴海さんも、まだまだ、自分達は父親として半人前だ、と思っているだろうけど、そんな現在よりも、酷かった時期が彼らにはあった
自分の子供との向き合い方が一人では掴み切れず、かと言って、逃げだす訳にもいかず、ギリギリだった二人だったからこそ、この共同生活は上手く行ったんだろう
やっぱり、育児ってのは助け合いが肝心なのだろう
友人よりかは少し深い関係性である二人を繋げたのも食であり、ギスギスしかけていた父と娘の関係を改善の方向に向けてくれたのも食
食べるってのは、体だけでなく、心の育成にも大事なんだな、そう、しみじみと感じるストーリーだ
我武者羅に悪戦苦闘する姿にこそ、父親のカッコ良さってのは如実に出るのかも知れない
どの回も、心と胃、どちらにも響いたが、最も好感が持てたのは、40話「チンジャオロースー」だ
青椒肉絲が大好物の一つであるコトは否定しないが、ストーリーの良さで推したい
育児あるあるのような気がする、炊飯器の買い替えは
子供は成長していくごとに食欲が増していき、これまでの炊飯器で炊ける米の量では足りなくなっていく
大変だ、と思いながらも、親ってのは子供がいっぱい食べられるようになっていく事に、幸せを噛み締めるんだろう
しかし、ここ最近の炊飯器ってのは多機能ですよね。下手に良い物を買っちゃうと、米すらマトモに炊けない可能性が。個人的に気になっているのは、米を入れると必要な水の量を教えてくれるタイプ
また、この回は次巻への引っ張り方が上手い。半々人前だった頃の自分を懐かしい、と感じ、少しは成長できただろうか、そんな自信が芽生えた矢先にやってきた、己の過去の中でも特に重い事件
果たして、晴海さんはこれを受け止めきれるんだろうか。彼は優秀な分、どうにも、問題を自分一人で抱え込みすぎやすい。育ちもあるんだろうけど、誰かを頼るってのは、悪いことでも弱さでもない
この台詞を引用に選んだのは、千石さんの男気が滲み出てるなぁ、と感じたので。こんな事を言ってくれる旦那なんていない、やさぐれた意見もあるかも知れないが、漫画の中にくらい、こんなカッコイイ旦那がいてもいいではないか。夢を追うのに、年齢も立場も関係ない。助けてくれる誰かがいて、「やってこい」と背中を押してくれるのならば、その人の為にも躊躇せず、やってみるべきだ -
Posted by ブクログ
ほんと、この『パパと親父のウチご飯』は空気、雰囲気がいいんだよなぁ
今更だし、巻数的にもキリが良いって訳でもないんだが、言いたい事は言っておかないとモヤモヤしちゃうんで
家族と料理の掛け算で、読み手のハートと胃袋がしっかり掴まれる
山田可南先生の『澤飯家のごはんは長男の光がつくっている。』も似たような雰囲気ではあるが、私個人の感覚としては、『パパと親父のウチご飯』の方が好きだな、うん
ただ、誤解しないでほしいが、山田先生の漫画家としての実力が、豊田先生に劣っている、と言いたい訳じゃない
『澤飯家のごはんは長男の光がつくっている。』には、『パパと親父のウチご飯』にはない、青春の要素がある
恐らく、『パパと親父のウチご飯』が好きっつーか、共感できるのは、私の年齢が光よりも、千石さんと晴海さんに近いからだ
あと、大人でもキッカケ一つで、人間的に成長できるんだなってコトを、ストーリーから感じ取れるってのも強みだろう
千石さんと晴海さんは料理と育児を通して、親としても、男としても、何より、人として着実にイイ変化をしている、ちょっとずつ
また、子供たちも、そんな父親らの姿を見て、大きくなっている、心身ともに
そんなキャラクターらの変化と成長が、作品そのものの質を上げている
このペースの調整に、私は「見事だ」と感じるのだ
『中華一番!』シリーズや、『鉄鍋のジャン!』などに登場する、材料とスキルがぶっ飛んでいるからこそ美味そうな料理も最高だが、『パパと親父のウチご飯』のように、日常的な食材で、家族と一緒に楽しく作れる料理を見ても、お腹が空いてくる
結局のとこ、私は雑食なんだろうな
まぁ、自嘲交じりの自己反省はさておき、どうやら、次巻は千石さんと晴海さんの過去パートのようだ
どのジャンルでもそうだが、過去パートってのは、今後の人気を左右すると言っても過言じゃない
豊田先生に限っちゃ、不安はないので、純粋に、この正反対かつ似た者同士である二人が何故、強い友情で結ばれ、ルームシェアする事になったのか、気になるなぁ
なので、その辺りにツッコンだ質問をしてくれた彼には、悔しいが感謝しよう
最初が最初なので、変化の具合が子供より著しいな。これは良いのか、悪いのか、微妙ではあるが、まぁ、周囲の人間から良い所を学ばず、自分を磨けない奴もいるし、マシだろう
どの回も、好感が持てるものばかりだが、個人的に一推しなのは、35話「ピーマンの肉詰め」だ。ピーマンの肉詰めが好きってのもあるが、何より、誠一郎くんの男っぷりに尊敬の念を示したかったので。やっぱり、晴海さんの息子だよ、彼は。軟らかそうに見えて、やる時はきっちりやるトコはそっくりだ。きっと、父親に似て、良い男になりそうだな
この台詞を引用に選んだのは、さすが、清一郎くんのパパだ、と思ったので。親友のプライドを慮りつつも、父親としての威厳の示し方を真摯に説く姿は、実に凛々しかった。人間ってのは、時に失敗する。むしろ、失敗からの方が、自分の糧になるものを得られる。大事なのは、失敗しない事ではなく、失敗から学び、同じ失敗を繰り返さない、そんで、子供に失敗はカッコ悪くない、と教える事だ -
Posted by ブクログ
まさか、スピンオフを豊田先生本人が描くとは思ってもいなかった
それだけの実力と自信が豊田先生に付き始めたのは、(1)からファンである漫画読みとしちゃ嬉しい限り
やはり、本人が描くと、質の高いスピンオフになるな。『鉄牌のジャン!』や『鬼切丸伝』が良い例であろう
いや、もちろん、『男塾外伝』シリーズや、『3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代』などが面白くない、と言っている訳じゃない
他の漫画家さんが書く事で、オリジナルでは出せない味が出る
いずれにしても、ファンを満足させる、それが大事であり、それを満たしていなければ、スピンオフやパロディは描くべきじゃない
『パパと親父のウチご飯』は、先にも書いているが、子育てをベースにした食漫画である。なので、食系の漫画だけでなく、育児をテーマにした作品の中でも上位に食い込めるだけの内容だ
そんな好い作品のスピンオフの主題、それは父親らの家呑み
シングルファーザーに限らず、世のお父さんは育ち盛りの子供がいれば、外で一杯ひっかけてくるのは難しい。金銭的な事情、奥さんに怒られる可能性など、色々とあるだろう、理由は
しかし、どうしてもお酒が呑みたい、できれば、最高のオツマミと一緒に
そんな悶々としているお父さん、そんな我慢してくれているパパのために何かしてあげたい奥さんにお勧めだ、この『パパと親父のウチ呑み』は
本家と同じく、家でも作れる、ってのを大事にしているので、料理のレベルは割と平均的。なので、普段は台所に立たないお父さんも一念発起すれば、作中のオツマミを再現し、家でも美味しいお酒が呑めるのは間違いない
スピンオフだけあって、基本的に子育て感は薄く、哲と晴海さんが二人で美味い酒を呑み、楽しみ、絆を深めるってトコに、ストーリーの重きがある
こう言っちゃなんだが、本家より腐女子、腐男子を喜ばせそうな距離感だ、哲と晴海さんは
子供を育てるのは大変だけど楽しい。けど、ふと、息抜きしたくなる時だってある
それは責められる事じゃないし、責めてはならない事だ
子のいる大人は、いつも肩肘を張ってなきゃいけない決まりもない
『ワカコ酒』のように外呑みもいいけれど、親友と言うには少し違うパートナーと絆を強めるのなら、時間や料金に気兼ねなく呑める家の方が良いのだろう
どれも美味しそうだけど、やっぱり、3話「豚の角煮」にはKOされてしまった。夏に作るには、少し熱すぎる料理ではあるかもしれないが、夏バテを避けるのであれば、スタミナのつく豚肉はぴったり。この角煮と米を一緒に食べる、想像しただけでお腹が減ってくる。また、ジイさんらから商品を巻き上げた哲が晴海さんにコテンパンにされるってストーリーのオチも良かった
この台詞を引用に選んだのは、やっぱり、哲は良い男だな、と思ったので。哲本人は晴海さんが抱えている、仕事に対する小さな悩みは知らない。これも、アボカドについて言っただけだ。けど、そういう言葉が案外、閉塞しそうな現状に突破口を開くのだ。この言葉をポジティブに受け止め、動いてみた晴海さんも、やっぱり良い男だ