【commons】
"think global, act local" -commons
坂本龍一が主宰するレーベルcommons(コモンズ)の運営方針。
・ローリスクでの管理と、それに対応してのリーズナブルな収益の重視
・複数の能力を発揮できる、少数スタッフでの運営
・デジタルレコーディング技術の進歩による、ローコストのレコーディングの実践
多様多彩なセール、配信とパッケージ商品の両方へのこだわり、かつこだわりのなさ
・リアルショップのみならず、WEBを利用した通販ショップでの併用販売
・売上面で偏っていても、確実に顧客を持つ国内外の原盤の発売等
【これからのレーベル、ひとりから「村」へ】
これからのレーベル作りには音楽のクオリティと経営戦略の療法が必要です。
自由に出入りができる家のような、またいつのまにか住み着く人が増えていく村のような!
新しいレーベルとは、一人から始まり、少しづつ集まり、一人ぼっちではない「村」のように発展していくものだと思います。
一人ひとりが独立していて、でも時折出会いがあり、必要なときはそれこそ物々交換に出かけるような、楽しくてぎこちないもの。
【廃校を利用】
首都圏に増え続ける廃校→学校=みんなが集まりやすい場所
cf. パリでは廃校の再利用が実践されている
cf. エア・ポケットのような地域
廃校→文化施設へ
未来型レーベルは活動拠点として、リアルな場があったほうが広がりが出る。
入り口としてTwitterとUstreamを活用する。
【コミュニケーションをマネタイズ】
商品とか情報を売るというよりも、コミュニケーションに注目が集まってきています。
音楽を売る一方、アーティストとファンのコミュニケーション自体が、商売になっている。
その場合、「キャラクター」が大きな要素になる。
音楽を作ることを前提とするのはもちろんのこと、そこから先に、アーティストがどういうキャラクターやストーリーを打ち出して、ネット時代のパーソナルとしてどう消費してもらうか。
【送り手から作り手へ】
音楽SNSが登場したことで音楽を作る上でもっとも上流に位置するアーティストが、レコード会社やメディアに頼らないかたちで直接ファンとコミュニケーションを行い、自ら道を切り開くという選択が可能になったのです。言い換えれば「送り手」の中からアーティストが「作り手」として切り離され、「作り手」と「受け手」とがダイレクトにつながる現象が生まれているともいえるでしょう。
【トップダウンからボトムアップへ】
トップダウンの形だけで音楽をリスナーに伝える時代は終わったのです。トップダウンではなく、音楽SNSのようなプラットフォームを利用してボトムアップの形でファンとアーティストが一緒に成長する。未来型の音楽ビジネスはまずアーティストとファンがフラットな場でつながることから始まっていくのでしょう。
【旧来のレコード会社の3つの役割】
レコード会社はかつて音楽産業において中心的役割を担っていました。そしてその機能は大きく分けて次の3つと言われています。
①アーティストの発掘・支援
②作品を作るための資金提供
③作品を世に広めるプロモーション活動
これら3つの機能は潤沢な資金や全国規模の組織がなければ実現不可能なものでしたが、デジタル技術やインターネットが普及した現在において、コストや意義の面で大きな変化が訪れています。
【アーティスト独自のプラン】
「僕の音楽の価値は1万円だ」としてもいいし、ある人は「僕は1曲10円で売ります。そして10億人の人に買ってもらいたい」とするプランがあってもおかしくない。
【これからの時代・音楽と言葉】
津田「これからはいい時代になりますよ。お金は重要ですが、お金しか考えられない人は退場せざるをえない。逆に言うと、音楽がおいしいビジネスではなくなるのですよ(笑) だから、そういう人たちが自然に淘汰されていくことは、音楽の未来にとって悪いことではないはずです。身も蓋もないことを言えば、音楽と芸能界との切り離しは進むでしょうね。
牧村「他の文化とのコラボレーションが可能という意味では、音楽ほど広いものはないです。いろんなものとコミュニケーションができます。音楽は時間をかけて、ひょっとすると言葉と同じものになるのかもしれません。もともと音楽と言葉は同時に生まれたものだと思うからです。人間に戻るということですね。長い、長い時間をかけて生まれたところに回帰していくのでしょう。
【Twitterに種を蒔く】
津田「夢見がちというのとは別に、種をまいておくことは作業として必要ですね。ツイッターは種をまいておくには最高のところです」
ex. 「ツイッタージャーナリズム教えたいな」とつぶやいたら5分で決まったんです。