【感想・ネタバレ】未来型サバイバル音楽論 USTREAM、twitterは何を変えたのかのレビュー

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Posted by ブクログ 2013年01月17日

2010年の発行で内容は古くなっているのだが、音楽業界の歴史と展望、あり方が対談形式で面白く書かれている。

音楽業界に限らず、ビジネスのヒントが置かれている内容だった。

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Posted by ブクログ 2011年02月05日

漠然と聴いていた音楽のこれまでとこれからについて輪郭が見えてきた気がします。そしてこれからは創作者と受け手の関係性や作品の純度といったものが大切になってくるとも感じました。

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Posted by ブクログ 2014年12月19日

音楽業界にもICTにも確かな見識、知識を有する著者らの音楽論は興味深かった。
いくつものイノベーションにより音楽業界には相当な逆風が吹いてきたと同情すらしていたが、本書を読んでその考えは変わった。そもそもが”その筋の人”が暴利を貪っていた業界であり、むしろ現在は庶民のための健全な世界になってきただけ...続きを読むとも言える。

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Posted by ブクログ 2018年10月20日

かつて音楽は"芸能界"のものだった。CDの売上ランキングに未だその残滓が伺える。それは今でも人口に膾炙した音楽ではあるが、もはや"一番聴かれている音楽"では無い。MP3による音楽の軽量化、USTREAM,twitter,MySpace,VOCALOIDなどによ...続きを読むる新しい径路の誕生、ライブ・コンサート市場の拡大、そもそもの娯楽の多様化などなど理由はいくらでも付けられるが、小売業界では一世代前に通過した"大量消費の終焉"にやっとこさ追いついたにすぎない。既存の業界は生半可市場がでかすぎたことで断末魔をあげつつもしぶとく、多くの歪みを残しつつある昨今に思われるので、一刻も速く新しいマネタイズの道が切り開かれることを期待する。

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Posted by ブクログ 2012年06月19日

音楽業界の変化について、プロダクトの変化・ネット環境によるアーティストとリスナーのコミュニケーションの変容等の観点から論じた新書。感想としては、悲観的な報道が多い音楽業界について、まだまだ明るい未来を切り開ける可能性はあると感じた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年01月25日

 メディアジャーナリストと音楽プロデューサーのコラボレーションを通じて、今後の音楽業界のあり方を考えていく試みのようだ。

 かつて音楽メジャーは、レコードやCDの売上と、著作権・著作隣接権の管理の仕組みを以って莫大な利益を得ていた。彼らがその仕組みを維持できた理由は、かつて音楽を消費者に届けるため...続きを読むには、レコーディング、プレス、流通、マーケティングなどに対する主にコスト面での参入障壁が高かったためだ。
 この仕組みも悪い面ばかりではなく、莫大な利益の一部を使って新人育成や、メジャー内の小レーベルの維持などを行っていた良い面もあり、一概に否定できることではなかった。しかし、バブルが崩壊しCDの売上が落ちていくに従って、この、暗黙の仕組みは崩壊し、利益を優先した音楽作りが業界の主流となってしまった。

 そうした中で、音楽メジャーは、CDや音源の販売だけでなく、ライブにおける物販や、コミュニティの運営による利権にその手を延ばしつつあるらしい。その一形態が、360度契約という考え方だ。
 これは、ライブ活動のコストを折半する代わりに、その音楽活動から得られる全ての利益も折半するという形態の契約だ。これからのアーティストは、こういった選択肢も含めて自身の音楽活動をデザインしていかなければならない。

 こういったやり方に馴染めない場合には、他の方法もある。インターネットの普及と、USTREAM、twitterの開発、収録機材のコモディティ化は、レコーディング、プレス、流通、マーケティングなどに対する参入障壁を格段に低くした。アーティストと周辺の少数で、音楽のための音楽作りをすることが可能な環境は整ってきつつある。
 だがこのやり方にも、まだまだ問題も多い。こうしたインターネットにおける音楽利用には、著作権、特に著作隣接権の管理の仕組みが出来上がっていないのが現状だ。このため、原盤権を侵害しかねない音楽利用には慎重にならざるを得ない。音楽を普及させたいという意志があっても、古いタイプの業界慣習がそれを邪魔しているのだ。

 著者それぞれの立場から、自身の経験などを交えつつ、今後の音楽業界のあり方を考えていくわけだが、現実はなかなか彼らの考えるように素直には進まないようだ。音楽がオイシイという考え方は廃れるといっても、現実を見れば、CDに付加価値をつけてひとりに何枚も売るというようなやり方が、ひとつの完成を見つつあるのだから。
 しかしツールの発達は、音楽を広めたい人間にとっての選択肢を増やしていることは間違いない。これを現実社会の仕組みに落とし込むまでの活動を誰がやっていくのかを、これからは考えていく必要がありそうだ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年10月17日

①マネタイズの変化
かつてのレコード会社は新人育成・レコーディング・CMとのタイアップによる広告などに投資しCDの売り上げにより利潤を得ていた。しかしデジタル化とコンテンツの多様化によりCD売り上げ市場が縮小化してきた現在ではレーベルも新しいビジネスモデルの構想が迫られている。筆者二人はライブ収入と...続きを読む物販収入に価値を見出している。特にTシャツなどは原価率が低く済むので、「高く、狭く」売るようなファンを囲い込むビジネスの行い方が今後優勢となってくるとみている。この閉鎖性とブランディングは相性が良く、どちらも未来型レーベルのキーとなる概念のようだ。またライブやフェスは年々市場規模を拡大している分野である。この状況下でレーベルが打ち出しているアーティスト活動の全てにレーベルが噛んでいくような経営戦略を360度契約という。
しかしいかにライブ産業がこれから興隆していこうと、一定の観客数に満たない場合アーティストに補填させる「ノルマ制」などを採用しているライブハウスは淘汰されていくだろうと予見している。

②アーティストの個人発信
ネット上に様々なプラットホームが生まれたことは間違いなくアーティストの個人発信を容易にした。アーティストは宣伝・販売を個人で行うことが可能になったためである。現在ではMySpaceなどのプラットホームで自身の曲をリスナーにストリーミング再生させ、購入するリスナーにはMP3でアーティストとリスナーが直接取引するといったかたちである。またユーストリームでライブの映像を中継されることも多くなってきた。これも新しいタイプの広告といえよう。このようにアーティストが自ら(あるいはごく小規模の協力者と)宣伝・販売などを手掛ける構想を筆者は「一人1レーベル」と呼んでいる。

③新時代の著作権
DOMMUNEとはUstream上にあるライブ・ストリーミングとDJプレーのストリーミングを中心とする音楽コンテンツである。この番組のようなタイプでは多くの楽曲が番組内で使われえるため、事前に個々の著作権者に許可を得るのが難しい。よって現在DOMMUNEはいつ閉鎖されてもおかしくない状況で運営しているのが現状である。しかしこれがもし電波で放送されるコンテンツだとしたら状況はことなる。というのも電波上の放送には「著作権者に事前に許可をとる必要はなく、著作権者は放送の後に使用料を請求できるのみ」という特権が認められているからである。筆者は新時代の著作権はネット上でもやみくもに排他性を主張するのではなく、ゆるやかに権利を保持し宣伝としていかす必要があると結論づけている。

前に読んだクリスアンダーソンの「フリー」から多くの問題認識のフレームワークを借用しているように感じた。そしてその予想は筆者が後半でロングテールという言葉を用いることで確信に変わった。ただフリーよりも日本の状況というものに寄り添って考察しており、ガラパゴス的な日本に固有の問題というのも多いものだと認識させられた

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Posted by ブクログ 2011年10月03日

CDを買い続けてる自分からすると、CDが売れなくなったって実感は無いけど、いろんなデータを見ると、今の音楽業界の厳しさがつぶさにわかった。

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Posted by ブクログ 2011年09月28日

非常に読みやすい。
CDが売れなくなった理由や背景、好調なライヴ・フェス、音楽業界がどう変わったのか等々分かりやすくまとめられてる。
そしてこれからのレーベルの有り方、まだまだ出来ること、しなくちゃいけないことへ導かれてる。
悲観的なことが全く書かれていない。

”これからのミュージシャンは、音楽以...続きを読む外のところから刺激を受けていった方がいい”という言葉はとても共感できる。

Low High Who?(通称LHW?)というレーベルがまさに未来型レーベルなんじゃないかなと思った。
シンガーであるPranellがレーベルを立ち上げて、自身の音源や描いた絵やアニメを直販する。さらにはPVまで作り上げる。
すべてを一人でこなしているかは分からないが、レーベル=音楽にとらわれない活動している。

他にもHaiiro de rossiというラッパーは forte というレーベルを立ち上げたりしている。

本の通り、一人一役じゃなくなっているなと実感した。

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Posted by ブクログ 2011年07月19日

音楽ニュースサイト「ナタリー」の代表取締役の津田大介さんと、音楽プロデューサーなのでしょうか、レーベルをいろいろ作ってこられた牧村憲一さんによる、これからの音楽の需要と供給についてなどを論じたり、対談したりした本です。

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Posted by ブクログ 2011年06月13日

昨年,メディアテークのイベントで津田さんを知って,教授と大貫さんのライブのユーストを見て,牧村さんを知って,この本を読み終えたあとツイッターのTLを見ていたら,DOMMUNEで小室さんのライブを知った。
なんかすごい偶然だなぁ~。

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Posted by ブクログ 2011年05月30日

SNSの普及やテクノロジーの進歩で音楽に限らずモノを作りだす人が正当に評価されて、稼げるようになりそう。自分で作ってプロモーションして欲しい人に届ける。夢があるし、それが本来あるべき姿と思う。

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Posted by ブクログ 2012年01月18日

 レコード立ち上げに関わる「中の人」の視点と、権利関連など音楽業界を客観的に分析する「外の人」の両面から、音楽業界の現状と今後の展望を対談形式で綴っている本です。
 個人的には、音楽"産業"の今後について、漠然と抱いていたイメージがどういったものだったのか、を掴むきっかけになりま...続きを読むした。
 著作権や利益配分などのなかなか表に出ない様な話もあり、興味深かったです。

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Posted by ブクログ 2011年03月29日

新しいプラットフォームへ移行を始めているめまぐるしい音楽業界の動きと、これからの音楽レーベルの未来を分かりやすく書いています。音楽業界の人はもちろん音楽をやっている人も必読の内容です。

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Posted by ブクログ 2011年03月29日

読むまでなんで「未来」と「サバイバル」が組合わさっているのか判らなかったが、考えてみれば音楽は書籍に数年先行して課金配信モデルにパラダイムシフトしているのだった。昔懐かしい「レーベル」の話がいっぱい書いてあるけど、もはやアーティスト〜レーベル〜レコード会社という枠組みは崩れさって、生き残りたければ自...続きを読む分でどうにかしろ、という世界に入ってしまっているんですね。出版の未来を暗示しているような.....

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Posted by ブクログ 2011年03月04日

なるほどと頷く部分よりも共感する部分が多かった。それだけ、新時代の音楽やアーティストと一般市民の関係性が実感として近づいて来てるという事なのかな。

CDアルバムは長くなりすぎた。5曲入りくらいのミニアルバムをより安価で販売していくのが良いという津田さんの話は、僕がまさに思っていた事なので、100%...続きを読む同意。
実際、僕の知っている中では、第一回のCDショップ大賞を取った相対性理論のシフォン主義は5曲入り1000円くらいで売ってるし、→Pia-no-jaC←も7曲程度のミニアルバムを2000円程度で販売して、ある程度成功しているように思う。
こうした流れは、リスナーにとっては喜ばしいものだと思う。

あと、フェスについての考察だが、フェスに出演した無名のバンドがライブによって名をあげるというケースが多く起こっているという点にも言及してほしかったな。
もうちょっと長い頁数の内容に増補したほうが良かったのではと感じた。

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Posted by ブクログ 2011年02月15日

本書が指摘するように、この議論はあらゆるクリエイティブ産業に通ずるところがある。人々がどのように文化を消費し、また消費がどのように文化を創るのか。固定概念に縛られた硬直思考を捨て、柔軟に時代に対応した創作活動を行うヒト達にとって支援の書。

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Posted by ブクログ 2011年02月09日

ここ20年ぐらいの音楽をめぐる状況、環境についてさらっと。身の回りのミュージシャンたちのことを思い浮かべながら、自分のバンド活動についても考えながら。
音楽をやる人にとってはやり方によってはとても幸せになれるチャンスが、めぐってきていると改めて実感。

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Posted by ブクログ 2019年01月16日

 ソーシャルメディア時代における音楽のあり方について語った一冊。
 著者は津田大介と牧村憲一。そう、70年代にはシティ・ポップの裏方として活躍し、80年代にはノン・スタンダードのディレクター、90年代にはトラットリアのプロデューサーとして活躍した牧村憲一である。
 津田大介単体の著書であれば斜め目線...続きを読むで読んでしまったかもしれない内容に、説得力を感じてしまう音楽ファンは僕だけではないはずだ。
 まぁタイトルから想像されるとおりの内容であるが、それ故に含まれる真実が明確に浮かび上がる。とりわけ「歴史」を語る2人の言説は音楽ファン必読。
 CDがますます売れなくなる時代、しかし決して音楽の未来は暗くはない。特に僕が好んで聴いてるようなタイプの音楽は、むしろ明るい展望が見えてくる。
 などと書いたが、同時に自分がいかに時代遅れなリスナーなのか思い知らされた感もあります。CDの議論以前に、まだアナログレコードの魅力にしがみついちゃってるし。

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Posted by ブクログ 2011年05月31日

一気に読みきった。特定の立場に寄り過ぎずに、音楽業界(という言葉が適当かわからないが)の過去、現在、未来を書いており、状況がよくわかった。

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Posted by ブクログ 2012年08月07日

的確な分析で、レコードメーカーの人間としては耳の痛い話も多い。ただ、この本が出た二年前に予想されたほどにはTwitterやUstreamが劇的に音楽のありようを変えているかというと、そうでもない。考えるべき問題は相変わらず山積している。

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Posted by ブクログ 2012年02月17日

タイトルに音楽論とありますが、音楽業界とその周辺産業の過去、現在と今後について論じています。アーティストとファン(消費者?)が直接コミュニケーションを取れる場が整った今、音楽業界がどう変わっていくか楽しみです。
まずはDOMMUNEを視聴するのと、頑張っているアーティストをフォローしてみよう。

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Posted by ブクログ 2012年01月13日

ビジネスに使える考え方が落ちている。
音楽業界(レーベル)側の語り口と考え方なので、広告業への直接のヒントにはならない。

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Posted by ブクログ 2011年11月27日

1970年代以降の音楽の歴史と、これからの音楽について考察した本。

音楽はこれまで技術的な変化の影響を受け続けてきた。

そもそも音楽とは、演奏の一瞬にだけ出現し、一瞬後には消える「瞬間芸術」であり、人の記憶に残るだけだった。
それを保存可能にしたのは「楽譜」である。
それ以降、レコード、CD、デ...続きを読むジタル技術などにより、音楽は「保存」と「複製」の性能がどんどん高まり、現在に至る。

本書でも論じられているように、音楽も美術も文学も医学も工作も、それらは元々は1つの「技=ラテン語でars(アルス)」であった。
「ars」は英語の「art(芸術)」の語源でもある。

例えば、レオナルド・ダ・ヴィンチは絵画、彫刻、土木建築、工学。医学といった分野で活動していたが、これらは当時にしてみれば1つ、あるいは近接した分野でしかなかった。

しかし、それぞれの分野が高度化するにつれ、その「技=ars」は分業化、専門化していくことになる。
音楽家と作家と芸術家が分かれ、さらに音楽家の中でも「作曲家」「演奏家」に分かれていく。
その後、音楽は「作曲」「作詞」「編曲」「演奏」「著作権管理」「音源製作」「商品製造」「マーケティング」「流通」「小売」といった細かい分業体制の中で行われるビッグビジネスになった。
しかし現在ではCDの売上はピーク時だった1990年代の半分以下まで現象し、かと言って音楽配信はそれを補うほど成長していない。

一方で、ライブやグッズ販売は近年伸び続けているという。
また、Twitter、Ustream、Youtubeなどのツールや、コンピュータによる音楽制作環境は、現在の分業体制から、「ars」へ回帰できる可能性を広げている。

この傾向は、今後、音楽以外の「ars」にも同様に起こるだろう。

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Posted by ブクログ 2011年09月09日

音楽業界の仕組みが他に流用できる気がしたので読んでみた。
iTunesは画期的な仕組みだが、それはユーザー視点で見たとき。
一番儲かるのはアップルで、アーティストに入ってくる率は通常の流通と大差ない。そこに完璧と思われるiTunesの穴がある。

ライブの動員数は増加。フェスの影響が大きいが、リアル...続きを読むを経験したい人は増えている。マドンナ、レディーガガはいい例。

ソーシャルメディアの普及でレコード会社のあり方も変化。
(この辺はB2C全般に言える)

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Posted by ブクログ 2011年08月08日

【commons】
"think global, act local" -commons
坂本龍一が主宰するレーベルcommons(コモンズ)の運営方針。
・ローリスクでの管理と、それに対応してのリーズナブルな収益の重視
・複数の能力を発揮できる、少数スタッフでの運営
・デジタル...続きを読むレコーディング技術の進歩による、ローコストのレコーディングの実践
多様多彩なセール、配信とパッケージ商品の両方へのこだわり、かつこだわりのなさ
・リアルショップのみならず、WEBを利用した通販ショップでの併用販売
・売上面で偏っていても、確実に顧客を持つ国内外の原盤の発売等

【これからのレーベル、ひとりから「村」へ】
これからのレーベル作りには音楽のクオリティと経営戦略の療法が必要です。
自由に出入りができる家のような、またいつのまにか住み着く人が増えていく村のような!
新しいレーベルとは、一人から始まり、少しづつ集まり、一人ぼっちではない「村」のように発展していくものだと思います。
一人ひとりが独立していて、でも時折出会いがあり、必要なときはそれこそ物々交換に出かけるような、楽しくてぎこちないもの。

【廃校を利用】
首都圏に増え続ける廃校→学校=みんなが集まりやすい場所
cf. パリでは廃校の再利用が実践されている
cf. エア・ポケットのような地域
廃校→文化施設へ
未来型レーベルは活動拠点として、リアルな場があったほうが広がりが出る。
入り口としてTwitterとUstreamを活用する。

【コミュニケーションをマネタイズ】
商品とか情報を売るというよりも、コミュニケーションに注目が集まってきています。
音楽を売る一方、アーティストとファンのコミュニケーション自体が、商売になっている。
その場合、「キャラクター」が大きな要素になる。
音楽を作ることを前提とするのはもちろんのこと、そこから先に、アーティストがどういうキャラクターやストーリーを打ち出して、ネット時代のパーソナルとしてどう消費してもらうか。

【送り手から作り手へ】
音楽SNSが登場したことで音楽を作る上でもっとも上流に位置するアーティストが、レコード会社やメディアに頼らないかたちで直接ファンとコミュニケーションを行い、自ら道を切り開くという選択が可能になったのです。言い換えれば「送り手」の中からアーティストが「作り手」として切り離され、「作り手」と「受け手」とがダイレクトにつながる現象が生まれているともいえるでしょう。

【トップダウンからボトムアップへ】
トップダウンの形だけで音楽をリスナーに伝える時代は終わったのです。トップダウンではなく、音楽SNSのようなプラットフォームを利用してボトムアップの形でファンとアーティストが一緒に成長する。未来型の音楽ビジネスはまずアーティストとファンがフラットな場でつながることから始まっていくのでしょう。

【旧来のレコード会社の3つの役割】
レコード会社はかつて音楽産業において中心的役割を担っていました。そしてその機能は大きく分けて次の3つと言われています。
①アーティストの発掘・支援
②作品を作るための資金提供
③作品を世に広めるプロモーション活動
これら3つの機能は潤沢な資金や全国規模の組織がなければ実現不可能なものでしたが、デジタル技術やインターネットが普及した現在において、コストや意義の面で大きな変化が訪れています。

【アーティスト独自のプラン】
「僕の音楽の価値は1万円だ」としてもいいし、ある人は「僕は1曲10円で売ります。そして10億人の人に買ってもらいたい」とするプランがあってもおかしくない。

【これからの時代・音楽と言葉】
津田「これからはいい時代になりますよ。お金は重要ですが、お金しか考えられない人は退場せざるをえない。逆に言うと、音楽がおいしいビジネスではなくなるのですよ(笑) だから、そういう人たちが自然に淘汰されていくことは、音楽の未来にとって悪いことではないはずです。身も蓋もないことを言えば、音楽と芸能界との切り離しは進むでしょうね。
牧村「他の文化とのコラボレーションが可能という意味では、音楽ほど広いものはないです。いろんなものとコミュニケーションができます。音楽は時間をかけて、ひょっとすると言葉と同じものになるのかもしれません。もともと音楽と言葉は同時に生まれたものだと思うからです。人間に戻るということですね。長い、長い時間をかけて生まれたところに回帰していくのでしょう。

【Twitterに種を蒔く】
津田「夢見がちというのとは別に、種をまいておくことは作業として必要ですね。ツイッターは種をまいておくには最高のところです」
ex. 「ツイッタージャーナリズム教えたいな」とつぶやいたら5分で決まったんです。

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Posted by ブクログ 2011年05月19日

ユーストリームのとある話が面白かった。

「話題になった事件ではYMOのコピーバンドがユーストリームで配信していたときに、著作権である坂本さんがツイッター上で乱入して「『東風』弾け!!」と、権利侵害しているバンドを煽り、さらにそこに、高橋幸宏さんも乱入して「(僕も)見てるよ」とのっかかった、というこ...続きを読むともありました。」


2人のツイッターはできるだけ追ってたつもりだけど、こんなことがあったなんて知らなかったな~。


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映画『男と女』


サラヴァ


高円寺「円盤」、下北沢「モナレコーズ」

『サイハテ』フルカワミキ

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Posted by ブクログ 2011年04月27日

音楽業界の簡単な歴史と現状把握。ユーストリームとTwitterが与える影響は大きい。1人1レーベル。

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Posted by ブクログ 2011年03月09日

音楽業界のビジネスモデルの変遷についての解説。牧村氏が「渋谷系」など過去の歴史を語り、津田氏が、初音ミク、DOMMUNE、七尾旅人、フェスなど、新しいモデルの提示。

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Posted by ブクログ 2011年08月15日

牧村憲一氏が過去の音楽業界を振り返っているところが、二人が語る音楽業界の将来を説得力のあるものにしています。第5章のネットは「サロン」との発言は正に同感、Twitter等ソーシャルメディアでのネットワークが新しい息吹となって次代の音楽や文化を創っていくのだと思う。
津田大輔氏もプログレファンだったと...続きを読むは!w

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