藤田直哉のレビュー一覧

  • ゲーム作家 小島秀夫論――エスピオナージ・オペラ

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    作品を細かく解説しており、読んでいると、小島監督作品を遊びたくなります。
    親◯しのテーマ、声帯虫は言葉で人を◯すの暗喩、など、読んでいてハッとするような評論が多く、作品をより深く知れて、面白かったです。
    いろんな作品で小島監督の血肉が入っていて、すごい作家性のあるゲーム作品なのだと痛感しました。
    力強いメッセージ性が各作品内にあり、良質なエンターテインメントなので、これからも小島さんの作品を楽しもうと思いました。

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    2025年10月30日
  • 攻殻機動隊論 新版_2025

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    日米貿易摩擦で、アメリカ人は日本人を「エコノミック・アニマル」と蔑称し、駆逐しようとした。その折、映画『ブレードランナー』では、人間らしいロボットを処理することが仕事の主人公が、ロボットに恋した。

    戦後の日本はとことん西洋化した。西洋の精神などちっとも受け入れないまま、形式だけが西洋化し、プリンシプルは無く、「ニセモノ」と言う言葉が日本人の脳裏をよぎった。


    押井守版・『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』のワンシーン

    人形使い:一生命体として政治的亡命を希望する...
    人間:バカな!自己保存のプログラムに過ぎん!
    人形使い:それを言うならあなたたちのDNAもまた自己保存の

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    2025年10月23日
  • ゲーム作家 小島秀夫論――エスピオナージ・オペラ

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    本人も書いているが、音楽・音響に対する
    論評があるとより完璧だが、それでもこの本は
    小島秀夫論としてはとても良く、完璧。

    いかにその時代に対して向き合ってきたか。
    小島秀夫監督の作るゲームは素晴らしい。

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    2025年08月08日
  • クリティカル・ワード ゲームスタディーズ

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    「クリティカルワードシリーズ」は、キーワードをテーマに豪華な執筆陣が評論する書籍。第1章「理論編」では、「ルール」「メディア」などを3人ずつの視点で比較し、読者が考えるきっかけを提供する構成が特徴。第2章では「アイテム」「学習」「ツーリズム」などを専門家が解説。ゲームは歴史が長く要素が多いが、研究が進みにくい中、本書を通じてゲームをより深く楽しむ知見を得られた。

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    2025年07月20日
  • 現代ネット政治=文化論

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    ネタバレ

    面白かった!

    p.36「『弱者男性』論は、「男性」の中で見過ごされてきた「弱者」の問題を提起する意義のある側面と、ミソジニストや家父長制主義者が女性を攻撃する側面とが重なりながらネットで展開していた」

    かなり最近の概念である『弱者男性』について、すでにここまで鋭い解釈があるのかと感心した。世間一般的に強者とみなされる男性への福祉の行き届きづらさに焦点をあてているという意味で価値を認めつつ、インターネットの攻撃性との融合により一面的に擁護し難い論調となっていることを学んだ。弱者の声を拾い上げるインターネットのポジティブな機能がよく働いている例だとは思う。

    また、ゼロ年代に隆盛した「萌え文化

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    2025年01月10日
  • ゲームが教える世界の論点

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    『ゲームが教える世界の論点』藤田直哉

    現代ゲームは人類の心理的緊張への予防接種として機能するらしい。レトロピア【子宮への回帰】や歴史修正を体験できるジャンルの出現は時代に添ったものだろうか…

    今こそ自我を養うツールとして遊ぶべきかもしれない。

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    2023年02月24日
  • 新海誠論

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    こう言った解釈、映画の見方もあるんだなぁと勉強になった。オタク文化やその考え方、子供と大人といった考え方など、自分には今までなかった要素を学ぶことができて面白かった。

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    2023年02月14日
  • サイバーミステリ宣言!

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    サイバーミステリというジャンルを一冊丸ごと語り尽くした評論本。評論という体裁ではあるものの、サイバーミステリという単語に馴染みのない人間を想定して描かれているため、非常に分かりやすく、かつ興味を抱かせる内容となっている。特にSNSを一度でも使ったことの有る人間なら分かるであろうセキュリティの問題や、ネットで醸成される空気感や個の埋没化などは非常に共感を覚える部分であろう。当然、評論としても非常に面白く、サイバーミステリと従来のミステリで変化した部分や、サイバー空間におけるミステリの拡張性などの部分は興味深い内容になっている。特に、データ同定問題における、従来のミステリに比べて物的証拠の正誤を確

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    2019年05月28日
  • 攻殻機動隊論 新版_2025

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    ●2025年5月26日、東京大学・書籍部にあった。セッションで寄った日。

    こんなのもあるんだー。帯「え、イーロン・マスクにも影響与えたの!?読まなきゃ」

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    2025年05月26日
  • ゲームが教える世界の論点

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    現代社会における簡単に解決できないテーマをゲームで表現する。今までこのように類比してゲームをしてこなかった。新たな気づきを得流きっかけとなった。

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    2025年03月05日
  • ゲームが教える世界の論点

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    腰を据えてゲームを体感する時間もそう取れなくなってきた個人的な事情もあって
    タイトル名は各種メディア上で散見する斯様な「意欲作」と呼ぶべき作品の内実についてを
    製作者の発言や、同時代の社会背景を絡めて看取するに、レンジは広く小気味よい潜行の評論となっている。

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    2023年04月29日
  • シン・エヴァンゲリオン論

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    なんだかんだ評論系でエヴァを扱ったモノをちゃんと読んだことはなかったように思う。
    シンエヴァンゲリオンが延期云々で騒がれたくらいからようやく本編に触れ、そこから遡行に遡行を重ねて、動画メディアなどでこの作品のムーブメントがどうであったかを掻い摘む状態であったため
    いくらか独人的な結論の如何も、それはそれとしてさまざまな疑義を享受するこの作品自体へのアプローチと道筋を同じくしており
    大きく見れば今までの資料で得られた知見に適うものでもあった。

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    2022年09月19日
  • 百田尚樹をぜんぶ読む

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    百田尚樹が嫌いだったから、保守(あるいはネトウヨ)的なオジサンというイメージの百田尚樹から、百田の言説は置いておいて、もう少し複雑な人間、男性として読み直せる機会になった。

    百田尚樹が好きな人にとっては、作品を、特に保守言論を積極的に行うようになって以降のもの(カエルの楽園など)を特に酷評しているから、読んでてムカムカするのではないかなと思った。

    また後書きにも書かれているが、完全に批判本であるにも関わらず、百田尚樹本人も一応この本を読んでいて、杉田俊介を酷評をする程度で終わっていたのにいたのは驚いた。

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    2022年09月06日
  • シン・エヴァンゲリオン論

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    「観念的で現実否定的な理想を実現することではなく、不完全で猥雑なこの世界そのものを肯定することを選ぶこと。様々な生命が生まれ続けている不確定で流動的で未知なこの世界を丸々肯定しようとする覚悟。そこに至った点が、旧『エヴァ』との大きな違いであり、その「ありのまま」の態度こそが、登場人物たちをも救済していく。
     ・・・・・・
     「ありのまま」を認めるとは、仏教の思想でもある。世界や自己や生命を、「ありのまま」に、つまり言葉や概念に惑わされずに認識することが、仏教においては目指され、悟りの境地であると言われることがある。
     ・・・・・・
     『シン・』の中では、ありのままに認めることを目指す仏教的な境

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    2021年10月20日
  • ビジュアル・コミュニケーション

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    「動画? なにそれ、おいしいの?」と、子どものしゃべりをそのままコピってただけの私にとっては、役立つ本でした。

    各論者の関心・ターゲットも、対象に切り込むスタイルも違うのに、どこかでつながってる感じがするのは、私の気のせいではないかもしれない。
    特に面白かったのは、視聴者を分析して「望み通り」の映画を作っても実際に見るとイマイチで。「中の人」に多額のギャラを払ってCGを動かしているって、一連の話。
    これって、昔話が語り手を選ぶのと同じ事だよね、多分。手を変え品を変えて、時代は繰り返す、か。

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    2015年12月04日
  • クリティカル・ワード ゲームスタディーズ

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    「ゲームはゲームでしょ?」としか思ってない人の目をひとまず覚まさせてはくれる一冊。聞き馴染みのあるゲームタイトルやゲーム用語がまじめな文脈の中にぽんと飛び出してくるおかしみもあり読みやすい。ゲーム学が今後もっと栄え、一冊丸ごと著者一人のこういう本が出ればいいなと思う。第三部で取り上げられている前提書もなかなかおもしろそうだった。

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    2025年09月07日
  • ゲームが教える世界の論点

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    FF7、言われてみるとめっちゃ攻めてるんだな。かなり面白いですが、ゲームのネタバレが相当に含まれるので、そこだけ注意です。

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    2023年03月03日
  • 新海誠論

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    19
    ベラ・バラージュ『視覚的人間』
    35
    村上春樹
    40
    46
    演出的つながり つながらないことを信じていた
    49
    安彦
    55
    空のむこう=サイバースペース
    約束の場所=喪失した故郷
    63
    均質な脱場所⇔地域の固有性
    75
    風景論 柄谷行人
    99
    風景論
    132
    ニュータイプの日本浪漫派
    160
    セカイ系

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    2023年01月24日
  • シン・エヴァンゲリオン論

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    シン・エヴァ論というよりざっくりした庵野秀明論。
    この10年ほどガンガン活躍中の藤田氏。
    に乗っかる感じで自分語りを始めてしまいたくなる自分がいる……著者の境遇に共感したりして。
    危ない危ない。
    シン・エヴァで「成仏」した人向けの本だなとは思う。
    いわゆる謎本や衒学ではまったくない、ちゃんと誠実にロジックに落とし込んだ上で、平易。
    (というか往時の謎本論調が異様だっただけだろうけれど。
    そして本書の修験道云々はやや怪しいかなと思わないでもないけれど。)
    戦後日本のオタク成熟論であるとか、庵野にとっての富野由悠季が、自分たちにとっての庵野にあたるとか、観点が整理された。



    目次
    まえがきー

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    2022年07月30日
  • シン・エヴァンゲリオン論

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    全くの同い年の著者の、エヴァに対する思いが伝わってきた。考察もなるほどなと思うけど、共にエヴァに触れながら数十年を生き、そしてシンエヴァで完結を迎え、世界を、現実をありのまま受け入れて生きるという境地にたどりついた末に感じる思いに本当に共感させられた。

    EOEの驚愕のラストから、こんなに豊かで温かい作品に成長させてくれた監督はじめスタッフに本当に感謝したい。テレビ版、EOE、シン劇場版と、全てが愛おしい、本当に人生において欠かすことのできない作品である。

    そしてその作品をここまで丁寧に解説し論じてくれた著者の作品に対する愛情に敬意を表したい。

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    2021年10月15日