ジョナサン・スウィフトのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ面白すぎる
意外とコメディなのが良かった
テンポよくて物語が超分かりやすい
架空の国の話なのに妙に現実的。小人の国で無双すんのかと思ったら食料問題が具体的すぎて笑った。毛穴とかにおいとかもリアルすぎ。
あと帰り方が現実的すぎて。異世界ものじゃなくて旅行記だからなんだな…
現実世界への皮肉も効いてる。平和の主張がズバッとしてていい。小人の国では平和主義を守ってかっこよかった主人公が、巨人の国で武器の話をしてドン引きされて反省するのもいい。
不思議の国でも信頼できるやつはいるし、利用しようとしてくるやつもいる。でも戦争はしょーもないよ。って主張がわくわくの冒険物語の中に込められてる。
これが300年前に書かれたなんて激アツ。今読んでも最高なんてすごい -
購入済み
色々な読み方ができる
最初の1~2章が童話としてあまりにも有名なため本当に面白い次からの章が余り読まれていない残念な小説である。風刺小説 SF ホラー色々な読み方ができるが、当時としては当然 批判を巻き起こしたし、現代でも通用する社会への警告が含まれていると思う。
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ネタバレ 購入済み
人間なるもの
・逆転の発想:「自分」という存在は、他者との関係によって、見え方が変わる。常識と思われている関係が全てではない。
自分はダメだと感じても、それは「ある規準」の世界でのこと。視点が変われば短所も長所になり得る。
・小人の国:「どうでもいいこと」による戦争→戦争で敵の艦隊を拿捕→ただし敵兵はそのまま→皇帝の不評→
英雄ガリバーは、小便で宮殿の火災を消した→「侮辱罪」→死刑?両目をつぶす?
→政争→亡命→ボート発見→帰還→次の旅へ。
・巨人の国:一見、牧歌的な理想郷。ガリバーは愛玩動物の扱い。(常に死と隣り合わせのか弱い存在)
どんなに魅力的なものでも、超拡大すれば歪な面が見える。
・空飛ぶ島:ラピュタ。特権階級が、地上の民を搾取し、逆らう者は上空から押しつぶす。
理屈ばかりで実践が疎かにされている(数学と音楽以外に興味を示さない)。
・死者と対話できる国:「現在」は「過去」の夥しい死者との連続性の中にある。
歴史は死者たちとともに作られる永くて広大な世界。
しかし、「過去(歴史)」は時の権力者たちに都合よく書き換えられ、不都合な真実は葬り去られるのが常である。
・不死人の国:不死は可能でも、不老は不可能。人間は、樹木のように何百年も隆々と生き続けることはできない。
そのため、いつまでも権力と既得権益にしがみつく者が絶えることはない。
あらゆる感覚や集中力、感性が劣化し、過去の栄光自慢、若さを妬む、向上心の欠如、
自尊心と自己評価の肥大、人を見下す、そのくせ欲深い。老醜である。
・馬(フウイヌム)の国:フウイヌムは理性的。嘘をつくという概念がない。争いもほとんどない、聖者のような生物。
…人間は自然から生まれながら、自然との調和を考えるようには出来ていない。そのため、戦争や環境破壊を繰り返す。
馬の国は、自然への回帰であるが、人間にとっては、偏狭な理性によって友愛を強制され、
優性淘汰が行われがちな全体主義の国にすぎなかった。
フウイヌム(馬)になろうとしたガリバーは結局、裁判にかけられ追放される。
・故郷への帰還:家族との再会。抱擁とキス。失神。
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Posted by ブクログ
面白い本でした。先日のビブリオバトルでご紹介頂いた本。紹介されなかったら読まなかったと思います。ありがとうございました。
ガリバー旅行記は「小人の国」を描いた童話として知られていますが、実際は大人向けの4編からなる連作小説です。
小人の国のリリパット渡航記、巨人の国のブロブディンナグ渡航記、空中に浮かぶ島を持つラピュタ等の渡航記、馬が人間を支配するフウイヌム渡航記の4本。どれも「おとぎの国」とは程遠い国であり、それぞれの国でガリバーはひどい目に遭います。
作家のスウィフトが生きたイギリスは名誉革命(1688年)の直後。国王の権限が制限されて、新たな勢力争いと権謀術数が渦巻く時代です。スウィフトが書きたかったのは、そんなイギリスと空想の中で生まれた不思議な国々の比較であり、比較の中で浮かび上がったイギリスの矛盾点をガリバーを通して論じています。
例えば、
ーリリパットの政治では信賞必罰が徹底している。法律を遵守すれば褒美が貰える。一方、イギリスでは法律の違反者には刑罰が待っているのに、遵守しても褒美はない。
ーイギリスの政治制度を聞いたブロブディンナグの国王が理解したのは「ときとして無知、怠情、悪徳のみが立法府の議員たる資格」となること
18世紀初頭政治への批判者が何を考えていたのかは、もちろん興味あることですが、やはり本書は純粋に冒険譚として楽しむべき本と思います。
ーリリパットの王宮が火事になったとき巨人であるガリバーはどういう消化活動を行ったのか?
ー巨人のガリバーは何を食べたのか?
ーブロブディンナグでガリバーは授乳をどう見たのか?
小人や巨人の国での冒険譚はある程度は子ども向けに翻案できるし、実際、絵本にもあります。強い印象を受けたのは「フウイヌム渡航記」。これを視覚化するのは、かなり難しく、人間の醜さが強調される一編です。この国に滞在することにより、ガリバーは大きく変化します。
正直、ビブリオバトルの前は「ガリバー旅行記」を甘く見てました。カバー裏にある「読むたびに発見を新たにする、冒険小説の歴史的名著」は大袈裟でないと思います。
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Posted by ブクログ
1.目的
これまで知っていた小人の世界だけじゃない旅行があることを知り、読んでみたくなった。
2.得られたこと
表紙の真ん中にLaputaって島がある。
島の中心に回転する磁石が内蔵されている飛行島だ。
なんと限られた範囲なら自由に移動ができるのだ。
ジブリの「天空の城ラピュタ」の原案だ。
ガリバー旅行記がこども向けじゃない理由がよくわかった。
小人の島、巨人の島、空飛ぶ島、馬の島などの生活を通じて、人間の愚かさにフォーカスしていく。
多様性を考える上で大切なことが描かれていた。
日本も若干登場するのが興味深い。
3.アイデア
ダイバシティをテーマにするときに引用したい。 -
Posted by ブクログ
子供の頃に絵本で読んだ「小人の国」と「巨人の国」。
その感覚でワクワクして読むと、痛い目に遭いますf^_^;
これは
オブラート1枚にしか包んでいない風刺物語です。
第4章に出てくるフウイヌム国は
「理想郷」として書かれていたワケですけれども
「理性のみが存在する世界」=「真の理想の世界」となり得るのか、
というのは、甚だ疑問。
このあたり、後世のディストピア小説に繋がる気配アリ。
ちなみに
同じく第4章では
引きこもりヤフーが出てきます。
そういう点も含めて
現代に通ずる問題提起が全編にわたって散りばめられており、
やはり、名作と言われる何かを持っているな、という印象を受ける1冊です。 -
Posted by ブクログ
ガリバーと言えば巨人を連想される方も多いでしょう。第1章のリリパット、いわゆる小人の国のお話です。
ただ、スウィフトの作品の本質は人間社会への痛烈な批判にこそあります。しかし、小人の国(第1章)や巨人の国(第2章)が注目され、ガリバーの単なる冒険譚として見なされがちであることは、スウィフトにとってはなんとも皮肉なことです。
まずは第3章。「空飛ぶ島・ラピュタ」のお話から。ラピュタは島国バルニバービの領空域を自在に移動することができる飛島です。
ラピュタの民は誰もが科学者であり、常に科学について沈思黙考しています。そのために心はいつも上の空。ときどき、正気に戻るために頭を叩く「叩き役」なる者を連れています。
ラピュタの科学は優れていながら、それが実用に活かされることはなく、「学問のための学問」に過ぎませんでした。スウィフトは「科学は人類に貢献すべきもの」と考えていたため、人類に貢献しないラピュタ人のような科学知識は、まったく無用の学問と見なしました。
また、地上のバルニバービは豊かな国でしたが、空に浮かぶラピュタ国に常に搾取される存在でした。そのため、バルニバービの住民には生気がなく、街は荒れ果てています。
仮に、バルニバービで反乱が起きれば、ラピュタの国王は島を反乱の起こっている場所の上空に移動させ、太陽や雨を遮り、その地域の農業を破滅させ、飢餓と病を与えます。酷いときには、ラピュタを島ごと下降させ、街を力任せに押し潰して鎮圧させます。
ラピュタを後にしたガリバーは、グラブダブドリッブという小島を旅し、魔法使いの種族と遭遇します。
彼らは降霊術を心得ており、ガリバーは歴史上の偉人を呼び出しました。その結果、彼らがいかに堕落した不快な人物であったかを知ることになります。スウィフトはここで、幾世代間もの人間性の堕落がいかに根強いものであるかを、示そうとしています。
高貴な時代からの退化という形で人類の進歩を示すことにより、現在の人類は堕落しています。しかし、かつてはその堕落も甚だしくはなく、まだ救いようがあったことを伝えようとしているのです。
次にラグナグという島にたどり着いたガリバーは、この島国に不死の人間がいることを聞かされます。ガリバーは自分も不死であったなら、いかに輝かしい人生を送ることができるだろうと夢想します。しかし、彼らは不死であるものの、不老ではありません。そのため、老衰から逃れることはできず、80歳を過ぎると法的に死者として扱われ、以後、永遠に老いさらばえたままで、世間から厄介者扱いされるのです。悲惨な境涯を知らされたガリバーは、むしろ
死とは人間に与えられた救済なのだと考えるようになりました。
そして最終章のフウイヌム国(馬の国)。フウイヌムは、平和で非常に合理的な社会を持つ、高貴かつ知的な馬の種族です。この国では、戦争や疫病や大きな悲嘆を持つことはありません。
そしてこの国には、フウイヌムを悩ませている、ヤフーと呼ばれる生物が住んでいます。ヤフーは、人類を否定的に歪曲した野蛮な種族であり、ヤフーの中には退化した人間性が存在しています。
ヤフーは酩酊性のある植物の根によるアルコール中毒に似た症状を持っていて、絶えず争い、輝く石をむやみに求めています。ガリバーはヤフーの行動に、特に理由もないのに同種族で争いあう習性と戦争を引き起こす醜さとは、まるで人間そっくりだという発見をします。
そしてガリバーは、自分は人間ではなく、ヤフーであり、また自分の住む世界にいる人間たちもヤフーであると信じるようになります。以来、ガリバーは(自分は俗世間に塗れた故郷には戻りたくない。自分はフウイヌムでありたい)と切望し、己がいかにフウイヌムによって啓蒙されたかを語るのです。
しかし、ガリバーは故国に帰ることになります。それでもガリバーは、自分の「人間性」から遠ざかろうと考え、最後は半ば、厭人的になります。これは、ガリバーという虚構の世界に仮託した、スウィフト自身の姿でもありました。
スウィフトは『ガリバー旅行記』をとおして、人間の醜さや愚かさを徹底的に暴こうとしました。この作品が書かれたのは、今からおよそ300年前ですが、それでも今なお、この『ガリバー旅行記』が読み継がれているのは、偏に「人間にある普遍的な人間の心の不純さ」を鋭く指摘しているところにあります。この負の普遍性に気付いたスウィフトの眼差しは、現代に生きる僕たちにまで、鋭く射抜かれていると言えるでしょう。 -
Posted by ブクログ
染まりました。黒く染まりました。300年くらい前の作品なのにひきこまれます。著者スウィフトの黒い怒りと、それを包み隠すブラックユーモアの一大傑作。人間嫌いになることうけあいです。おすすめ。
(---★前回の紹介文)一度目は、世間一般が誤解しているように、おとぎばなしとして愉快に。 二度目は、一見害のなさそうにみえるこの本にこめられた著者スウィフトの、絶望と怒り、それを入念に味わいつつ、きわめて陰気に。 三度目は、300年も前のイギリスにも「クソだよね、人間って」と考えていた人がいたのだな、いえー、とて、歴史の重みと人類への冷笑を噛み締めて、爆笑しながら。 という風に違った視点で三回読めました。ダークないえーです。