ジョナサン・スウィフトのレビュー一覧

  • ガリバー旅行記

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    初めて原書の翻訳を読んだ。
    巨人と小人の国、ラピュタしか知らなかったが、最終章が本書を名著たらしめていると感じた。

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    2024年04月16日
  • ガリバー旅行記

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    知っているようで知らなかった原作。目次に「ラピュタ」や「日本」が出てきていて俄然興味が沸きつつ、文章量に圧倒されつつ、読みました!小人と巨人の国の話しか知りませんでしたが、こんなにも風刺が効いている作品だったとは・・・・・・!!面白かったです!

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    2023年07月22日
  • ガリバー旅行記

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    いろんな小人、巨人、ラピュタなどの島を巡ることを通して、自分が暮らしていた世界と全く異なる世界を垣間見る。英国人の悪習は高貴で誇れるものかと思いこんでいたが野生のヤフーと本質的に変わらないことを感じ、自分の家族ですらヤフーにしか思えないと嫌悪感を覚えていく。
    旅を通して、陳腐な言葉でしか表せないが、新しい価値観、哲学を生み出す。

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    2022年11月10日
  • ガリヴァ旅行記

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    イメージと違ってゴリゴリの風刺小説だった。
    スウィフトの時代から300年経った今でも人間が理性的な種族なんてはたから見たら言えるわけないよなあと感じた。

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    2022年03月03日
  • ガリバー旅行記

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    ジョナサン・スウィフトが59才の頃に出版されたもののようですが、当時のイギリスへの政治や文化に対する少し皮肉の効いた批判的な姿勢という大人な観点を、お伽の国でのアドベンチャーという子供の視点を出発点として描いているのが、随分と器用な文才だと思いました。

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    2022年01月30日
  • ガリバー旅行記

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    ネタバレ

    物語や童話で題材にされているような小人や巨人の国に流れ着いた主人公がそこで過ごし生き延びていく話でした。

    かなり文の量があり1ページを読むのに時間がかかりましたがなんとか読めました。

    生々しい表現があった部分はあまり楽しく読めませんでしたが、主人公の発見や機転には驚かされました。

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    2021年11月07日
  • ガリバー旅行記

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    子供向けのガリバー旅行記しか読んだこと無かったので色々と衝撃的だった
    スウィフトは社会で生きていくのつらかったのかなとか思った
    綺麗なことばかり起こればいいけどそうはいかない

    自分だけが全然違う生き物として扱われる世界で暮らすことになったらどうしよう…と妄想が広がる
    全然違う立場や環境から普段の自分やその周りを見るって面白い

    あと、ヤフーの下りで家畜人ヤプーを読みかけで放置してるのを思い出したので近々ちゃんと読むかも

    随所で読者を煩わせないために省略って言ってくるけど、別に煩わせてくれていいけど?ってなった

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    2021年10月17日
  • ガリバー旅行記

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    結構な文章量だが、冒険記としては世界的な傑作ということもあり楽しめた。著者の生きた時代背景(イギリス)を知っていると、より理解が深まると思う。

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    2021年05月30日
  • ガリヴァ旅行記

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    幼少期に児童文学で読んだ記憶ではこびとのいるリリパッド小国のみ紹介されていた気がして、他の巨人の国やラピュタやヤフーの世界観は初めての体験。これを児童文学にまで落とし込んだ方も物凄いと思うけれど、完訳版を読むと大人であればあるほど強烈な風刺描写に、こんな物語だったの?と驚かされると思う。
    当時のイギリスの人間や風潮や文化が批判的に表現されていて、世界史を勉強した当時の自分が“当時のイギリス人って野蛮であまり好きになれないな”と感じていたそのものを著者と共感できる部分が多く感じた。

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    2021年05月20日
  • ガリバー旅行記

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    何故今になってガリバー旅行記を改めて読んでみようと思ったのか全く覚えていないのだが、絵本しか知らなかった私がそのイメージで気軽に挑んでいい本ではなかった。絵本の筋書きは本当になぞっただけで、全く子供向けではない。読み終えた今ではむしろ、なんでここだけ抜粋して絵本にした?という感じ。
    旅行記と名のつくように、主人公があらゆる国(もちろん架空の国)を渡航した記録なのだが、国を巡っていくにつれて文章全体が厭世的になっていく。最初は旅行記らしく、その国の政治や風土、慣習など詳細に記しているものの、ページを捲るにつれて政治や科学への言及が多くなり、遂には人間の愚かさや醜さについての記述が対話文のまとめとして半数を占めるようになる。著者の人間嫌いや、当時の社会への批判・失望を諸々ぶちまけました!感がすごい。けれどただ闇雲に感情に任せて書き連ねたものでは勿論なく、ちゃんと物語として成立しているところが面白い。主人公の思想が段々と変化して、遂には自分の家族と触れ合えなくなるほど人間嫌いになってしまう過程は興味深いし、フウイヌムのヤフー(人間)に対する見解はこちらがハッとするほど鋭く容赦がない。読み終えてから改めて巻頭の手紙を読むと、なるほどこういうことかと納得できるようになっている仕掛けも面白かった。
    ところでラピュタがガリバー旅行記に出てくるとは思わなかったので驚いたのだが、ここがきっと初出なんだろうな。日本もフレーバー程度に出てくる、ということは当時のヨーロッパ世界から見た日本はラピュタ並に得体が知れなくて空想的な国だったのかもしれない。

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    2019年03月08日
  • ガリバー旅行記

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    童話にも出てくる、リリパット国やラピュータの話。原作の中で語られる摩訶不思議な旅行記は、読むのも辛い人間風刺が盛りだくさん。この内容でよく出版できたなぁと思うほど強烈な風刺、批判を渡航記にしている。フウイムヌ帰国後、著者は人間に対して絶望しており、馬と話す日々となるという描写はとてもショッキングだ。

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    2018年10月04日
  • ガリバー旅行記

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    面白かった!子供の頃に読んだ絵本の知識とは全然違った。ガリバーは小人の国から始まり、さまざまな国へ行くのだが、そこに住む人々との考え方の違いなどから、人間の愚かさや醜さについて考えさせられた。

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    2016年08月24日
  • 召使心得 他四篇

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    『ガリヴァー旅行記』がとにかくおもしろかったので、読んでみた。スウィフトという人は、相当真面目で、納得いかない言動には、貴族だろうが庶民だろうが、強者だろうが弱者だろうが、おかまいなしに噛みつかずにはいられない。周りの人からしたらかなりやっかいな人物だったのだろう。晩年心を病んだというが、そりゃそうだろうと思う。それにしても、あの手この手で、いろんな噛みつき方ができる人だなと感心する。

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    2016年08月12日
  • ガリバー旅行記

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    アイルランドに興味を持たなかったら、きっと手にしていなかった。小人族の住む国へたどり着いた旅行家のお話、ということで自分の中で完結するところだった。
    そんな人がどれだけいるだろう?原書を読まないなんてもったいない!
    人間の良い所悪い所すべてが描かれている。
    理想郷を探し求めて1冊にまとまった、という感じかな。
    最後のフウイヌム国が印象に残る。

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    2016年04月27日
  • ガリバー旅行記

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     厭世主義的諧謔と人間への嫌悪に満ちたジョナサン・スウィフトによる空想旅行記。全四話で構成されているが、第一話のリリパット(小人の国)と第二話のブロブディンナグ(巨人の国)以外は広く知られていない。現在では児童文学と見なされることが多いが、原書ーー特に第四話のフウイヌム旅行記ーーではモキュメンタリー形式の辛辣な文体で、人間社会における政治・法律・科学・風習・堕落・欺瞞・男女・権力闘争にまつわる悪徳が告発されている。他国の者達との対話の中で登場の英国社会に蔓延する病を浮き彫りにしながら、次の章では何事もなかったかのようにガリヴァーに愛国心を語らせるのも滑稽だ。第三話に登場する過去の偉人達にまつわるエピソードにも、著者の皮肉な性格と歴史への懐疑が垣間見えて面白い。中でも、性悪説を支持したであろうスウィフトが最も手厳しく非難したのは、人間が生まれながらに兼ね備える傲慢であった。本書が出版されてから約三世紀を経ても尚、世にも愚かで醜いヤフーにすぎぬ我々が唯一地球を支配しているなどと自惚れ、未だにつまらぬ諍いを引き起こしていると知ればスウィフトは冷笑を浮かべることだろう。それにしてもガリヴァーは旅ばかりしているが、本作の登場人物で一番偉いのは十六年もほったらかしにされながら女手一つで子供を育てた彼の妻ではないだろうか? 挙げ句の果てに、ようやく長旅を終えて腰を落ち着けた夫に臭いだの醜いだのフウイヌムを見習えだの意味もわからず罵られ、同じ食卓に着くことすら許されないとは不憫すぎる。

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    2015年12月14日
  • ガリヴァ旅行記

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    ネタバレ

    主人公が第一章から第四章まで、それぞれ小人国、大人国、ラピュタ、フウイヌムの国を巡る話。

    旅行記として、小人や巨人や空飛ぶ島などが登場し、それらの国での一風変わった生活も面白かったが、それよりも主人公にとって全くの異国で、人間の悪徳に貶められそうになったり、ことさら人間の悪い部分が強調されているのが印象的だった。

    特に第四章ではフウイヌムという美徳のみを備えた生き物が登場し、それらと共に生活することによって主人公が人間への嫌悪感を強めていく様は強烈だった。

    最後の解説には、作者は「この本は人を怒らせるために書いたのである」という旨の事を手紙に書いているとある。
    一方で、作者は主人公ガリヴァに、この本によってほんの少しでも人間の悪弊が改善されることを期待するという旨の事を言わせている。ただ改善される様子は依然見られず失望している様子が書かれているので、作者は人間の悪徳は改善の余地のないものと考えていたのだろうか。

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    2013年01月27日
  • ガリヴァ旅行記

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    船員ガリヴァの漂流記に仮託して、当時のイギリス社会の事件や風俗を批判しながら、人間性一般への痛烈な諷刺を展開させた傑作。

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    2009年10月07日
  • ガリバー旅行記

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    これが300年前の内容ってのがすごい。色んな批判とか皮肉は現代でも通づると思う。

    小人界の教育制度がいい、全ての親が共同で税金を収め、国が教育する。しかも収める額はそれぞれの財政状況に応じている。
    敵国がいないと多少の内乱は起きても平和に生きられる。
    新しいもの好きの人達はいつの時代もいる。よく分からない研究に金をつぎ込んで破産ってのはよくある話、排泄物を元の食物に戻したりキュウリから日光を取り出したり。
    天空の城ラピュタとか暗記パンとかの元ネタぽいのがあるのも面白い。
    馬さん高貴、人型ヤフーだめなやつ。醜い。

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    2026年04月05日
  • ガリバー旅行記

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    初版が出たのが1726年
    今が2025年なので299年前に出版(日本は江戸期、将軍は吉宗)なので、こう言う物語が書ける文化的には、驚く差があると感じた。

    こびとの国、大きな人間の国が有るという発想は、いまだに使われている画期的は発明かもしれない。
    天空の街「ラピュタ」もこの物語に出たものだそうで、驚くばかりです。
    物語自体(エピソード)はそれほど面白くないけど、外海にでると言うのが相当危険(命がけ)であった時代だと思えば凄いことです。

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    2025年10月19日
  • ガリヴァ旅行記

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    18世紀アイルランドの作家ジョナサン・スウィフト(1667-1745)による風刺小説、初版1726年。デフォー『ロビンソン・クルーソー』(1719年)の流れをくむ空想旅行記であり、今日のSF(空想科学小説)の源流のひとつであるといえる。異世界との邂逅を契機として、同時代英国の政治、社会、文化を批判し、ついには人間そのものに対する深い絶望が語られるにいたる。そこでスウィフトは、人間観の更新を試みようとしていたのではないかと思う。

     第一篇 リリパット(小人国)渡航記
     第二篇 ブロブディンナグ(大人国)渡航記 
     第三篇 ラピュタ、バルニバービ、グラブダブドリッブ、ラグナグおよび日本渡航記
     第四篇 フウイヌム国渡航記

    □

    人間は、自分が属する身体や文化共同体を介した経験を通して、世界に対して適切なスケールを用いて座標軸を設定しさらにそれに基づいて座標空間を構築していく。そして、その座標空間の内部にさまざまな事象を位置づけることによって、森羅万象に意味を付与していく。この点で、人間諸個人には否応なく自己中心主義の傾向が備わってしまうのであり、さらに類としての「人間」という観念が意識されるようになって以降は、そうした個人的な自己中心主義はより類的な人間中心主義へと拡大強化されてしまうだろう(尤も、この類としての「人間」という観念が、生物学上の種としての人類を全て平等に包含しているとは限らないが)。

    本書には、人間界の代表たるガリヴァが、さまざまな異世界と接触するなかで、人間が自己を自己以外から区別し自己自身を世界の中に位置づける上で基本となる尺度(大/小)や二項対立(理性/獣性)を揺さぶられ、自分がその対比のどちらに属するのだったか、自分の本来の位置がどこであるのだったか、そうした分別を見失ってしまうという描写がいくつかある。そこでは異世界との邂逅をとおして人間中心主義が揺さぶられ相対化されているのであり、人間の無根拠で無自覚な傲りに対して反省を促しているように感じられた。

    「大小は要するに比較の問題だと哲学者は言うが、まことにもってそのとおり。運命という奴は、あるいは何処かでリリパット人に、さらに彼らよりも小さい、ちょうど彼らが我輩に対してそうだったと同じような、小っぽけな人間を発見させるという、そんな悪戯をしないとも限らない。と同時に、この膨大な種族〔ブロブディンナグ人〕といえども、あるいはどこかわれわれのまだ知らない世界の果てで、同じようにてんで問題にもならないという超巨大の怪物に出くわさないとはだれが保証できよう。」(p104-105)

    「そこでいよいよ我輩も、実は船を造るのはみんな我輩同様の動物だ、しかもわが国ばかりではない、現に我輩の旅行したどこの国でも、それを支配する唯一の理性的動物というのは常にわれわれなのである。この国へ来てみて非常に驚いたことは、フウイヌムがまるで理性的動物のごとく行動していることだった、それはちょうど貴方や貴方のお友達が、いわゆるヤフーと呼んでいられる人間に、理性らしいものを見つけて仰天しておられるのと同じことである。」(p310-311)

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    人間は理性と野蛮(獣性)を二分し、自分たちは理性で以て自らの内なる野蛮を制圧しようと努めてきたという物語によって自己理解しがちであるが、実はそれは自己欺瞞であって、実際のところは理性と野蛮は密かに結託し、かつてはただ剥き出しの野蛮であっただけのものが、現代では、口数の多い理性のもっともらしいお喋りによって粉飾され、いかにも文明的に洗練された行儀作法に則って、しかしかつて以上に暴力的に、遂行されているのではないか。単純に野蛮であるだけのフウイヌム国のヤフーよりも、理性によって自らは野蛮から区別されると嘯きながらその裏では理性が野蛮を強化してしまっている文明国の人間のほうが、より深刻に悪辣だ。スウィフトの徹底した人間批判は、現代にも届いている。

    「だがそれにしても、いやしくも理性的動物をもって任じているものに、かような恐るべき極悪の所業が可能だとすれば、理性の堕落は、あるいは獣性よりもかえって恐ろしいのではないかということを、彼は惧れたのだ。だからして彼は、われわれはむしろ理性の代わりに、なにか生来の悪を助長するような特質だけをもっているものに相違ない、〔略〕、と独り思いこんでしまったらしかった。」(p324)

    「だがそれによると、其方どもは、どういう風の吹廻しか、偶然にも爪の垢ほどの理性を与えられた一種の動物であるらしい。ところが其方どもは、ただ生来の背徳を助長するばかりか、自然が与えてもいない、さらに新しい悪徳まで学ぶために、それをただ悪用するばかりである。せっかく自然の与えてくれたなけなしの能力は、これを捨てて顧みず、もとからの欠陥を、ますます増大することだけは天晴れな腕前だ、そして一生わざわざ骨を折っては、欠点を殖やす工夫発明を凝らしているようなものである。」(p341)

    「我輩は、自分の家族、友人、同胞、あるいは人類一般といったものを反省してみると、どうもその形態からみても、性質からみても、まぎれもなくヤフーに相違ないように思えるのである。ただほんの少しばかり開けていて、言葉を話す能力を持っているとはいうものの、理性はかえって悪徳を助長、倍加することに悪用されるだけで、その点では、自然が与えただけの悪徳を、ただそのままでもっているこの国のヤフーどもの方が、まだましなくらいであった。」(p371)

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    2024年07月02日