作品一覧

ユーザーレビュー

  • パミラ、あるいは淑徳の報い

    Posted by ブクログ

    書簡形式の小説はおそらく人生で4回目。手紙を振り返る形で物語を進めていくこの形式は、初めて見た時、革命的だと感じたのを覚えている。

    パミラの主人は、前半は近年稀に見るGOMI男で、自分からパミラに言い寄ったのに、拒否されると散々馬鹿にして精神的苦痛を与えようとするのだが、後半は人が変わったように素敵な男になる。

    一方で、物語の初めから終わりまで常にへりくだり、貞操を守り抜くこの美しいパミラは物語で周囲から好かれているだけでなく、読者からも愛される人物像として描かれている。まさに理想の女性である。

    本書の副題が「あるいは淑徳の報い」とあるのは、読んでみると理解できる。

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    2023年10月15日
  • フォルモサ 台湾と日本の地理歴史

    Posted by ブクログ

    第2部の作者のキリスト教への真摯な態度は、前半1部の異教の神を書いた事に対する懺悔の意識なのだろうか。多少、言い訳めいて読めるのは、後ろめたさがあったのかな。

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    2023年01月07日
  • フォルモサ 台湾と日本の地理歴史

    Posted by ブクログ

    18世紀初頭に刊行された偽書で知られるジョルジュ・サルマナザールの「台湾誌」の全訳。
    全体の3分の2を占める1巻は台湾および日本の地理・歴史・文化に関する詳細な記述(だが内容はほぼ出鱈目)、残りの2巻は著者がヨーロッパに渡りキリスト教に改宗した過程とキリスト教に関する考えをまとめたもの。この本の成り立ちを考えると2巻がもっとも重要な箇所ではあるが正直退屈。今、読んで面白いのはサルマナザールが想像と知恵を膨らまして作り上げた架空の台湾誌の部分。ジョナサン・スウィフトを彷彿とさせるが、あそこまでストレートな風刺ではない感じ。
    しかい、まさかサルマナザールの「台湾誌」の翻訳が出るとは長生きはするもの

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    2021年02月23日
  • 召使心得 他四篇

    Posted by ブクログ

    『ガリヴァー旅行記』がとにかくおもしろかったので、読んでみた。スウィフトという人は、相当真面目で、納得いかない言動には、貴族だろうが庶民だろうが、強者だろうが弱者だろうが、おかまいなしに噛みつかずにはいられない。周りの人からしたらかなりやっかいな人物だったのだろう。晩年心を病んだというが、そりゃそうだろうと思う。それにしても、あの手この手で、いろんな噛みつき方ができる人だなと感心する。

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    2016年08月12日

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