新井和宏のレビュー一覧
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「良い会社」の判断基準が書かれている本。
いまの自分の知りたいことにかなりフィットした本だった。タイトルに資本主義という言葉が書いてあるが、斎藤幸平さんのようなガチガチの資本論が書かれている本ではない。むしろ、ニュースで耳にするような社会問題に対して「良い会社」がどのように取り組んでいるか、いくつか例が紹介されており読みやすかった。
投資信託の会社なのに、数字は参考程度というスタンスがかなりかっこいい。「鎌倉投信から融資を受けている会社は良い会社」という評価が他の金融機関に広まっているところもさらにかっこいい。
鎌倉投信という会社の新井さん(もう退職され別の会社を立てたらしい)の著書なので -
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ネタバレとっても面白かったし、共感する部分が多くて一人唸った(笑)
対談形式なこともあり、サクサク読めた。
お金に色をつけるとかとても斬新で面白い!
お金と食というのが主な切り口なのだけれど、人生についての考えや問いも多く、深かった。いかにお金を主軸に判断を下しているかに気づいたし(無意識すぎてびっくり!)、小難しく考えすぎず感覚を大切に今を生きるって良いよなと心が軽くなった。
社会が多様化していく中で、お金という概念も多様化していくんだな〜と。個人レベルで新しいお金を作れるっていう考えがなかったけれど、可能なんだなーと思うと、自分にも何か生み出せそうな気がするというワクワク感が芽生えた。
ま -
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強く思うのは、大人として幸せな生き方をしなければならないなということ。そのために短絡的に楽だからと自分らしさに蓋をせず、1人1人が個性を発揮して生きる覚悟をもって選択肢を増やしていくことが必要と感じました。
・いまの社会システムは、稼ぐことを目的化しているが故に同質化、効率化、排除を求める傾向にある。価値に多様性がなく、戦後貧しくて食うのに精一杯だった時代をずっと引きずっている。
・今を手段化している。
↑これらは最近読んだビジネスの世界(山口周さん)や、人新世の資本論(斎藤幸平さん)にもつながることが書いてあった気がする
・都会はコントロールしやすいように作られていて、何でも思い通りにな -
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「いい会社」への投資を通じて、資産・社会・心の形成を生み出していく鎌倉投信の哲学が詰めこまれている。
前職では第三者による「客観的」な指標によって投資先を決めていた著者が、いい会社だと「主観的」に感じた会社を信頼し、投資先として付き合っていくことを決めるようになったプロセスが面白かった。
とかくビジネスにおいては効率や生産性が求められる場面が多いが、ロジカルに説明できない主観的な行動がのちにつながりを生み出し、結果として社会へ好影響を与えていく循環が出来上がるという著者の想いには深く頷ける部分があった。
また、何かと冷たい目線が集まりがちな「お金」についても、そこに意志が伴っていれば、集 -
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「きれいごと」は理想論だと思う方もいるかもしれませんが、私はすごく好きな考え方です。
「この会社を応援したいと思うから投資する」というのがあるべき姿だと思いますが、現在の経済はそうした姿勢でいる人ばかりではありません。
信頼を積み重ねていくことは、効率的ではないかもしれないけれど、最大のリスクヘッジなのだろうと思います。
社員を大切にする会社、顧客を大切にする会社、地縁を大切にする会社が好業績であるという研究は他にも読んだことがあります。
また、この本で紹介されているヤマトHDも、値上げという消費者にとってはネガティブなニュースが出た時でさえ「でもヤマトは東日本大地震でこんなに被災地を助けてく -
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ネタバレ常に右肩上がりの成長を求めなくてもよい資本主義の在り方はないものなのかと漠然と考えることがあったところ、本書で述べられいる考え方がその解決の一つになり得そうだなと思えた。
効率化はステイクホルダーの分断をもたらし、リターンをお金だけで定義するとステイクホルダーの利益は相反してしまう。客観的基準ではわからない主観的評価をすることによって、地域、社会、国を含めた八方よしの「新日本的経営」を認め、応援することにより全ての関係者が利益を得ることが可能になるという。そんな新日本的経営を行う会社を応援したいなと思わせられる本。このような会社を評価して個人に紹介し、各個人がそれを応援できるような仕組みがもっ -
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やはり経験に裏打ちされた哲学を持って仕事に力を注いでいる人はかっこいい。
外資金融の道で成果を出しながらも現在の金融システムに疑問を持ち、それに対抗する哲学を持って鎌倉投信を始めた新井さんの考えが存分に伝わってくる本だった。
シンプルに経済成長や多額の報酬を追い求める思考法は、僕たちミレニアル世代には今ひとつ魅力的に思えない。
鎌倉投信の投資哲学は経済的成長と社会への貢献の両方の観点がバランスよく取り入れられていて、それが今の時代にはウケるのだろう。
社会的に意義のある企業への投資といっても、外資で金融工学を突き詰めた人が言うと説得力が違う。ファンドなら当然ではあるのだろうが、社会貢献を言