東出顕子のレビュー一覧
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いや、これはなかなか重要な内容の本でした。「敵とのコラボレーション」という題名が過激ですが、要は「多様な人たち、多様な価値観を持った人たちとのコラボレーション」というテーマです。
従来型コラボレーションの前提は、「チームとして1つとなる」「1つの最適な目指すべき計画を策定する」「1人の最高位のリーダーの指揮に従ってメンバーは行動する」。それに対し、この本が提唱する、多様な価値観、それぞれの利害を持ったメンバーたちと協働するための方法論、「ストレッチ・コラボレーション」では、、、(以下ネタバレとなるので略)
いや、このアプローチ、もちろん今までも無意識のうちにかなりの部分実践してきましたが、今後はより意識的に実践していこうと思います。 -
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複雑系を踏まえたリーダーシップのあり方について、つぎつぎと良書を翻訳、出版している英治出版からの1冊。
「社会変革に取り組む人たちの感動の物語が沢山、入っているのかな。たまには、そういう話も読んで、元気をもらおう」という感じで、読み始めたのだが、書き方は非常に客観的、理論的である。
そういう意味では予想と違ったのだが、個人的には、これは結構、最近の関心事にぴったりの本だった。
つまり、「複雑系的な世界のなかで、支援的なリーダーシップによって、創発的な変化が生じる」という本は最近結構多いし、共感するところも多いのだが、「そういうことをいったって、いつもそんなにうまく行く訳でないでしょ。うまく行く可能性をあげるためにはどうするのだろうか。理想主義的なアプローチだけでは、世の中は変えられないので、政治的なものとどう折り合って行くのか。うまくいっても、すぐ悪くなることは多いよね」などなどの疑問もわだかまっていた。
という疑問にストレートに答えてくれる本である。
この本の原題は、getting to "maybe"である。つまり、maybeにかけてみるという生き方なのだ。can-beやwill-beではないのだ。それでも、世界の悲惨を見たときに、思わずドアを開けてそこに出てしまう、いや、閉じていると思っていたドアは開いているのだ。その先にまっているのは、奇跡のようなプロセスであったり、絶望であったり。。。。
そんな苦しい道を何故歩むのか?彼らが英雄だから?
いや、calling、呼ばれるからなのだ。あなたが使命を見つけるのではなく、使命、いや世界があなたを見出すのだ。
社会変革は、「あなた」なしにはないと同時に、「あなた」なしでも自然に起こる物である。
内容的には、★5つなのだが、書き方がもう少し物語風だったら、良かったかな、と思う。 -
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「社会変革のシナリオ・プランニング――対立を乗り越え、ともに難題を解決する」のレビューを書きました!
アダム・カヘンさんの3冊目の本です。
1冊目で対話の大事さをかたり、2冊目はマーティン・ルーサー・キングを踏まえて、「愛と力」を語った。3冊目は、ついにお待たせという感じのアダムの必殺技シナリオ・プランニングの本。アダムのファシリテートした南アフリカでのシナリオ・プランニングのプロジェクトは、アパルトヘイト後に国が平和的に体制を移行することに貢献したといわれる。
この本は、そうしたアダムの経験を通じて生み出された「トランスフォマティブ・シナリオ・プランニング」が理論、テクニック、そして実例を通じて、丁寧に紹介されています。
原書にはないシナリオの事例やとても充実した訳者解説がついていて、かなりお得です!
今回のキー・フレーズは、ニーバーの祈り。
「神よ、変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、識別する知恵を与えたまえ。」
(O GOD, GIVE US SERENITY TO ACCEPT WHAT CANNOT BE CHANGED,
COURAGE TO CHANGE WHAT SHOULD BE CHANGED,
AND WISDOM TO DISTINGUISH THE ONE FROM THE OTHER)
そうだね。シナリオプランニングって、そういうことだよね。と深く共感。
ということを前提に、なにが、これまでのシナリオ・プランニングと違うのかな、という観点で読んだのだけど、実は、かえって分かりにくくなった気もしている。
手法的にここが従来のシナリオ・プランニングとは違うと思っていたことは、実は違ってなかったりする。
ある意味、手法的なところでの決定的な違いはなくて、シナリオプランニングをやるときの姿勢、態度というところが違うのかな、と思った。未来をつくる関係者が一同に会して、未来について対話する。このプロセスをU理論と統合した形で進めて行く、という感じかな?
ここまで丁寧にガイドしていただければ、あとは実際にやってみるのみ、って感じだけど、さて、ステークホルダーを一同にあつめるのって、なかなか難しいね〜。 -
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南アフリカのアパルトヘイト撤廃プロジェクトなど、政府や企業が複雑な社会問題解決に取り組む際のファシリテーターとして国際的に活躍する著者が、自らの経験の集大成として「変容型シナリオプランニング」のノウハウをまとめた一冊。
変容型シナリオプランニングとは、単なる予測やビジョンの作成ではなく、現状のシステム構造や文脈を含めた深い洞察により、“最も重要性の高い不確実なこと”を明らかにした上で、自分自身が未来に影響を及ぼすのだという意図をもって、明確で現実味がありながら、現状の思考に一石を投じるようなストーリーを構築し、その具現化を図るまでの一連のプロセスである。
その際に重要なのは、心理的に「安全な器」としての場を準備して利害関係者全員を集め、各参加者が自身のメンタルモデルを「保留」し、お互い同士の「対話」を通じて利害対立を超えた信頼・協調関係を結ぶことであり、国家レベルの社会問題とまではいかなくとも、何かを変革したいが、自分一人では無力だと感じている人ならば、誰でも応用し得るノウハウが詰まっている。 -
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原題は「Power and Love」
力とは「自己実現の衝動」、愛とは「統一の衝動」のこと。
著者は、南アフリカの民族闘争やグアテマラの内戦など、
根深い問題の解決を図るプロジェクトのファシリテーターとして活躍。
これらのプロジェクトで、愛のない力や、力のない愛による挫折を
たびたび経験し、力と愛の両方を使いこなすことが必要だと痛感。
力と愛のバランスという観点から、再び自分の経験をふりかえる。
仕事における些細な変化でも、ついつい強制力に頼ったり、
逆に協調を重視して全然進まなかったり、そういうことは多い。
力と愛のどちらが優位になっているかを意識する、というのは
変化がなかなかうまく行かないときに使えそう。 -
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ネタバレ愛なき力は暴力であり、力なき愛は無力である。
両方ともバランスを持っていることが大切。
翻訳した本であることと、内容の難しさが相まって、私の読解力ではなかなか理解ができなかった。
気になったポイント
「愛の反対派力ではなく、両者を成功させることは大変難しい(が、できたらすごい)」
「これから先の未来はどう何るんだろう。良い、話し合おうじゃないか」
「力のあるものとないものの争いから手をひくということは、力のあるものを味方するということであり、中立ではない」
「プロジェクトの準備
エクササイズの目的をはっきりさせ、共有する。
適任で熱心な主催者を集める。
チームの基本原則と作業方法を慎重に策定し、合意しておく。
ワークショップは静かな民家にする。
プロジェクトのリソースもスタッフも十分に確保する。
チームは人間関係を築くために時間を割く。」
「力と愛のどちらかが弱ければ、弱い方に注意を払い、強化をしていかなければならない」
愛とパワーの例はたくさん載っていたが、具体的に今自分がどうしたら良いのかはわからなかった。 -
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タイトルがとっても気になっていたアダム・カヘンの新作の翻訳。
コラボレーションという言葉の持つもともとの両義性を確認しながら、コラボレーションは、いつもよい選択肢ではなく、強制、適応、離脱を加えた4つのうちの1つである、という衝撃の議論から話は始める。
おお、と驚くのだが、話は、従来型のコラボレーションではなく、ストレッチ・コラボレーションが大事ということになって、やっぱりコラボレーションの方法論になっていく。
こうした観点から、アダムのこれまでの本の紹介されていた南アフリカやガテマラ、コロンビアなどの事例が再検討されつつ、タイや麻薬撲滅の新しい事例が紹介される。
まったく新しいコンセプトというより、これまでの本の内容を包含しながら、ストレッチ・コラボレーションという観点を加えてまとめ直したという感じの本かな?
ここに、常に自分の失敗から学び続け、成長しつづけるアダムの誠実さが伝わってくる。
具体的な方法論としては、
・愛と力を両方つかう
・U理論的な4つの話し方・聞き方を使う
という従来のものに、新たに、
・問題の一因として、問題解決のゲームに参加する
というものが加わっている。
が、3つ目は、ある意味、システム思考がもともと提唱していた概念なので、そこまで新しい感じはしないな。
もちろん、「信頼できない人」と一緒にゲームに参加しようというのは、勇気のいることだし、自分のメンタルモデルの大きな変革が必要なことはいうまでもないのだが、なんだか、スッキリしない読後感が残った。
タイトルから期待しすぎたのかな?
世の中的には、盛り上がっていそうだけど、みんなどこに反応しているのだろう?
モヤモヤは残る。