東出顕子のレビュー一覧
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複雑系を踏まえたリーダーシップのあり方について、つぎつぎと良書を翻訳、出版している英治出版からの1冊。
「社会変革に取り組む人たちの感動の物語が沢山、入っているのかな。たまには、そういう話も読んで、元気をもらおう」という感じで、読み始めたのだが、書き方は非常に客観的、理論的である。
そういう意味では予想と違ったのだが、個人的には、これは結構、最近の関心事にぴったりの本だった。
つまり、「複雑系的な世界のなかで、支援的なリーダーシップによって、創発的な変化が生じる」という本は最近結構多いし、共感するところも多いのだが、「そういうことをいったって、いつもそんなにうまく行く訳でないでしょ -
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「社会変革のシナリオ・プランニング――対立を乗り越え、ともに難題を解決する」のレビューを書きました!
アダム・カヘンさんの3冊目の本です。
1冊目で対話の大事さをかたり、2冊目はマーティン・ルーサー・キングを踏まえて、「愛と力」を語った。3冊目は、ついにお待たせという感じのアダムの必殺技シナリオ・プランニングの本。アダムのファシリテートした南アフリカでのシナリオ・プランニングのプロジェクトは、アパルトヘイト後に国が平和的に体制を移行することに貢献したといわれる。
この本は、そうしたアダムの経験を通じて生み出された「トランスフォマティブ・シナリオ・プランニング」が理論、テクニック、そして実例を通 -
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南アフリカのアパルトヘイト撤廃プロジェクトなど、政府や企業が複雑な社会問題解決に取り組む際のファシリテーターとして国際的に活躍する著者が、自らの経験の集大成として「変容型シナリオプランニング」のノウハウをまとめた一冊。
変容型シナリオプランニングとは、単なる予測やビジョンの作成ではなく、現状のシステム構造や文脈を含めた深い洞察により、“最も重要性の高い不確実なこと”を明らかにした上で、自分自身が未来に影響を及ぼすのだという意図をもって、明確で現実味がありながら、現状の思考に一石を投じるようなストーリーを構築し、その具現化を図るまでの一連のプロセスである。
その際に重要なのは、心理的に「安全 -
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原題は「Power and Love」
力とは「自己実現の衝動」、愛とは「統一の衝動」のこと。
著者は、南アフリカの民族闘争やグアテマラの内戦など、
根深い問題の解決を図るプロジェクトのファシリテーターとして活躍。
これらのプロジェクトで、愛のない力や、力のない愛による挫折を
たびたび経験し、力と愛の両方を使いこなすことが必要だと痛感。
力と愛のバランスという観点から、再び自分の経験をふりかえる。
仕事における些細な変化でも、ついつい強制力に頼ったり、
逆に協調を重視して全然進まなかったり、そういうことは多い。
力と愛のどちらが優位になっているかを意識する、というのは
変化がなかなかうま -
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ネタバレ愛なき力は暴力であり、力なき愛は無力である。
両方ともバランスを持っていることが大切。
翻訳した本であることと、内容の難しさが相まって、私の読解力ではなかなか理解ができなかった。
気になったポイント
「愛の反対派力ではなく、両者を成功させることは大変難しい(が、できたらすごい)」
「これから先の未来はどう何るんだろう。良い、話し合おうじゃないか」
「力のあるものとないものの争いから手をひくということは、力のあるものを味方するということであり、中立ではない」
「プロジェクトの準備
エクササイズの目的をはっきりさせ、共有する。
適任で熱心な主催者を集める。
チームの基本原則と作業方法を慎重 -
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タイトルがとっても気になっていたアダム・カヘンの新作の翻訳。
コラボレーションという言葉の持つもともとの両義性を確認しながら、コラボレーションは、いつもよい選択肢ではなく、強制、適応、離脱を加えた4つのうちの1つである、という衝撃の議論から話は始める。
おお、と驚くのだが、話は、従来型のコラボレーションではなく、ストレッチ・コラボレーションが大事ということになって、やっぱりコラボレーションの方法論になっていく。
こうした観点から、アダムのこれまでの本の紹介されていた南アフリカやガテマラ、コロンビアなどの事例が再検討されつつ、タイや麻薬撲滅の新しい事例が紹介される。
まったく新しいコンセ -
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ネタバレ「主よ、変えられないものを受け入れる心の静けさと、変えられるものを変える勇気と、その両者を見分ける英知を与え給え。」ラインホルド・ニーバー
変容型シナリオプランニングの目的は、協力して新しい未来を変えようとしている人たちが、身を置いている状況の変化に適応するのではなく、状況を変容させられるようにする事。イモムシが蝶になるような状況の劇的な変化を引き起こす。
シナリオプランニングでは、これから起こるだろうと予測することや起こるべきだと信じている事ではなく、これから起こる可能性があると思う事についてのみを語る。
変容型シナリオプランニングの5つのステップ
システム自体からチームを招集する、、