ダフネ・デュ・モーリアのレビュー一覧

  • レイチェル

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    普段あんまり翻訳ものは読まないんですが、久々に読んだら結構楽しかったです。結局レイチェルはかなりグレーっぽいところでその真相がはっきりとは書かかれなかったのがまた秀逸だなーと。なんともいえない素敵な読後感。
    ただまあ、同じ男性としてフィリップの「好きな人に対して暴走してしまう行為」が(あそこまでではないにせよ)自分の過去の行いにもそれなりに思い当たりことがないでもないので、なんともこう、「愚かしい」と笑うに笑えないものが。みんなそういう愚挙を経て大人になっていくんだよ、きっと。恋愛経験のない童貞青年と魔性感漂う妙齢未亡人じゃあなあ。

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    2019年06月17日
  • 人形 デュ・モーリア傑作集

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    著者の意地悪い(シニカルな)視線の意識される作品群。濃淡さまざまに不穏の陰影で巧みに彩どられ、暗くぬかるんだ物語世界に浸ることができる。最もこの意地悪さは著者の人間(人間関係)への洞察力を示す(反映させた)ものである。
     牧師ホラウェイを主人公にした二篇『いざ、父なる神に』『天使ら、大天使らとともに』は要職に就く人間の欺瞞にみちたふるまいが的確に描き出されている好篇。ブラックユーモアの味わいの『性格の不一致』、語り口の亀裂から性格の歪(邪悪)が覗く『笠貝』(既読)、表題作『人形』は構成など大仰だけれどこれも好みの作。

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    2018年02月04日
  • 人形 デュ・モーリア傑作集

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    勝手にもっと時代がかった古い内容なのかと思っていたので(「レベッカ」「鳥」の原作者だから?)、なかなかに現代っぽい内容で面白かった。

    人の関係が破たんしていく様がなんともリアル。「ウィークエンド」「そして手紙は冷たくなった」とかヒェー分かる分かるって感じ。

    そして「笠貝」。
    いる。こういう人間。
    本人の一人称語りってところが上手いし怖い。

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    2017年10月15日
  • 人形 デュ・モーリア傑作集

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    ネタバレ

    ・ダフネ・デュ・モーリア「人形 デュ・モーリア傑作集」(創元推理文庫)の カバーには「幻の初期短篇傑作集」とある。「本書は近年になって発見された『人形』を含む14編を収めた初期短編集である。」(石井千湖「解説」327 頁)「人形」以外は知られた作品なのであらうか。基本的にはおもしろい作品集である。巻頭の「東風」はそんな中では例外であらう。ある時、人知れぬ島に異人がやつてきて島に波乱をもたらす。ありふれた物語である。しかも、物語は予想通りに進む。島の女と異人の一人ができてしまつて悲劇が起きる、正にこの通 りである。これを破綻のない物語とも言へようが、しかしまた、おもしろみに欠ける物語とも言へる。

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    2017年02月25日
  • いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集

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    ネタバレ

    短編集。冒頭では「普通」だった主人公が徐々に常軌を逸していく……というパターンが多かったような。設定としてはものすごいことが起きそうなのに、予想していたほどのことは起こらずに、終わってしまう(短編ですからね)。くるぞ、くるぞ、くるぞ……こーなーいー(もしくは「そこまでかー」)という感じで。でもこれがクセになりそうです。「第六の力」は長編で読んでみたいですね。

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    2016年05月02日
  • いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集

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    前半の3作は終盤になるまで何とも言えない不穏な空気が漂い、話がどこへ向かうか分からないハラハラ感にページを捲る手が止められない。ただ予想外のオチは、イマイチなものもゾッとするものもあったけれど、総じて『鳥』の方が好み。

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    2015年12月11日
  • いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集

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    五篇からなる短編集。

    「いま見てはいけない」
    映画「赤い影」の原作。
    幼い娘を亡くした夫婦がヴェネチアで老姉妹に会う。
    妻は、亡くなった娘さんがあなたのそばにいると言われ、悲しみに暮れていたところを救われるが、夫はそんなことを言う老女を胡散臭く思う。

    「真夜中になる前に」
    絵を描くことを趣味とする教師が、ギリシャに旅行に出かける。
    泊まったホテルでいかがわしい夫婦に出会う。

    「ボーダーライン」
    病床の父のもとに見舞いに行った娘の前で、突然父が亡くなった。
    娘は、父と最後に見ていたアルバムに写っていた旧友を訪ねることにする。

    「十字架の道」
    エルサレムのツアー引率をする予定の牧師が病に倒

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    2015年10月26日
  • レイチェル

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    ネタバレ

    ミステリ。イングランド。イタリア。遺言。毒。「ばっかだなぁ!見事に手玉に取られちゃってさぁもう」と思いながら読み進めて行くうち、むしろ思った通りの悪い人であってくれ、でないと救われない、という気持ちになっていった。怖かった。

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    2015年09月29日
  • レイチェル

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    最後の数十ページを息を詰めて読みました。

    私も狭い世界しか知らないから、レイチェルには抗えないだろうな。

    「十一時前の女は見られたものじゃない」…肝に銘じます。

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    2009年10月04日
  • レイチェル

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    「レベッカ」の作者デュ・モーリアの作品で、「レベッカ」とは
    姉妹作と言う評判のようです。
    レベッカでは主人公「わたし」は身寄りの無い若い女性でしたが
    本作の「わたし」は、異国で亡くなった従兄の後を継いで
    領主になった青年フィリップです。
    その彼の所に、亡くなる前に従兄と結婚した女性「レイチェル」が現れて、
    「フィリップ」は段々と恋に落ちていく事になります。
    しかしレイチェルにはよくない噂もあり、フィリップは
    次第に追い込まれていって…という話です。
    余り劇的な展開が無く、どちらかと言うと独りよがりに
    暴走していくフィリップが、はた迷惑だなぁと言う感想を持ちました。
    その暴走していく様こそ、この

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    2009年10月04日
  • レイチェル

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    順番が逆では

    レベッカ、レベッカと言いつつ、肝心のレベッカが電子化されてていない。
    マッチポンプのつもり?
    版権の問題等いろいろあるかもしれませんが、顧客の立場を考えて行動して欲しいものです。
    まあ、お好みで。
    紙で読みますよ、そこまで電子版にこだわっているわけではないので。

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    2024年05月30日