ダフネ・デュ・モーリアのレビュー一覧
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ネタバレ最後のオチが「え、そっち!?」だった。
レイチェルの趣味が『園芸』と聞けば、ミステリー好きにはピンと来そう。
レイチェルの人物描写が実に見事。読みながらうっかり私も恋しちゃった。
主人公フィリップのウブさもまた見事!こういう男性いる!作者はいつもどんな風に他者を観察してるんだろう。
実は、ルイーズにもう少し頑張って欲しかった。これからリベンジが始まるか!という時に物語が終わってしまって、少し物足りなかった。でも人によっては「語り過ぎないからこそ」なのかな。
でもさ、彼女は毒婦なのかそれとも…ってあったんだけど、普通の常識と礼儀貞節を知る女性なら亡き夫の実家に何ヶ月も居座らんだろう。愛だからとかでなく、亡き夫の育てた男の子狙うって毒婦中の毒婦でしょう。こわやこわや… -
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ネタバレ目次より
・いま見てはいけない
・真夜中になる前に
・ボーダーライン
・十字架の道
・第六の力
ゴシックサスペンスの小説『レベッカ』で有名な、ダフネ・デュ・モーリアの短編集。
全体像が見えないことによるドキドキ感は健在で、「どういうこと?どういうこと?」と手さぐりで読み進めていくことの快感。
特に表題作の「いま見てはいけない」は、なんとなく結末が想像できるのではある。
けれど、押し寄せる不安で、結末を確認しないではいられない。
ただ、カタルシスを得られるかと言えば、それはない。
この短編集全体がもやもやを抱えたまま沈んでいくような読後感。
「ボーダーライン」はアイルランド問題、「十字架の道」はキリスト教をもっと知っていれば理解が深まったのだろうか。
私の中で消化不良のまま残されている。
「第六の力」
映画化作品が多いデュ・モーリアだけど、これについては清水玲子で漫画化を希望。
絶対合うと思うんだ、彼女の作風と。
オカルトと科学の融合?混濁?
濃密なイギリス臭漂う作品集。
全部違う作風なのに、全部イギリスだったわ。 -
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デュ・モーリア作のもうひとつの「レベッカ」とも呼ばれる作品。
今回も状況の描写が素晴らしく、登場人物と同じ場で物語を見ているような気持ちにさせる。
両親を亡くし、従兄アンブローズによって育てられるわたし。
アンブローズはイタリアで結婚し急逝する。アンブローズからの便りに、ただならぬものを感じるわたしは、彼の妻であるレイチェルを憎む。
そんな折、レイチェルがわたしの暮らす屋敷にやって来る。
「レベッカ」と同じくイギリスの上流家庭と言える裕福な家族の物語。
タイトルともなっているレイチェルは、魅力溢れる女性だが、それだけではないように思わせる謎を秘めている。そういうところも「レベッカ」に似ている。
設定は似ているが、「レベッカ」の方が個性の強い登場人物が多いように感じる。
本書のわたしは若い男性。
このわたし、フィリップが何とも言えない。
レイチェルを毛嫌いしていたのに、会ってすぐに心酔してしまう心変わりの早さ、身勝手で我儘、衝動的というか軽率に思うまま行動してしまう思慮の浅い男。
ここまで愚かな人物だと、読みながらイライラとして楽しい。
意外とも言えるラストが唐突にやってくる。
「レベッカ」のときと同じように突然終わってしまう物語に茫然とする。まさに糸がプツンと切れるように終わる。
レイチェルは結局、悪女だったのか聖女だったのか。答えがはっきりと書かれていない。
こういった終わり方は好き嫌いの別れるところだと思う。
わたしは「レベッカ」のときと同じく、想像を膨らませ、読み終わるとじんわり余韻を感じられるところが良かった。
まだまだ他の作品も読んでみたくなる。 -
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ネタバレ面白いというので、読んでみた。
参った!本当に面白い!
主人公フィリップの父親代わりであった従兄アンブローズが、レイチェルという女性と結婚する。
その後、すぐにアンブローズは病に犯され、フィリップは彼を看取ることなく亡くなってしまう。
その原因はレイチェルにあるとし、憎悪さえ抱いていたフィリップだが、彼女との対面の夜、そうした気持ちは一転してしまう。
そして、レイチェルとフィリップの生活が始まるのだが……という話。
フィリップの右往左往ぶりが、見ていて滑稽なくらいで、ちょっとは頭を冷やしなさいよ!と言いたくなるほどのバカ御曹司っぷり。
しかし、そんな私自身がフィリップのフィルターマジックにやられ、レイチェルに対する感情を二転三転させられることもまた、面白い。
結局、彼女は何者なのだろう?
分かりそうで、分からないままに物語は終わる。
ファムファタル、恐るべし。。。
坂道の連続で、分量のある本なのに、ほんとうに一気読みしてしまった。すばらしい。 -
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これを読みながらずっと「レベッカ」を思い出していた。「昨夜、わたしはまたマンダレイに行った夢を見た」という冒頭の一文から、ミステリアスで繊細な物語は始まっていた。ここに収められた短篇にも、「レベッカ」と同様の叙情が漂っている。そのストーリーテリングを堪能できる一冊。
「レベッカ」では、謎めいた物語に引き込まれるのと同じくらい、舞台となるマンダレイという土地や、そこに建つ邸宅などに魅せられたように思う。奥深く、底の知れない気配が立ちこめていた。本書でも、「真夜中になる前に」のクレタ島や、「十字架の道」のエルサレムなど、その土地こそが主役なのではないかとまで思わせる舞台が、それぞれ異なる魅力を持って描かれている。
中でも圧巻なのは表題作のベネチアだ。ひたひたと水に洗われる古い街が目の前に立ち現れてくる。映画になっているらしいが、まことにさもありなん。場面場面が目に浮かぶような気がする。不安で不穏な空気がこれ以上美しく似合う街もないだろう。
ゆったり贅沢な読書を楽しんだが、一つだけ、最後の一篇「第六の力」にはやや違和感があった。他の五篇とは趣が違っていて、これはない方が全体としてまとまりがあったのではないかなあ。 -
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・ダフネ・デュ・モーリア「いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集」(創元推理文庫)は表題作を含めて全5作、約420頁の短篇集である。最近の文庫は活字が大きいといつても、単純平均で80頁ある。長めの短篇といふところであらう。いかにもデュ・モーリアといふ感じの作品が収められてゐる。やはりおもしろい。
・巻頭の表題作「いま見てはいけない」は「赤い影」として映画化されてゐる作品である。未視感といふのであらうか。いや、起きるべき未来が見えてしまつた、あるいはまだ起きてゐない出来事を見てしまつたことから起きる悲劇である。ヴェネチアに滞在中のジョンとローラの夫婦にイギリス人老姉妹が関はつて事件が起きる。構成も起承転結がきつちりできてをり、老姉妹と知り合つてからの2人の心理の推移がよく分かる。これはジョンが老姉妹を嫌ひ、ロー ラは引かれるといふだけのことなのだが、個人的には、ジョンが老姉妹を嫌ふ様子がたぶんに教科書的といふか、紋切り型といふか、それにもかかはらずおもしろい。さう、ジョンがいかにもそれらしく老姉妹を嫌ふがゆゑに、ここに事件の起きる気配を漂はせて読む者を引きつける。しかも、まだ起きてゐない3人を見 てしまつて以後のジョンの行動もまた、所謂スリルとサスペンスに満ちてゐてなかなかおもしろい。要するに、これがデュ・モーリアなのである。映画化された だけのことはある。次の「真夜中になる前に」も似た感じの作品である。主人公の教師がクレタ島での休暇中に体験したスリルとサスペンス(といふほどのもではないか)である。起承転結もはつきりしてをり、3人の登場人物の描写もまた分かり易い。絵を描くのに最適なバンガローではあつても、それが最も外れに位置してゐたために起きる、これもまた悲劇であらう。不躾な米国人夫妻と知り合つて別れるまでの主人公の心理がおもしろい。先のと同様に、追ひつめられてい く、あるいは考へすぎていくのは、ある意味、紋切り型ではあつても、それがやはりこの作品にふさはしい。これらとはいささか異なるのが「ボーダーライン」である。父が死んだことにより、かつての父の親友を訪ねることにしたといふ物語である。父と友との別れの原因を突きとめるためにアイルランドまで行つて主 人公が知つたのは……最後にどんでん返しがあると言つては言ひすぎか。主人公は相手をだましたつもりでゐたのに、実はだまされてゐたといふことである。これも構成的によくできてゐる。初めのうちは何だこれはと思つてゐるのだが、そのうちに引き込まれていく。ところが、最後の「第六の力」はさうはいかない。 SF仕立てであるらしいが、あまり良い出来とは思へない。少なくとも私はかういふのは好きではない。アイデアを消化できずに終はつたのであらうか、内容的に中途半端であつて、とてもSFとは思へない。更に言へば、ここには先の作品のやうな雰囲気がない。「十字架の道」もおもしろくない。これも「第六の力」 同様である。物語は現代のエルサレム巡礼といふところであらう。その人々の行動が描かれる。従つて、一つのきつちりとしたストーリーはない。個々のエピ ソードの積み重ねである。ゲッセマネを求めての散策等での登場人物の描き分けはなされてゐても、そのエピソード自体が私にはおもしろくない。どの登場人物 も不平不満を述べるばかりである。そもそもこれがおもしろくないうへに、その行動も、そこから生じる出来事もおもしろくない。これでは物語がおもしろくならうはずがない。そんなわけでこの作品集、私には前3編と後2編が対照的に思はれて、巧拙、良し悪しとに二分されたのであつた。 -
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【2026年25冊目】
母親を亡くしたメアリーは叔母のペイシェンス・マーリンの元に身を寄せるべく、ジャマイカ館を訪れた。だが、かつてのような明るさは鳴りをひそめ、叔母は見る影もなくやつれていた。叔父であるジョスの態度に反抗心を持ち、いつか叔母と共に館を出ることを決意するメアリーであったが、ある日館の秘密を知ってしまい――。
長かった。長かったです。その割にあんまり登場人物に感情移入ができなかったのが残念でした。ヒッチコック映画の原作になったということもあり、どんな不可解さがあるのかな〜と思ってましたが、とっても人間でした。ホラーやファンタジー要素は皆無です。ちょっとだけラブロマンスがありますが、「いや、チョロくないか…?」と心配になる感じでした。恋は盲目。
海外の小説っぽいテンポではありましたが、読みにくくはなかったです。ちょっと冗長な感じがしましたし、やっぱりな!と思う面もありました。終わりはまあ、良かったんじゃないでしょうか。これ、映画にするにしてもテンポが難しいんじゃなかったろうかと思わせられる感じでした。特に見ようかなとは思わない感じです。