ダフネ・デュ・モーリアのレビュー一覧

  • レイチェル

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    謎めいた美女を書かせたらデュ・モーリアの右に出る人物はいないんじゃなかろうか。「彼女が何を考えてるのか知りたくてたまらん!」と読者に思わせられたら作家の勝ち。レイチェルの頭の中を暴きたくて仕方がない私は、デュ・モーリアに全面降伏です。でも本を読み返せど、やっぱり理解出来た気がしない。一体どっちだったんだよレイチェル…。

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    2017年09月08日
  • いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集

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    ネタバレ

    目次より
    ・いま見てはいけない
    ・真夜中になる前に
    ・ボーダーライン
    ・十字架の道
    ・第六の力

    ゴシックサスペンスの小説『レベッカ』で有名な、ダフネ・デュ・モーリアの短編集。

    全体像が見えないことによるドキドキ感は健在で、「どういうこと?どういうこと?」と手さぐりで読み進めていくことの快感。

    特に表題作の「いま見てはいけない」は、なんとなく結末が想像できるのではある。
    けれど、押し寄せる不安で、結末を確認しないではいられない。
    ただ、カタルシスを得られるかと言えば、それはない。
    この短編集全体がもやもやを抱えたまま沈んでいくような読後感。

    「ボーダーライン」はアイルランド問題、「十字架

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    2016年12月31日
  • レイチェル

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    美しいレイチェルに心奪われていくフィリップ青年の揺れが如実に表され、時に同情、同意しながらもゾクゾクとさむけを感じるようなところも。

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    2016年02月17日
  • レイチェル

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    デュ・モーリア作のもうひとつの「レベッカ」とも呼ばれる作品。
    今回も状況の描写が素晴らしく、登場人物と同じ場で物語を見ているような気持ちにさせる。

    両親を亡くし、従兄アンブローズによって育てられるわたし。
    アンブローズはイタリアで結婚し急逝する。アンブローズからの便りに、ただならぬものを感じるわたしは、彼の妻であるレイチェルを憎む。
    そんな折、レイチェルがわたしの暮らす屋敷にやって来る。

    「レベッカ」と同じくイギリスの上流家庭と言える裕福な家族の物語。
    タイトルともなっているレイチェルは、魅力溢れる女性だが、それだけではないように思わせる謎を秘めている。そういうところも「レベッカ」に似てい

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    2015年12月19日
  • いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集

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    この中には5編の短編がおさめられているが、一番好きなのは「十字架の道」。好みで評価は別れると思うけど、すべて私は好みです。この人の作品はもっと読みたい。

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    2015年08月20日
  • いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集

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    『レベッカ』が大好きなので短編集も読んでみた。日常の生活や人間関係における心の機微や、ありきたりなようで意外な人間模様を、鮮やかにまたシニカルに描き出す傑作揃いだった。「十字架への道」で前歯が折れてしまった夫人をいたわる大佐が印象的。日々の生活をこうもドラマチックに描かれると、私の人生もそう捨てたものではないような気がしてくるから不思議だ。

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    2015年04月08日
  • いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集

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    これを読みながらずっと「レベッカ」を思い出していた。「昨夜、わたしはまたマンダレイに行った夢を見た」という冒頭の一文から、ミステリアスで繊細な物語は始まっていた。ここに収められた短篇にも、「レベッカ」と同様の叙情が漂っている。そのストーリーテリングを堪能できる一冊。

    「レベッカ」では、謎めいた物語に引き込まれるのと同じくらい、舞台となるマンダレイという土地や、そこに建つ邸宅などに魅せられたように思う。奥深く、底の知れない気配が立ちこめていた。本書でも、「真夜中になる前に」のクレタ島や、「十字架の道」のエルサレムなど、その土地こそが主役なのではないかとまで思わせる舞台が、それぞれ異なる魅力を持

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    2015年01月21日
  • いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集

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    ・ダフネ・デュ・モーリア「いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集」(創元推理文庫)は表題作を含めて全5作、約420頁の短篇集である。最近の文庫は活字が大きいといつても、単純平均で80頁ある。長めの短篇といふところであらう。いかにもデュ・モーリアといふ感じの作品が収められてゐる。やはりおもしろい。
    ・巻頭の表題作「いま見てはいけない」は「赤い影」として映画化されてゐる作品である。未視感といふのであらうか。いや、起きるべき未来が見えてしまつた、あるいはまだ起きてゐない出来事を見てしまつたことから起きる悲劇である。ヴェネチアに滞在中のジョンとローラの夫婦にイギリス人老姉妹が関はつて事件が起きる。

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    2015年01月11日
  • いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集

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    誰が正しいのか、誰を信用していいのか、自分の見たものを信じていいのか、足元の地面がぐらぐらするような不安感がたまりません。。。

    「いま見てはいけない」が一番よく出来てる気がする。
    解説は、デュ・モーリア作品と映画との関連をきちんと語っていて親切だと思う。

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    2014年12月03日
  • レイチェル

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    レベッカほどじゃないけど面白かった。
    アンブローズの分身として育った青年の悲しい運命というか・・・。
    もし、あのまま最初の乳母に育てられてたら・・・っておもってしまう。
    レベッカみたいに、もうちょっと、お城での優雅な生活が描かれてたらよかったなー。主人公が男だからしょうがないか。ラストは大好き。よかった!

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    2012年03月30日
  • スケープゴート

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    ネタバレ

    ページ数が多く文字もぎっしりなので、読み終えるのになかなかの時間を要する。だがその分、この世界に長く浸ることができる。
    ジャンに代わり城に滞在するジョンは、なぜか身内にも正体を見破られない。ツッコミどころのはずなのに、読んでいくうちにいつの間にか読者もそれを受け入れていく。
    部外者だからこそできること、わかることもあれば、逆もまたしかり。どんなに心を通わせても、結局自分は赤の他人でしかない。
    ジョン及びドゥ・ギ一族の人々の行く末、その最大の謎が常に存在しているのでページを捲るモチベーションになる。

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    2025年06月05日
  • いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集

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    ネタバレ

    ずっと読みたかった「いま見てはいけない」。唯一無二の存在感のある作品だった。水面下で不吉なことが起こりつつある不安感。唐突の幕切れは鉛のような後味の悪さを残す。
    ホラーかと思っていたので、想像していたストーリーとは違ったが、ある意味これもスピリチュアルホラーか。

    そのほかの収録作品は、暗示的な内容が多くて少し難しかった。【鳥】のほうが娯楽小説として楽しめたが、「いま見てはいけない」ではモーリアの底知れぬ筆力を再確認できたので、読んでよかったと思う。

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    2024年08月29日
  • 原野の館

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    サスペンス小説、先が気になって
    どんどん読み進めてしまった。
    原野、開かれていない土地が舞台となっているのが、
    この小説のミソだと感じた。 

    映画も鑑賞したいと思った。

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    2024年04月28日
  • いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集

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    不条理、ホラーチックなものなど、様々なジャンルの短編集。
    表題作は、子供を失くした傷心の夫婦の旅行中に起こる不可思議な体験談。妻の方が行方不明になったかと思いきや…不思議な結末。

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    2024年04月21日
  • 原野の館

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    このラストでは、おばさんと同じじゃないかと危惧。結構な活劇展開だった。原野というより荒野のイメージだが、原題のママが一番。実在したことにも驚くが、今や四つ星ホテルとは。
    一言。痛みは意識された?何ともな訳。

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    2022年05月25日
  • 原野の館

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    想像していた物語とは、全然違って、なんていうか、冒険物で、その様に読みすすめると、主人公の好奇心と、行動力には、脱帽だし、どーなるの?どーするの?と、ワクワクしたけど、返って怖い。自然って夜の原野なんて、もう怖過ぎるでしょ。

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    2021年07月08日
  • 原野の館

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    レベッカは面白かったなぁ~と思い手に取りました。が。なんだかお話が複雑というか、ヒロインの恐怖があまり伝わってこなくて途中で飽きてしまいました。そんな首突っ込まない方が良いのに…なんて事なかれ主義の日本人だから思うのかもしれないけど…

    イギリスの冬は寒そうだな~なんて思いながら読みました。

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    2021年05月12日
  • 原野の館

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    こ、これは…、けっこう"活劇"じゃないか。『レベッカ』のような、不穏な心理サスペンスを期待して読み出したので、恋愛ありドンパチあり、でビックリ。こういうのも書くんだ…。

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    2021年03月29日
  • レイチェル

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    すごく読みたくてとっておいた本を、いよいよ読み始める時の気分が好きだ。買ってもすぐにはよまず、その前にこっちの本から…などとわざと自分をじらしてみたりする。そうすると「その前」に読んでいる本を早く片付けなければならないようなおかしな心理状態になったりして、本一冊でなんとドラマチックなことよ。
    この本表紙がいまいち、電子書籍の方がかっこいいな。

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    2020年09月18日
  • いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集

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    いま見てはいけない、というタイトルに惹かれて手に取りました。
    全体的に不穏な雰囲気の漂う短編集でした。旅先で出会う奇妙な人物、奇妙な出来事…ホラー?ミステリー?分類が難しいので奇妙な味のカテゴリに入れておこう。
    「いま見てはいけない」「真夜中になる前に」「ボーダーライン」の3編は、ラストにズドンと落とされる感じが良い。
    エルサレムを旅するご一行の群像劇「十字架の道」は表面上はうまくやっている面々が、水面下ではお互いを軽蔑しあっているというところがリアルで、イヤミス的な面白さもあった。
    ラストの「第六の力」はSFチックで他作品とはちょっと毛色が違う感じ。
    「いま見てはいけない」は「赤い影」という

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    2019年11月21日