谷泰子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
緊迫の三日間、後半です。
殺人捜査のやりかたもまだまだ確立していない時代。
事件に立ち向かう警官達の泥臭い奮闘を描きます。
髭を生やした男がつぎつぎに殺される、ホームズの事件の表題になりそうな事件があったり。
時代の暗闇は濃厚です。
警察署の前の路上にいる浮浪者ダンスマンも捜査に関係し、ディ警部はダンスマンの身の振り方を考えてやります。
登場人物が個性的で、その濃さは同じような比重で描かれます。
犯人の視点からの描写もあり、途中から犯人はわかってしまいますが。
動機が20世紀後半の連続殺人とは違い、貧しさや解決不能な絶望が背景に。
行方不明になった幼い子供を捜し続けた親のもとへ、子供が帰 -
Posted by ブクログ
一巻で消えたエリーが心配で、スティヴィが学校から離れて状況もわからずハラハラしながら読み進めた。
ずっと生きてまた再開できることを期待してた。標高の高いところで夜間の気温も低下してるけど、きっと生き延びてくれてる、スティヴィが必ず見つけてくれるって期待してた。。。
まだいろいろな謎は解けないものの、過去の事件は解決の目処がついてまた新たな事件発生で幕引き。
ぼんやりと、生き残ってたアリスの壮大な復讐なんじゃないかなと想像するけど、わからないことが多い。
スティヴィはあんまりうろうろしないで、ちゃんと精神科でカウンセリングを受けて授業に集中した方がいいと思う。 -
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Posted by ブクログ
19世紀末のロンドンを舞台に、警官達の奮闘を描きます。
時代色たっぷりで面白く読めました。
1889年、切り裂きジャックの事件がどうやら迷宮入りに終わり、街には恐怖が漂っている時期。
警察の権威は地に落ちています。
とはいえ、そもそも警察官の数は少なく、殺人課は発足したばかり。増え続ける犯罪に対して、12人しかいない刑事の負担が増える一方という過酷な状況なのでした。
ウォルター・ディ警部補は抜擢されて殺人捜査課へ赴任してきます。
犯罪が少ない田舎町から越してきて、若い妻クレアも慣れないロンドン暮らしに。
クレアは良家の出で、本来は高嶺の花。ディのほかにない人柄を見抜いて結婚したのです。
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Posted by ブクログ
本屋と独身女性(と猫)。この組合せは、今や一つのジャンル?としてあるんじゃないか。なんて思いつつ、結構楽しく読めました。
よく似た設定でも面白いと思えるか、そのカギは、主人公の女性。この手の主人公では珍しく、内気で、受け身な性格のエリー。大好きな家族に囲まれているからか、取立てアクティブでもなく、人間関係のストレスもあまりなく、家族に甘えるのが上手な妹気質。明るく優しい姉メグとの仲も良好で、常に本に囲まれていたいと願っている。
雪山に彼女の家族が経営する本屋さんがあって、独特の雪山の暮らしが、読んでいて楽しかった。自分たちが乗っているゴンドラの前の、先のゴンドラで死人が出るんだけど、それを見 -
Posted by ブクログ
やっと読み終わったー!なかなか話が進まなかったり、過去と現在の話しがちょくちょく入れ替わったり、登場人物が多かったりと読むのに時間がかかってしまった。
ラストの謎解きまで良く進められたし、謎解き部分は納得。アリス探しにも決着がついたけど、遺産は事情があって個人の受け取りができないのがなんとも奥深い。
デイヴィッドやスティヴィの恋愛には危険を感じてたけど、終わりよければすべてよし。
どうしても別の作品「自由研究には向かない殺人」と比較してしまいそうになる。
エリンガムの寮生活はあんまり惹かれなかった。(だって、壁の中にネズミのミイラがどんだけおるねん!!andエリア中古いトンネルがあちこちあ -
Posted by ブクログ
スティヴィの青春と探究心が引き起こすドラマが面白い。淡々と進むところが現代っぽい。一昔前の青春ミステリならもっと暑い展開や冒険が強く描かれたと思うけど、現代版では主人公のもろさが丁寧に描かれる印象。
ネイトの引きこもりつつも、物書きへの執着がかなり好き。特に指輪物語やゲド戦記に傾倒しているあたり、甘酸っぱくてすごい郷愁感がくる。
p.261 でネイトがスティヴィに憧れの地に立つことができたことをうらやんで、ガンダルフが自分には訪れることがないと話すシーンは、心を打たれた。わかる。わかりみが強すぎる。精神を安定させるのがビルボの丸いドアって!わかりみが過ぎて苦しい。
スティヴィの恋愛やジャネ -
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