詩縞つぐこのレビュー一覧
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絵を求めてやってきた離島にて
複雑な人間関係に直面する。
離島の人達の、であったり、自分の、であったり。
過去の幻のように、ゆらゆらと出てきています。
子供にとって、どんなにひどい親であっても
絶対のもの。
切り離すには、非常に体力を消耗してしまいます。
しかし、Aだと思っていたのが実はBでした、は
よくあるパターンですが、まったく。
それよりも、図像術の話から、そこまで引き出せる
おばあちゃんがすごいのか?
ひっそりこっそり、いい所を持って行った感じです。
そしてこの二人の距離は…縮まったような
そうでないような。
ツンデレとツンデレは、一体いつデレるのでしょう?w -
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シリーズ第2弾。贋作と呪いの絵をめぐる美術ミステリー。
なんだけど、ミステリー色は薄いかな。美術の知識がなくても十分楽しめるし、絵画に込められた想いや、鑑賞のポイントみたいなものも分かりおトクな気分。
2作目にして、千景のキャラにもやっと馴染んできた。キューブの他の面々も個性的なキャラが揃っていて魅力的。特にメールでのみ登場するカゲロウさんの正体が気になる。
今回透磨の元カノが登場することで、前作よりも千景と透磨との関係に重きを置いてる感じ。過去の事件で心に傷を負った千景と、複雑な思いを抱えながらも千景を見守る透磨。不器用な2人の今後に期待したい。 -
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図像学という耳慣れない学問で、絵画に込められたメッセージを読み解いていく美術ミステリー。
美術に疎い私でもサクサク読めた。ただ、18歳で博士号を取得した秀才で、早熟で生意気な少女という主人公・千景のキャラに、なかなか感情移入がしにくかった。それでも、少しずつ仲間に心を開いていくところや、幼い頃に起きた誘拐事件のせいで心に傷を負った千景と透磨の今後の関係には期待。
あと、明記はしてないけど、舞台が神戸みたいなので、街並みや観光名所など、思い浮かべながら読むのも楽しい。
絵画に描いた物によって、見る人の深層心理に働きかけ、自傷行為を誘発するような影響を与える。正直半信半疑なとこはあるけれど、実 -
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今回の主な舞台は瀬戸内海の離島。
そこにはブリューゲルの熱烈なコレクターがいるという。
ブリューゲルの絵画に登場するモチーフをちりばめた庭園は、何かが足りない。
その何かとは「イカロス」。
イカロスはなんなのか。
イカロスは誰なのか。
罠の仕掛けられた庭園に千景と透磨が赴く。
この離島に住むコレクター、波多野はカササギを家紋としている。
日本では吉鳥、しかし西洋では不吉な鳥。
この正反対のイメージが今回の物語の重要なテーマだ。
どんなものにも裏と表がある、愛と憎悪が地続き......この言葉はトラウマを持つ千景が語るからこそ意味をなす。
桐真澄という女性が登場する。
この女性は波多野の娘で -
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図像学を学んだ天才少女千景と、その仲間たちが絵画の謎に迫るシリーズその2。
相変わらず千景は素直ではなく、人を愛してはいけないと考えている。
そんな心に空洞を持つ少女にひかれている幼馴染、透磨は彼女を気にかけながらも優しい言葉をうまくかけられない。
しかも今回は、そんな透磨の元カノも登場して、千景は「嫉妬」と憧れ」の感情を見つけていく。
駆け引きではなく、互いが相手を知り、補完し合い......そんな大人の恋愛にはまだほど遠く、進展はほんの少し。
それを象徴するような今回の絵画は、ブロンズィーノ。
『愛の寓意』で有名な画家だが、ブロンズィーノには一体どんな呪いが込められているのか?
しかも、贋 -
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図像学という聞きなれない学問を使って、絵画の謎に迫るシリーズ、第一弾。
絵画に仕掛けられた呪いとは、そしてそれを打破するためにはどうしたらいいのか?
過去に謎と傷を持つ天才少女と、その幼馴染、そして怪しげなクラブの面々。
放っておけない魅力を持つ少女に、ぶっきらぼうな幼馴染。
少女漫画の王道ともいえる設定だが、ミステリとしては本格的。
西洋絵画に描かれる持ち物(アトリビュート)は有名なものではりんご、羊、孔雀、車輪など。
文字を読めない人々が大半だった時代には、決まった持ち物を描き入れることで、これが一体誰でどんな意味を持っているのかを伝えていた。
その意味のある物を組み合わせることで、画家 -
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ネタバレ第三弾。今回は千景の父に対してフォーカスが当たっている。父が手掛けたイカロスの墜落を見立てた庭園に足りないものを見つけるよう依頼された千景たちは、庭に無いのはイカロス自身であることを発見する。
依頼者は足りないイカロスとは、粗暴に成長した息子の事ではないかと考えており、千景は父がそんな未完成の庭園を作ったことで、千景へイカロスはお前だとメッセージを送られたように感じて、依頼人の息子に興味を抱く。
そのことにやきもきしながらも、素直に態度に出せない透磨。
千景が忘れてしまった記憶を思い出して欲しいのか欲しくないのか葛藤する彼だが、そんなこと知らない千景は透磨のツンツンした態度に無意識に傷つく。
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贋作がある、という噂を聞いて、真実を確かめるため
動き出したはいいものの…。
この二人の屈折したというかなんというか…。
関係性、最後の方には多少動いてますけど
他からみたら、ほぼ動いてないに等しい状態。
幼馴染の警察は、確実にあと一歩どころか
やろうと思う所で阻止されまくりそうです。
発見された絵に、画廊に、昔の彼女。
色々掘ったら出てきました状態なのに
本人達が掘り下がらない…!
事件だけが掘り下がって、発掘されて終了。
そのついでに、と双方の感情がでてきたりしますが
この温度差、というか気になり具合の違い差。
うん、これはさっさと別れて正解です。
相手に失礼。
付き合う事を選択した時